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へびのきゅうあい
05
しおりを挟む「初夜だな」
「え?」
「婚姻を結んだのだから、そうだろう?」
あの後、俺の部屋に戻って二人で並んで食事をして……今日は仕事も片付いてるし、さあ寝ようって思ったら、ヤトがそんなことを言いだした。
いやいや、初夜って今更じゃない? この一ヶ月、結構頻繁にいたしてますけど? 何ならさっきもいたしましたよね? ……蛇の性欲すごすぎない?
「でも、さっきもやったから」
今日はもういいんじゃない? って言おうとしたのに、気づけばヤトの屋敷にいた。
連れてこられた、ってことはもう完全にやる気なんですね。ヤトさん。
「せっかく嫁となったのだから、真の姿で交わりたい」
「真の姿?」
それってあの下半身が蛇のあれ?
いや、でもそれなら最初にやったよね……真の姿ってあれじゃないってこと?
「もしかして、完全に蛇……とか?」
「いや、違う」
あ、違うんだ。じゃあ、どんな?
興味津々だった。だって、ヤトのいつもと違う姿が見られるってことだろ?
どんななのか、やっぱり気になるし。あ、すっごいグロテスクとかそういうのじゃないよね? 俺、グロだけはちょっと苦手だよ?
「構わないか?」
「……どんな姿なのか、見てからじゃ……だめ、かな?」
「その姿になったら、本能を抑えられる気がしない」
え、それって……そっちの姿は本能的ってこと? それとも、それぐらいしたい、ってことなのか? 真っ直ぐ求められることに、ぞくりと震える。
たぶん、これは嬉しいんだ。
真剣な目に見つめられて、そんな風に言われて嬉しいなんて……俺は本当にこの蛇に絆されているらしい。
「わかった、いいよ」
その時は本当にそう思った。ヤトなら何でもいいや、って。
―――でも、俺はすぐに後悔することになった。
* * *
「や、ぁあ……っ、そ、んな、無理だ、って……っ」
真の姿になったヤトは、本当に本能的だった。
無理だといっても体を押さえつけられ、足を開かされる。ずるり、と俺の孔の入り口とヤトの亀頭が擦りつけられて、入れようとしてるんだと気づいた。
「無理、入らないって……そんな……ひっ、ひぁッ」
ずり、ずり、と亀頭を擦り付けるようにされると、短い悲鳴が喉から漏れる。
だって、鱗が……トゲがあるのがそれだけでわかるから。
真の姿と言っても、全体的な見た目は人型とそこまで大差なかった。
下半身が蛇の姿の時のほうが、人外感は強いかもしれない。でも、顔や体の色んな所に鱗があったり、目が発光するみたいに煌めいてるのを見ると、人間の姿との差は確かにあった。
でも、それより何より……大きく変化した部分があった。何って、ナニだよ。
股間のそれを見た瞬間、たっぷり十秒は固まった。
だって……まず、でかいんだよ。人間のよりも長さも太さも。人間姿のヤトだって、決して小さくないっていうか、むしろデカい方なのに、それより大きいなんて。
しかもそれだけじゃない。そこにも鱗があった。しかも、竿の部分にはトゲもある。それだけでも十分凶悪なのに、根元には瘤。そこにもトゲ……もう、全部盛りってこういうことをいうんじゃないかな。盛りすぎだよ。
そして今、そんな凶悪なものを擦りつけられてる。いや、そんなの無理。入らない。
このままじゃ、絶対裂ける。さっきまで人型のヤトが入ってたそこでも、絶対無理だって思った。あんなのどうやったって入る気がしない。
「……やと、やめて」
もはやガチ泣きだ。涙が止まらなくて、どんどん情けない気持ちになってくる。本当は受け入れられたらいいけど……怖すぎる。絶対、無理。
それでも、押さえつけられた体は動かせないし、触れてる亀頭は離れてくれない。もう、痛みに耐えるしかない。そう覚悟した時だった。
「……んっ」
ヤトの唇が俺の唇に触れた。
いつの間にかぎゅっと閉じてしまっていた瞼を開くと、ヤトの顔が目の前にあった。その目は獰猛な光を宿したままだったけど、少しだけ俺を気遣ってくれている気がする。
唇を少し開くと、そこからヤトの舌が滑り込んできた。割れてる舌先が俺の感じる場所をちろちろといつものように舐められて、少しだけ気持ちが落ち着く。
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