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12 森の中で一人と一匹
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アロイヴと紫紺が屋敷の裏庭を抜けて森に入ってから、もう数時間が過ぎていた。
あのとき起きた異変がなんだったのか、それを確認する勇気はなかった。見たくないものから目を逸らしたまま、アロイヴはこんな森の奥まできてしまった。
後ろから、誰かが追ってきている気配はない。それでもアロイヴは、歩みを止めることができなかった。
あの屋敷からできるだけ遠くに行きたい。
あそこで何が起こったのか、その噂が聞こえてこないぐらい――遠くへ。
夜明けが近いのか、木々の隙間から見える空が少しずつ明るんできている。
昨晩は二時間も眠れていないのに、あんなことがあったせいで気持ちが昂っているのだろう。眠気も疲労も全く感じなかった。
「ねえ、紫紺。この森はどのくらい広いの?」
アロイヴはこの世界の地図を見たことがない。
この森の広さだけでなく、ここがどこなのかも、自分がどこに向かって歩いているのかも、何もわかっていなかった。
森の中には道らしい道もない。
ただひたすら木々の合間を縫って、まっすぐ歩いてきたつもりだったが、そろそろその自信もなくなってくる頃合いだった。
「この森、迷いの森って呼ばれてたりしないよね?」
この数時間、周りの景色は全く変わっていない気がする。
ずっと、ぐるぐる同じ場所を歩いている気分だ。
「今、出会った人に『ここは迷いの森で、君はずっと同じところを回ってるよ』って説明されたら、信じちゃいそうだよ」
紫紺にそんな話をしても仕方がないのはわかっているのに、話しかけることをやめられなかった。
「だめだね。独り言が増えちゃって」
今までも、ずっと一人のつもりだった。
あの屋敷に住み始めてからは、一人でいるほうが楽だと思って生きてきた――つもりだった。
「僕は……一人じゃ、なかったんだね」
アロイヴの隣には、いつもケイがいた。
一人にしてほしいと頼んだこともあったけれど、それでも完全に一人になったことはなかったのかもしれない。
ケイはいつもどんなときだって、アロイヴのことを見守っていてくれていたのだ。
本当の一人ぼっちになってしまわないように。
きゅきゅう、と紫紺が不満そうな声で鳴いた。
今だって一人じゃないだろう、と言っているのだろうか。きっと、そうだ。
「僕と紫紺で、一人と一匹だね」
二人にはなれないけれど、一人ではない。
一人と一匹――一緒にいればきっと、この寂しい気持ちも少し紛れるはずだ。
◆
眠気と疲労より先に、思い出した感覚は空腹だった。
「こんなときでも、お腹って減るんだ」
アロイヴは他人事のように呟くと、冷えて動きの鈍くなった自分の指先を見つめる。
実際に食べ物が喉を通るかは別としても、体温を上げるために必要な最低限のエネルギーすら足りなくなっているのは事実だった。
このままでは、動けなくなるのは時間の問題だろう。
あまりよくない状況だ。
水だけは、少しずつ飲んでいた。紫紺が水場を見つけるたびに、『飲め』とうるさく鳴いて催促してきたせいだ。
そのおかげで森に入ってから、喉の渇きを自覚したことはなかった。
「ねえ、紫紺。この辺りに僕に食べられそうなものってある?」
質問した瞬間、紫紺がびくっと体を震わせた。
アロイヴの肩に預けていた頭を起こして、こちらを覗き込んでくる。
その目は驚いたように見開かれていた。
「ん? 紫紺、どうしたの?」
これはどういう反応だろう。
アロイヴの問いが聞こえているのかいないのか、紫紺は慌てた様子で、きゅうきゅうと鳴いている。
「もしかして、僕のご飯のこと忘れてた?」
アロイヴが聞くと、紫紺はぴたっと動きを止めた。
きゅううう、と情けない声で鳴きながら、顔をアロイヴに近づけてくる。すりすりと頬を擦り寄せて、まるで『ごめん』と謝っているようだ。
「別にいいよ。僕も忘れてたし……っていうか、紫紺は本当に僕の言葉がわかるんだね」
これも不思議なことだったのに、大変なことが続きすぎて、確認するのをすっかり忘れてしまっていた。
ケイは影狐をとても賢い魔獣だと言っていたが、こんなにも的確に言葉が通じるものなのだろうか。
「魔獣はみんな、言葉が通じるのかな……?」
アロイヴがよく知っている魔獣は紫紺だけだ。
魔獣が皆こういう特性なのだとしたら、何も不思議に思う必要はないのだが……いったい、どうなのだろう。
その答えは、今すぐ出そうになかった。
◆
「これ、本で見たやつだ。確か、リフェーマ……だっけ?」
倒木の上に腰掛けて、アロイヴは手に持った果実を眺めていた。
紫紺がアロイヴのために取ってきてくれたそれは、リンゴに似た緑色の果実だ。
「見た目はリンゴにそっくりなのに、熟したら赤から緑になるっていうのが、ややこしいんだよなぁ……それもこれも、前世の記憶が悪いんだけど」
前世の記憶はこういうときにも邪魔になる。
やっぱりこの記憶だけは、いつまで経っても無駄なものとしか思えなかった。
「味は何に似てるんだろう?」
本には確か、『熟すほど甘みが強くなるが、熟しすぎると渋みが出てくる』と書いてあった。
それを見極める方法も書いてあった気がするが……読んだはずなのに思い出せない。
「こんなことになるなら、ちゃんと覚えておけばよかったな」
アロイヴは独り言を言いながら、おそるおそるリフェーマに口を近づける。皮ごと齧りつくと、しゃりっとした歯ごたえの後に、とろりとした甘さが口の中に広がった。
見た目と歯ごたえはリンゴに似ているリフェーマだが、味はたっぷり熟したメロンに似ている。
少し不思議な感じがした。
「それにしても、紫紺……遅いな」
紫紺はリフェーマをアロイヴに持ってきた後、また食べ物を探しにいっていた。
屋敷を出てからずっと紫紺を首に巻いていたせいか、いなくなると首がすかすかして変な感じだ。
それに、自分の独り言に紫紺の返事がないのも、どうにも落ち着かなかった。
「紫紺……」
アロイヴは急に心細くなって、紫紺の名前を呼ぶ。
どっちの方向に行ったのかもわからないので、立ち上がってキョロキョロと周囲を見回した。
立った拍子に食べかけのリフェーマを落としてしまったが、それにも気づかないまま、アロイヴは紫紺の姿を探す。
「紫紺!」
さっきより、声を張り上げる。
今度はすぐに、きゅう! と聞き慣れた声で返事があった。そこから十秒も経たないうちに、紫紺がアロイヴの腕の中に飛び込んでくる。
「よかった……紫紺」
何かあったとは思っていなかったが、紫紺と離れていることが怖かった。
ぎゅっと強く抱きしめ、腕の中の紫紺の存在を確かめる。
首元の毛並みに顔を近づけると、顔を上げた紫紺がぺろりとアロイヴの口元を舐めた。
「くすぐったいって」
紫紺にこんな風に口元を舐められたのは初めてだった。
手を舐められたことは何度もあるが、顔を近づけても、今までは頬同士を擦り合わせてくるだけだったのに。
――さっき食べたリフェーマの匂いがするからかも。
果物は紫紺の好物だ。
アロイヴの口についたリフェーマの匂いに気づいて、夢中で舐め取っているのかもしれない。
それなら気が済むまでやらせてやろう――アロイヴがそう思ったときだった。
「ん、……あれ?」
急に視界が歪んだ。
身体に力が入らなくなってくる。
「し、こん……」
呂律もうまく回らない。
目も開けていられなくなる。
意識が完全になくなる直前、誰かの腕に背中を支えられたような気がした。
あのとき起きた異変がなんだったのか、それを確認する勇気はなかった。見たくないものから目を逸らしたまま、アロイヴはこんな森の奥まできてしまった。
後ろから、誰かが追ってきている気配はない。それでもアロイヴは、歩みを止めることができなかった。
あの屋敷からできるだけ遠くに行きたい。
あそこで何が起こったのか、その噂が聞こえてこないぐらい――遠くへ。
夜明けが近いのか、木々の隙間から見える空が少しずつ明るんできている。
昨晩は二時間も眠れていないのに、あんなことがあったせいで気持ちが昂っているのだろう。眠気も疲労も全く感じなかった。
「ねえ、紫紺。この森はどのくらい広いの?」
アロイヴはこの世界の地図を見たことがない。
この森の広さだけでなく、ここがどこなのかも、自分がどこに向かって歩いているのかも、何もわかっていなかった。
森の中には道らしい道もない。
ただひたすら木々の合間を縫って、まっすぐ歩いてきたつもりだったが、そろそろその自信もなくなってくる頃合いだった。
「この森、迷いの森って呼ばれてたりしないよね?」
この数時間、周りの景色は全く変わっていない気がする。
ずっと、ぐるぐる同じ場所を歩いている気分だ。
「今、出会った人に『ここは迷いの森で、君はずっと同じところを回ってるよ』って説明されたら、信じちゃいそうだよ」
紫紺にそんな話をしても仕方がないのはわかっているのに、話しかけることをやめられなかった。
「だめだね。独り言が増えちゃって」
今までも、ずっと一人のつもりだった。
あの屋敷に住み始めてからは、一人でいるほうが楽だと思って生きてきた――つもりだった。
「僕は……一人じゃ、なかったんだね」
アロイヴの隣には、いつもケイがいた。
一人にしてほしいと頼んだこともあったけれど、それでも完全に一人になったことはなかったのかもしれない。
ケイはいつもどんなときだって、アロイヴのことを見守っていてくれていたのだ。
本当の一人ぼっちになってしまわないように。
きゅきゅう、と紫紺が不満そうな声で鳴いた。
今だって一人じゃないだろう、と言っているのだろうか。きっと、そうだ。
「僕と紫紺で、一人と一匹だね」
二人にはなれないけれど、一人ではない。
一人と一匹――一緒にいればきっと、この寂しい気持ちも少し紛れるはずだ。
◆
眠気と疲労より先に、思い出した感覚は空腹だった。
「こんなときでも、お腹って減るんだ」
アロイヴは他人事のように呟くと、冷えて動きの鈍くなった自分の指先を見つめる。
実際に食べ物が喉を通るかは別としても、体温を上げるために必要な最低限のエネルギーすら足りなくなっているのは事実だった。
このままでは、動けなくなるのは時間の問題だろう。
あまりよくない状況だ。
水だけは、少しずつ飲んでいた。紫紺が水場を見つけるたびに、『飲め』とうるさく鳴いて催促してきたせいだ。
そのおかげで森に入ってから、喉の渇きを自覚したことはなかった。
「ねえ、紫紺。この辺りに僕に食べられそうなものってある?」
質問した瞬間、紫紺がびくっと体を震わせた。
アロイヴの肩に預けていた頭を起こして、こちらを覗き込んでくる。
その目は驚いたように見開かれていた。
「ん? 紫紺、どうしたの?」
これはどういう反応だろう。
アロイヴの問いが聞こえているのかいないのか、紫紺は慌てた様子で、きゅうきゅうと鳴いている。
「もしかして、僕のご飯のこと忘れてた?」
アロイヴが聞くと、紫紺はぴたっと動きを止めた。
きゅううう、と情けない声で鳴きながら、顔をアロイヴに近づけてくる。すりすりと頬を擦り寄せて、まるで『ごめん』と謝っているようだ。
「別にいいよ。僕も忘れてたし……っていうか、紫紺は本当に僕の言葉がわかるんだね」
これも不思議なことだったのに、大変なことが続きすぎて、確認するのをすっかり忘れてしまっていた。
ケイは影狐をとても賢い魔獣だと言っていたが、こんなにも的確に言葉が通じるものなのだろうか。
「魔獣はみんな、言葉が通じるのかな……?」
アロイヴがよく知っている魔獣は紫紺だけだ。
魔獣が皆こういう特性なのだとしたら、何も不思議に思う必要はないのだが……いったい、どうなのだろう。
その答えは、今すぐ出そうになかった。
◆
「これ、本で見たやつだ。確か、リフェーマ……だっけ?」
倒木の上に腰掛けて、アロイヴは手に持った果実を眺めていた。
紫紺がアロイヴのために取ってきてくれたそれは、リンゴに似た緑色の果実だ。
「見た目はリンゴにそっくりなのに、熟したら赤から緑になるっていうのが、ややこしいんだよなぁ……それもこれも、前世の記憶が悪いんだけど」
前世の記憶はこういうときにも邪魔になる。
やっぱりこの記憶だけは、いつまで経っても無駄なものとしか思えなかった。
「味は何に似てるんだろう?」
本には確か、『熟すほど甘みが強くなるが、熟しすぎると渋みが出てくる』と書いてあった。
それを見極める方法も書いてあった気がするが……読んだはずなのに思い出せない。
「こんなことになるなら、ちゃんと覚えておけばよかったな」
アロイヴは独り言を言いながら、おそるおそるリフェーマに口を近づける。皮ごと齧りつくと、しゃりっとした歯ごたえの後に、とろりとした甘さが口の中に広がった。
見た目と歯ごたえはリンゴに似ているリフェーマだが、味はたっぷり熟したメロンに似ている。
少し不思議な感じがした。
「それにしても、紫紺……遅いな」
紫紺はリフェーマをアロイヴに持ってきた後、また食べ物を探しにいっていた。
屋敷を出てからずっと紫紺を首に巻いていたせいか、いなくなると首がすかすかして変な感じだ。
それに、自分の独り言に紫紺の返事がないのも、どうにも落ち着かなかった。
「紫紺……」
アロイヴは急に心細くなって、紫紺の名前を呼ぶ。
どっちの方向に行ったのかもわからないので、立ち上がってキョロキョロと周囲を見回した。
立った拍子に食べかけのリフェーマを落としてしまったが、それにも気づかないまま、アロイヴは紫紺の姿を探す。
「紫紺!」
さっきより、声を張り上げる。
今度はすぐに、きゅう! と聞き慣れた声で返事があった。そこから十秒も経たないうちに、紫紺がアロイヴの腕の中に飛び込んでくる。
「よかった……紫紺」
何かあったとは思っていなかったが、紫紺と離れていることが怖かった。
ぎゅっと強く抱きしめ、腕の中の紫紺の存在を確かめる。
首元の毛並みに顔を近づけると、顔を上げた紫紺がぺろりとアロイヴの口元を舐めた。
「くすぐったいって」
紫紺にこんな風に口元を舐められたのは初めてだった。
手を舐められたことは何度もあるが、顔を近づけても、今までは頬同士を擦り合わせてくるだけだったのに。
――さっき食べたリフェーマの匂いがするからかも。
果物は紫紺の好物だ。
アロイヴの口についたリフェーマの匂いに気づいて、夢中で舐め取っているのかもしれない。
それなら気が済むまでやらせてやろう――アロイヴがそう思ったときだった。
「ん、……あれ?」
急に視界が歪んだ。
身体に力が入らなくなってくる。
「し、こん……」
呂律もうまく回らない。
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