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いきなりお風呂って普通なの?【凌】03
しおりを挟む「でもさ……いいの? こんなとこ、タダで借りちゃって」
「まー、ちょっと条件出されちゃったけど。別にそれだって、こっちも楽しめば関係ない話だし?」
「……条件?」
条件ってなんだろう?
ここをタダで貸してもらう代わりに、何か面倒ごとでも引き受けさせられたのだろうか。
頬をぽりぽりと掻く颯斗は、どこか困っているようにも見える。
「それって大変なこと? 僕にも何か手伝える?」
「あー……凌には積極的に手伝ってもらわないといけないやつ、だな」
「あ、そうなんだ」
大変なことなら手伝おうと思って声をかけたら、もう僕もその【条件】のメンバーに組み込まれていたらしい。
手伝うことに問題はない。
というか、こんなところにタダで泊めてもらうのに、僕だけ何もしないことの方が気が引ける。
「頼んで大丈夫か?」
「もちろん。僕にできることなら何でもする」
「―――よし。聞いたからな」
「……?」
その何か含んだような言い方が少し気になったけど、それはふわりと重なった唇にかき消された。
唇を優しく食まれると勝手に口が開いてしまう。僕の身体が知っている快楽は全部、颯斗に教えられたものだから。
こうすれば気持ちよくしてもらえるんだって、僕の身体はもう知ってしまっていた。
「ぅ、ん……ふ、」
舌を絡め合うと、鼻から甘い声が漏れる。僕からも欲しがるように舌を絡めた。
颯斗の舌を味わっていると、頭を包み込んでいた手が優しく僕の髪を撫でた。
「ぁ……はぁ」
しばらく夢中で求め合って……唇が離れる頃には、さっきまで話していたことはすっかり頭から抜け落ちてしまっていた。
気持ちよさの余韻に、ほうっと力が抜けてしまう。触れている手にすりっと頭を寄せると、優しい声で颯斗が笑うのが聞こえた。
そろそろ行こうか、と告げた颯斗に促され、二人揃って車を降りる。
このあと、まさかあんなことが待ち受けているなんて。
この時の僕は、まだ予想もしていなかった。
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