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よんぴーって何のこと?【凌】03
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聞きなれない言葉に首を傾げる。
その僕の反応を見て、志乃くんも同じように首を傾げた。
「あれー? 凌ちゃん、それも聞いてない? ―――ふーん……ま、いいけど」
「え、っと……その、よんぴーって?」
「よし! 二人とも待ってるだろうし。もう出よっか」
「あの、志乃くん……?」
「ほーら、行くよ」
気になることを言われた気がするのに、強引なまでにはぐらかされてしまった。入ってきたときと同じように、ぐいっと腕を引かれて浴室から連れ出される。
何だか納得できないけど、それ以上聞いても教えてくれなさそうな雰囲気に、僕はしぶしぶ脱衣所でバスタオルを手に取る。ふと違和感に気がついた。
「……あれ? 僕の服……」
ここで脱いだはずの服がなくなっていた。
確かにバスタオルの下に置いておいたはずなのに。なくなっているのは服だけじゃない。下着も全部消えていた。
「シュウか颯斗くんが洗濯するのに持ってってくれたんじゃないの?」
「……で、でも、それだと僕の着るものが」
「ああ、それならいいの。こっちこっち」
まだ拭き残しもあるのに……手に持っていたバスタオルを強引に奪い取られる。志乃くんはそれを無造作に、ぽいっと脱衣カゴに向かって投げた。
全裸で何も持たないまま、今度は入ってきたのとは反対側の扉の方へと腕を引かれる。ここに来てから、ずっと志乃くんに腕を引かれてばかりだ。
「待って……ねぇ、こっちって?」
「いいからいいからー」
ぺたぺたと裸足のまま、廊下を歩く。
すぐに辿り着いた扉を、志乃くんは躊躇うことなく大きく開いた。
「二人とも、おまたせー!」
「…………え?」
開かれた扉の向こうは、巨大なベッドが置かれたベッドルームだった。
まさかこんな部屋に繋がっているとは思っていなかった僕は、またしても扉の前で硬直する。
しかも、そこには颯斗と秋也がいた。
「なんで、二人とも……」
二人はベッドの上にいた。
一つの大きなベッドに見えたそれは、よく見ると二つのダブルベッドがぴったりと並べられているものだった。右側のベッドに秋也、左側のベッドに颯斗がそれぞれ寝そべっている。しかも、二人とも裸だ。
お風呂上がりだった僕と志乃くんも裸。
男四人が同じ部屋……しかもベッドルームで全員裸なんて、一体何がどうなっているんだろう。
僕は完全に混乱していた。
「シュウたちもシャワー浴びたの?」
「ああ」
志乃くんはこの状況にも特に驚いている様子はない。これが当たり前かのように、秋也が寝そべっている右側のベッドの方へと近づいていく。
そのまま腕を引かれて、秋也の腕の中へと抱き寄せられていた。
その僕の反応を見て、志乃くんも同じように首を傾げた。
「あれー? 凌ちゃん、それも聞いてない? ―――ふーん……ま、いいけど」
「え、っと……その、よんぴーって?」
「よし! 二人とも待ってるだろうし。もう出よっか」
「あの、志乃くん……?」
「ほーら、行くよ」
気になることを言われた気がするのに、強引なまでにはぐらかされてしまった。入ってきたときと同じように、ぐいっと腕を引かれて浴室から連れ出される。
何だか納得できないけど、それ以上聞いても教えてくれなさそうな雰囲気に、僕はしぶしぶ脱衣所でバスタオルを手に取る。ふと違和感に気がついた。
「……あれ? 僕の服……」
ここで脱いだはずの服がなくなっていた。
確かにバスタオルの下に置いておいたはずなのに。なくなっているのは服だけじゃない。下着も全部消えていた。
「シュウか颯斗くんが洗濯するのに持ってってくれたんじゃないの?」
「……で、でも、それだと僕の着るものが」
「ああ、それならいいの。こっちこっち」
まだ拭き残しもあるのに……手に持っていたバスタオルを強引に奪い取られる。志乃くんはそれを無造作に、ぽいっと脱衣カゴに向かって投げた。
全裸で何も持たないまま、今度は入ってきたのとは反対側の扉の方へと腕を引かれる。ここに来てから、ずっと志乃くんに腕を引かれてばかりだ。
「待って……ねぇ、こっちって?」
「いいからいいからー」
ぺたぺたと裸足のまま、廊下を歩く。
すぐに辿り着いた扉を、志乃くんは躊躇うことなく大きく開いた。
「二人とも、おまたせー!」
「…………え?」
開かれた扉の向こうは、巨大なベッドが置かれたベッドルームだった。
まさかこんな部屋に繋がっているとは思っていなかった僕は、またしても扉の前で硬直する。
しかも、そこには颯斗と秋也がいた。
「なんで、二人とも……」
二人はベッドの上にいた。
一つの大きなベッドに見えたそれは、よく見ると二つのダブルベッドがぴったりと並べられているものだった。右側のベッドに秋也、左側のベッドに颯斗がそれぞれ寝そべっている。しかも、二人とも裸だ。
お風呂上がりだった僕と志乃くんも裸。
男四人が同じ部屋……しかもベッドルームで全員裸なんて、一体何がどうなっているんだろう。
僕は完全に混乱していた。
「シュウたちもシャワー浴びたの?」
「ああ」
志乃くんはこの状況にも特に驚いている様子はない。これが当たり前かのように、秋也が寝そべっている右側のベッドの方へと近づいていく。
そのまま腕を引かれて、秋也の腕の中へと抱き寄せられていた。
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