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本編
僕の力【side:リティス】01
しおりを挟む ―――寝てた!!
ぱちっと目を覚ますと、知らない部屋だった。
いや、違う。知ってる部屋だった。うん。完全に寝ぼけたよね。
ここは間違いなくアウルムが取った宿屋の部屋だ。
眠る前と景色が少し違って見えたのは、さっきまで抱き合っていたベッドじゃなくて、もう一つのベッドに眠らされていたからだ。
隣にはアウルムが眠っていた。
狭いベッドで二人寝ることになったのは……僕があのベッドをべとべとに汚してしまったからだろう。僕と違って体の大きなアウルムは窮屈そうで何だか申し訳ない。
あれだけ色んな液体にまみれた体は、すっかり綺麗になっていた。
アウルムが綺麗にしてくれたんだよね?
僕はその間もぐーすか寝てたの? どうしよう、よだれ垂らしたりしてないよね?
―――そういえば、あれなんだったんだろう。
僕の中にアウルムが入ってきて、その時は良かったんだけど。その後、中でアウルムのがすごく大きくなって……そうなったら息苦しさがすごかった。
気持ちいいのも吹っ飛ぶぐらい圧迫感がすごくて……内臓がぐいぐい上に押し上げられる苦しさと気持ち悪さに、体が少し冷たくなったのがわかった。
でもそれって、アウルムも同じぐらい苦しいのかもって思ったら、どうにか気持ちよくしてあげたいって思って―――、そう思ったら、僕の体から光が溢れ出ていた。
ほわほわとした光は、僕の目の色と同じ緑色。
異界術の光は術者の瞳の色だって聞いてたから、あれは間違いなく僕の異界術の色だってことだ。ってことは、あれが婆ちゃんの言ってた僕の力……治癒のはずなんだけど。
あれはどちらかというと、すごく気持ちよくなる術だったと思う。うん。
光が治まった後、何をされてもただただ気持ちよくて。いいとこを擦られるのも、奥をぐちゅりと潰されるのも、激しく掻き回されるのだって……頭が真っ白になるぐらい、本当に気持ちよかった。
―――便利な力、なのかな?
治癒っていえば、人の怪我や病気を治したりっていう感じだと思ってたのに。
自分の体も自由にどうにかできちゃうってこと? まぁ、今回は助かったし……その、気持ちよくなれたから、僕としては全然いいんだけど。
今度ちゃんと婆ちゃんにも……いや、聞けないかな。これは……ちょっとほら、恥ずかしいし。
ぱちっと目を覚ますと、知らない部屋だった。
いや、違う。知ってる部屋だった。うん。完全に寝ぼけたよね。
ここは間違いなくアウルムが取った宿屋の部屋だ。
眠る前と景色が少し違って見えたのは、さっきまで抱き合っていたベッドじゃなくて、もう一つのベッドに眠らされていたからだ。
隣にはアウルムが眠っていた。
狭いベッドで二人寝ることになったのは……僕があのベッドをべとべとに汚してしまったからだろう。僕と違って体の大きなアウルムは窮屈そうで何だか申し訳ない。
あれだけ色んな液体にまみれた体は、すっかり綺麗になっていた。
アウルムが綺麗にしてくれたんだよね?
僕はその間もぐーすか寝てたの? どうしよう、よだれ垂らしたりしてないよね?
―――そういえば、あれなんだったんだろう。
僕の中にアウルムが入ってきて、その時は良かったんだけど。その後、中でアウルムのがすごく大きくなって……そうなったら息苦しさがすごかった。
気持ちいいのも吹っ飛ぶぐらい圧迫感がすごくて……内臓がぐいぐい上に押し上げられる苦しさと気持ち悪さに、体が少し冷たくなったのがわかった。
でもそれって、アウルムも同じぐらい苦しいのかもって思ったら、どうにか気持ちよくしてあげたいって思って―――、そう思ったら、僕の体から光が溢れ出ていた。
ほわほわとした光は、僕の目の色と同じ緑色。
異界術の光は術者の瞳の色だって聞いてたから、あれは間違いなく僕の異界術の色だってことだ。ってことは、あれが婆ちゃんの言ってた僕の力……治癒のはずなんだけど。
あれはどちらかというと、すごく気持ちよくなる術だったと思う。うん。
光が治まった後、何をされてもただただ気持ちよくて。いいとこを擦られるのも、奥をぐちゅりと潰されるのも、激しく掻き回されるのだって……頭が真っ白になるぐらい、本当に気持ちよかった。
―――便利な力、なのかな?
治癒っていえば、人の怪我や病気を治したりっていう感じだと思ってたのに。
自分の体も自由にどうにかできちゃうってこと? まぁ、今回は助かったし……その、気持ちよくなれたから、僕としては全然いいんだけど。
今度ちゃんと婆ちゃんにも……いや、聞けないかな。これは……ちょっとほら、恥ずかしいし。
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