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舞踏会
舞踏会前日_3
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「恋する乙女はかわいいわねー」
明日のためのアクセサリーを買っていくというナタリーと別れ、帰路に就く。たぶん、というかあの感じはほぼ間違いなくマリウスへのプレゼント探しだろうけど突っ込むのは野暮だろう。
ノーランと言い、ナタリーと言い、明日が楽しみで仕方がない。
「……よぉ」
「あら?イグニスではありませんの。どうかしたのかしら?」
寮に戻って休もうと部屋に向かうと、扉の横の壁に寄りかかりイグニスが待っていた。
「……ちょっといいか?」
そういうとこちらの返事も待たずそのまま背中を向けて歩きだしてしまった。
「ちょっと、ちょっとまってくださいまし」
慌ててイグニスの後を追いかける。
背中からは何となく話しかけるとまずそうな雰囲気が漂っていたので、黙って後をついていくことにした。
そのまましばらく何も言わずに歩いて行き、生徒会室に入っていった。
(いったいなんなのよ……?)
当然こんな時間の生徒会室には誰もいない。イグニスを追って生徒会室に入ると「扉を閉めてくれ」と言われたので、わけもわからずそのまま扉を閉めた。
「それで?なんの用ですの?」
イグニスが軽く目を閉じ、何かを迷っているようだった。そして少しだけ間をおいてから口を開いた。
「……いや、その……」
珍しく歯切れが悪い。というか天上天下唯我独尊を絵にかいたようなイグニスのこんな姿を初めて見たかもしれない。
そのあとも少し待っても言葉が続いてこない。なんだか今日は少しだけ沈黙が気まずくなり、私から話し始めることにした。
「さては明日の舞踏会の誘いが多くて疲れてしまったのですわね?」
教室でもイグニスが舞踏会の誘いを断るシーンは何度か見たけど、断られてもめげずに誘い続ける女生徒たちも何人もいた。
「で、そんなイグニスは誰と踊ることにしたんですの?アリシアですか?それとも最近一緒に訓練しているレオナさんですの?―――――……?」
ジェイミーやミネットも絡めて続けようとしたけど、どこか寂しそうで不安そうな目をしているイグニスの顔を見たら何も言えなくなってしまった。
(まったく……調子狂うわね)
「……お前は、お前はどうするんだ?」
「わたくし、ですか?」
想定外の質問に面食らってしまう。まさかイグニスからそんなことを聞かれるなんて思ってもみなかった。
「……ノーランか?」
「へ?な、なに言ってるんですの!?なんでノーランの名が出てくるんですの?せめてマリウスか、ガレン、大穴でセシルでしょう」
慌ててそう返すが、イグニスは「そうか」とだけ答えてまた黙ってしまった。
また沈黙が続く。でも今度はさっきと違ってどこかそわそわしているようなそんな気がした。
「はぁ……――――まさか、わたくしと踊りたいとでもいいたいんじゃないでしょうね?」
(まったくもう……)
本当に調子が狂う。調子の狂いついでに軽口をたたいてみた。しかしすぐにイグニスからの返事はなかった。
「……そのまさか、だよ」
「へ?」
聞き間違いかと思ったけど、イグニスはきまりが悪そうに頬を書きながら続けた。
「……だから、お前と踊りたいって言ってるんだよ」
「……正気ですの?」
イグニスがまっすぐと私の目を見つめてくる。
「あぁ」
その真剣なまなざしに思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。心臓の音がやけにうるさく感じる。
「へっ……えぇっ……?」
私がずっと大好きだったイグニスが、あのイグニスが、私と踊りたいと言っている。
そんなの嬉しくないわけがないじゃないか。
地面がふわふわとして、何だか立っている実感もなくなってしまいそうになる。
ただ、あまりに突然のことで頭がついていかない。
『いいの!?ほんと!?うれしい!!!』
今すぐイグニスに抱き着いて、そうやってこの喜びをぶつけたかった。
(でも――――――)
できなかった。
きっとイグニスは私じゃなくて『レヴィアナ』を見ている。私じゃなくて『レヴィアナ』と踊りたいと言っているんだ。
返事ができず固まっているとイグニスがぽつりぽつりと語り始めた。
「今日もノーランと2人で教室を出ていったとき……そうだな。正直に言うわ。俺様はノーランに嫉妬した。いつからかお前たちには、お前たちにしかない世界があるように見えて、俺様の知らないお前たちに勝手に嫉妬しちまってた」
そう言われ、何となく右腕を触る。
「……わりぃな。こういったの初めてでどうしていいか分かんなくてよ。別に困らせたかったわけじゃねーんだ」
「いえ、その……」
なんと答えていいものかわからず、そのまま2人で黙ってしまう。
「レヴィアナはノーランのことが好きなのか?」
「え!?な、なにを……」
いきなりそう聞かれ慌てふためいてしまう。
「―――――それとも、ミーナって人が理由か?」
一瞬時が止まった気がした。聞き間違いだろうか。今確かにイグニスはミーナって……。
「イグニス……なんで、ミーナのことを……?」
そう聞くと、生徒会室の自分の机から、以前私があげた一冊のノートを持ってきた。そこには汚い字ではあるが、『ミーナです!よろしくおねがいしますです!』と書かれていた。その横にはイグニスの文字と思われる字で、ミーナについての特徴が書かれていた。
「以前お前がこの部屋で『ミーナが居れば』と言って飛び出していっただろう?そして、そのことを聞いたノーランも同じようなリアクションをしていた」
ほかのページを開くと、『合同訓練:ミーナの風魔法に完全にしてやられた。対策は……』などとはっきりとミーナとの思い出が書かれていた。
「これも、これも、全部俺様の字だ。間違いなく俺様が書いている。でも、この『ミーナ』という人物のことを覚えてねぇんだ。ガレンに聞いても同じだった」
イグニスがノートをめくりながら、不思議そうな顔をしている。
「このことはほかの方には?」
「あまり吹聴することでもねーし、ガレンにしか聞いてねーよ。でもお前とノーランだけは知っているみたいだったし、何かあるんじゃねーかとな」
「そう……」
私は深くため息を吐きながら、イグニスの目を見つめ返した。このまま全部言ってしまおうか、とも思った。
マリウス達には伏せていたことも、全部全部話せたらどれだけ楽だろうか。
でも、もし、もしそんなことをして「レヴィアナの偽物め!」と言われてしまったら、きっと立ち直れない。
イグニスはノートをぱたんと閉じると私の目を見つめたまま続けた
「わりぃ。慣れないことして、俺様らしくねーな。こんなこと言っても困らせるだけなのは分かってたんだけどよ……」
「イグニス、わたくしは……」
「でもよ」
私が何か言う前にイグニスは言葉をつづけた。
「俺様はお前と踊りたいんだ。初めてなんだ。誰かと一緒にいてこんなに楽しいって思えたの、誰かと一緒に居たいって思えたのはお前が初めてなんだ」
そのまっすぐな言葉に思わず息をのんでしまう。そしてまた沈黙が流れる。今度はさっきと違って気まずくはない。ただ2人で黙って見つめ合った。
「ノーランのことも、今の『ミーナ』って言う人物も関係ない。全部忘れてくれ」
そこでイグニスが言葉を区切った。
時が止まったかと思った。
何度も、何度もゲーム内で、アリシアとして聞いたセリフだ。
どうして舞踏会の前日、イグニスと2人きりになった生徒会室に居るのに気づかなかったんだろう。
「明日、もしお前さえよければ、俺様と一緒に踊ってくれ」
私がこの世界に来て1番欲しかったその言葉はイグニスの優しい声に乗って私の耳に届いた。
明日のためのアクセサリーを買っていくというナタリーと別れ、帰路に就く。たぶん、というかあの感じはほぼ間違いなくマリウスへのプレゼント探しだろうけど突っ込むのは野暮だろう。
ノーランと言い、ナタリーと言い、明日が楽しみで仕方がない。
「……よぉ」
「あら?イグニスではありませんの。どうかしたのかしら?」
寮に戻って休もうと部屋に向かうと、扉の横の壁に寄りかかりイグニスが待っていた。
「……ちょっといいか?」
そういうとこちらの返事も待たずそのまま背中を向けて歩きだしてしまった。
「ちょっと、ちょっとまってくださいまし」
慌ててイグニスの後を追いかける。
背中からは何となく話しかけるとまずそうな雰囲気が漂っていたので、黙って後をついていくことにした。
そのまましばらく何も言わずに歩いて行き、生徒会室に入っていった。
(いったいなんなのよ……?)
当然こんな時間の生徒会室には誰もいない。イグニスを追って生徒会室に入ると「扉を閉めてくれ」と言われたので、わけもわからずそのまま扉を閉めた。
「それで?なんの用ですの?」
イグニスが軽く目を閉じ、何かを迷っているようだった。そして少しだけ間をおいてから口を開いた。
「……いや、その……」
珍しく歯切れが悪い。というか天上天下唯我独尊を絵にかいたようなイグニスのこんな姿を初めて見たかもしれない。
そのあとも少し待っても言葉が続いてこない。なんだか今日は少しだけ沈黙が気まずくなり、私から話し始めることにした。
「さては明日の舞踏会の誘いが多くて疲れてしまったのですわね?」
教室でもイグニスが舞踏会の誘いを断るシーンは何度か見たけど、断られてもめげずに誘い続ける女生徒たちも何人もいた。
「で、そんなイグニスは誰と踊ることにしたんですの?アリシアですか?それとも最近一緒に訓練しているレオナさんですの?―――――……?」
ジェイミーやミネットも絡めて続けようとしたけど、どこか寂しそうで不安そうな目をしているイグニスの顔を見たら何も言えなくなってしまった。
(まったく……調子狂うわね)
「……お前は、お前はどうするんだ?」
「わたくし、ですか?」
想定外の質問に面食らってしまう。まさかイグニスからそんなことを聞かれるなんて思ってもみなかった。
「……ノーランか?」
「へ?な、なに言ってるんですの!?なんでノーランの名が出てくるんですの?せめてマリウスか、ガレン、大穴でセシルでしょう」
慌ててそう返すが、イグニスは「そうか」とだけ答えてまた黙ってしまった。
また沈黙が続く。でも今度はさっきと違ってどこかそわそわしているようなそんな気がした。
「はぁ……――――まさか、わたくしと踊りたいとでもいいたいんじゃないでしょうね?」
(まったくもう……)
本当に調子が狂う。調子の狂いついでに軽口をたたいてみた。しかしすぐにイグニスからの返事はなかった。
「……そのまさか、だよ」
「へ?」
聞き間違いかと思ったけど、イグニスはきまりが悪そうに頬を書きながら続けた。
「……だから、お前と踊りたいって言ってるんだよ」
「……正気ですの?」
イグニスがまっすぐと私の目を見つめてくる。
「あぁ」
その真剣なまなざしに思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。心臓の音がやけにうるさく感じる。
「へっ……えぇっ……?」
私がずっと大好きだったイグニスが、あのイグニスが、私と踊りたいと言っている。
そんなの嬉しくないわけがないじゃないか。
地面がふわふわとして、何だか立っている実感もなくなってしまいそうになる。
ただ、あまりに突然のことで頭がついていかない。
『いいの!?ほんと!?うれしい!!!』
今すぐイグニスに抱き着いて、そうやってこの喜びをぶつけたかった。
(でも――――――)
できなかった。
きっとイグニスは私じゃなくて『レヴィアナ』を見ている。私じゃなくて『レヴィアナ』と踊りたいと言っているんだ。
返事ができず固まっているとイグニスがぽつりぽつりと語り始めた。
「今日もノーランと2人で教室を出ていったとき……そうだな。正直に言うわ。俺様はノーランに嫉妬した。いつからかお前たちには、お前たちにしかない世界があるように見えて、俺様の知らないお前たちに勝手に嫉妬しちまってた」
そう言われ、何となく右腕を触る。
「……わりぃな。こういったの初めてでどうしていいか分かんなくてよ。別に困らせたかったわけじゃねーんだ」
「いえ、その……」
なんと答えていいものかわからず、そのまま2人で黙ってしまう。
「レヴィアナはノーランのことが好きなのか?」
「え!?な、なにを……」
いきなりそう聞かれ慌てふためいてしまう。
「―――――それとも、ミーナって人が理由か?」
一瞬時が止まった気がした。聞き間違いだろうか。今確かにイグニスはミーナって……。
「イグニス……なんで、ミーナのことを……?」
そう聞くと、生徒会室の自分の机から、以前私があげた一冊のノートを持ってきた。そこには汚い字ではあるが、『ミーナです!よろしくおねがいしますです!』と書かれていた。その横にはイグニスの文字と思われる字で、ミーナについての特徴が書かれていた。
「以前お前がこの部屋で『ミーナが居れば』と言って飛び出していっただろう?そして、そのことを聞いたノーランも同じようなリアクションをしていた」
ほかのページを開くと、『合同訓練:ミーナの風魔法に完全にしてやられた。対策は……』などとはっきりとミーナとの思い出が書かれていた。
「これも、これも、全部俺様の字だ。間違いなく俺様が書いている。でも、この『ミーナ』という人物のことを覚えてねぇんだ。ガレンに聞いても同じだった」
イグニスがノートをめくりながら、不思議そうな顔をしている。
「このことはほかの方には?」
「あまり吹聴することでもねーし、ガレンにしか聞いてねーよ。でもお前とノーランだけは知っているみたいだったし、何かあるんじゃねーかとな」
「そう……」
私は深くため息を吐きながら、イグニスの目を見つめ返した。このまま全部言ってしまおうか、とも思った。
マリウス達には伏せていたことも、全部全部話せたらどれだけ楽だろうか。
でも、もし、もしそんなことをして「レヴィアナの偽物め!」と言われてしまったら、きっと立ち直れない。
イグニスはノートをぱたんと閉じると私の目を見つめたまま続けた
「わりぃ。慣れないことして、俺様らしくねーな。こんなこと言っても困らせるだけなのは分かってたんだけどよ……」
「イグニス、わたくしは……」
「でもよ」
私が何か言う前にイグニスは言葉をつづけた。
「俺様はお前と踊りたいんだ。初めてなんだ。誰かと一緒にいてこんなに楽しいって思えたの、誰かと一緒に居たいって思えたのはお前が初めてなんだ」
そのまっすぐな言葉に思わず息をのんでしまう。そしてまた沈黙が流れる。今度はさっきと違って気まずくはない。ただ2人で黙って見つめ合った。
「ノーランのことも、今の『ミーナ』って言う人物も関係ない。全部忘れてくれ」
そこでイグニスが言葉を区切った。
時が止まったかと思った。
何度も、何度もゲーム内で、アリシアとして聞いたセリフだ。
どうして舞踏会の前日、イグニスと2人きりになった生徒会室に居るのに気づかなかったんだろう。
「明日、もしお前さえよければ、俺様と一緒に踊ってくれ」
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