へびのとりこ

コオリ

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へびのきゅうあい

06

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「ぅ……んぁ」

 キスに溺れていると、鼻にあの匂いが届いた。あの甘くて痺れるようなヤトの香り。それを吸い込むたびに、少しずつ恐怖も安らいでいく。
 そして、違った変化も起きた。
 じゅん、と何かが漏れた。どこからって……お尻、だと思う。さっき奥に注がれた精液かと思ったけど、それとも何か違う気がする。

「ひ……ぁッ」

 亀頭がその孔に再び触れて、思わず悲鳴が漏れた。それと同時に、ぐちゅってさっきとは違う濡れた音が聞こえる。やっぱり、そこ……濡れてるよな? さっきの感覚はそういうこと? なんで?
 じゅぷ、じゅぷ、と亀頭が押して引いてを繰り返している。回数を重ねるたびに、少しずつ咥えこむ大きさが変わっていく。

「ッ、ひぁ……ぁああああ!」

 ひと際ヤトの体に力が入ったと思ったら、ずぷん、と亀頭の膨らんだ部分が俺のナカに沈み込んだ。その衝撃に俺は悲鳴を上げる。
 痛くはなかった。むしろ、これは―――。

「ぁあ、や、なに……これぇ、……ッ」

 ものすごい気持ちよさだった。
 亀頭に弱いところを押し潰され、俺の中心は壊れたみたいに白濁を吐き出している。あんな凶悪なものを入れられたのに、感じるのがこんな強烈な快楽だなんて。俺は体をびくびくを跳ねさせながらイキ続ける。
 頭が真っ白になる。自分の体がどうなって、何が起きているのか、全くわからない。

「あ、ゃ、……ッ、いってる、から! 今は……ッ」

 イッているから動かないでほしいのに、ヤトは遠慮もせず、ぐいぐいとあの凶悪な陰茎を俺のナカへと進めてくる。ずるずると内壁を巻き込むようにトゲが擦り上げて、さらに俺の体に強烈な刺激を与えてくる。

「っぁああ、……あ゛ああ! ……ひっ、ぁああッ」

 イってるのにナカを擦られる感覚に、頭がおかしくなりそうだった。
 首を振って、意味のない言葉ばかりを口から零れさせる。終わらない責め苦みたいだった。人間、気持ちがよすぎると、こんなにも苦しくなるらしい。早く終わってほしい。そう願うけど、なかなか終わらない。
 それもそうだ。あの長大なものが入ってきてるんだから。俺はそれにただ耐えるしかなかった。は、は、と短く息を吐きながら、強すぎる快楽に耐える。

 いつまでも終わらないんじゃないかと思ったけど、ヤトがようやく動きを止めた。全てが入ったわけではなさそうだったけど、奥まで辿り着いたらしい。
 トゲで擦られ続けたナカはずくずくと脈打つような感覚がして全く落ち着きはしなかったけど、前後に動かされない分、俺にも少しだけ余裕ができた。っていっても、瀕死は瀕死だけど。
 だから、俺の両脇に腕をついたまま、肩で息をしているヤトの頬にそっと手を伸ばしてみた。

「……ッ」

 頬に触れると、ヤトの喉がひくりと揺れる。
 俺の方を見た金の瞳に、少しだけ理性の色が戻っているような気がした。

「睦月…………平気か?」

 ヤトの声、久しぶりだな。いや、本当はそこまでじゃないんだろうけど。
 でも、この姿になってからずっと無言だから、もしかして話せないのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだ。単に余裕がなかったらしい。

「ん。ナカ、じんじんするけど……」
「血は出ていないと思う……悪い。無理をさせた」

 無理をさせてる意識はあったのか。でも止められなかったって感じかな。
 まぁ、痛いよりも気持ちよかったし……怖かったけど、まぁ……ギリギリセーフかな。
 それより、気になることがあるんだけど。

「俺のそこ、濡れてる……よね?」
「徴の効果だ」

 え、そんな効果あるの……すごいな。婚姻。
 もっと変な効果とかあったりしないよね? なんか怖くて聞けないんだけど。

「はぁ……ん……ッ」

 二人とも、全く動いてもないのに呼吸の乱れが治まらない。時々、ぎゅって勝手にお腹に力が入って、込み上げる切なさに甘い声が漏れてしまう。
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