悪役令嬢になった私は卒業式の先を歩きたい。――『私』が悪役令嬢になった理由――

唯野晶

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テンペトゥス・ノクテム

つかの間の勝利と……

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「ジェイミーの事は任せてください!」

ミネットが声を上げた。

「皆さんはテンペストゥス・ノクテムに集中してください!」
「ミネット!大丈夫なの?」

私もジェイミーの状況には衝撃を受けているが、私よりもミネットの方が何倍もショックが大きいだろう。

「はい、あんなジェイミーは見たくないですし、それにいつものジェイミーより強そうにも見えません」

そう言ってテンペストゥス・ノクテムを一瞬見て、正面から視線を反らさずジェイミーを見据えている。

「ありがとう。危なくなったら逃げるのよ」

そういってミネットと拳を合わせる。

「何?どうやってアリシアを退学させるかの相談でも終わったの?それともアリシアのお気に入りの洋服を処分する方法?あなたも誰だかしらないけどお姉様に忠誠を誓うなら仲良くしてやってもいいわよ?」

ジェイミーは面白そうにこちらをうかがってくる。

「……もういいから、少し黙って!」

ミネットが駆けて行き、戦闘が始まる。テンペストゥス・ノクテムも2人の戦いに興味はないのか、ずっとアリシアを見据えている。

「でも、とりあえずはっきりしたな」

イグニスが怒りを隠さず声を上げる。

「何がですの?」
「あいつはぜってぇぶっ飛ばさねぇと気が済まねぇ」
「当たり前ですわ!」

さっきからなんのつもりなのか分からないが試練と繰り返している。
もしこれが私たちの怒りをたきつけるための行為なのであれば大成功といえるだろう。
ナタリーたちへの精神攻撃やジェイミーへの行為は到底許せるものではないし、ミネットにあんな表情をさせて絶対に許せるわけがない。再び空に舞い上がったテンペストゥス・ノクテムを睨みつける。

「行きますわよ!」

闘いは先ほどより苛烈を極めた。
無尽蔵に、そして当たり前のように無詠唱で強力な魔法を放ってくるテンペストゥス・ノクテムに対し、近くにいるメンバーで即席のチームを組み戦う。
連日行ってきた特別訓練のおかげで、すぐに意思疎通をし、防御魔法担当、そして攻撃魔法担当を振り分け戦闘に移る。

「セシル!こっちに来て一息ついてくださいまし!」「ありがとう、レヴィアナ!」
「ノーラン!俺様に合わせろ!」「おっけー!」
「マリウス!少し防御の方は任せた!」「わかりました!任せてください、先生」

一人一人が今できることを全力でやって少しでも優位に立つように立ち回る。先ほどまでの事でみんなの士気は最高に高まっている。

(このまま行けるかもしれない……!)

誰もがそんな期待をした時だった。

『ふむ―――……』

テンペストゥス・ノクテムの周りに嫌な感じの魔法陣が展開される。

「あれは……まさか……」

この禍々しい気配、膨大な魔力量、間違いようがない!そしてこのゲームでもさんざん辛酸を嘗めさせられた魔法陣!!
このタイミングで来るなんて……!!ちがう、ここまで追い詰めたから――――

「セオドア先生!!こっちにきて防御魔法をお願いします!!みんなも早く集まって!!ミネットも!!」

急げ、急いで――――

「電気の海に溺れよ、我が周りに舞い踊れ!荒れ狂う渦、エレクトロフィールド!」
『さぁ、人の子らよ。最後の試練だ』

そうつぶやくと同時に、上空に浮かぶ魔法陣から黒く巨大な隕石が降り注いだ。

「っぐううっっ……!」

展開した防御魔法を押しつぶす巨大な隕石、それに何とか抗うが凄まじい威力に身体ごと吹き飛ばされそうになる。

「無数の炎が舞い踊る戦場、灼き尽くせ!炎の結界、イグニッションフィールド!」

避難したセオドア先生が同時に防御魔法を展開し、さらにマリウスが爆発の反動を和らげるために周囲に水の結界を張る。
それでも防ぎきれない隕石は次々と落下し、そのたびに大爆発が起こる。その度に吹き飛ばされそうになるのを全員で何とか踏ん張る。

「……こんなのアリか?」

地形すら変えてしまう高出力の大魔法の惨状を見つめノーランがつぶやいた。
ぼやくのも分かる。いくら優勢でもこんなものを受け続けていたら一発で戦況が変わってしまう。

「一気に決めましょう!」

上手くいくかはわからない。だけどテンペトゥス・ノクテムももう少しのはずだ。この間の屋敷でのあの全部の魔力を搾り出した感覚を思い出せ……!!

「皆さん!!!防御は任せます!!!セシル!アリシアもお願い!!」

あの威力の魔法だ。いくらテンペストゥス・ノクテムと言え再び使用するためには詠唱時間が必要だ。
全員に聞こえるように声を張り上げ、展開していた防御魔法をすべて攻撃魔法に集中させる。

「レヴィアナ!?いったい何をするつもりだ!?」

セオドア先生が驚いたように私を見る。でもそれに答えている暇はない。

「お願いします!!私も全力でやります!!だから――」

私の声を遮るようにしてセオドア先生は叫んだ。

「わかった!!レヴィアナ、セシル、アリシア以外は援護だ!!詠唱の邪魔をさせるな!!」

その言葉を聞いた生徒たちが一斉に動き出す。そして、全員で協力しあいながら再びテンペストゥス・ノクテムの攻撃を弾き始めた。

「星々の嵐よ、我が力と共鳴し、雷鳴を轟かせろ――――」

以前ディスペアリアム・オベリスクを破壊した時よりも多くの魔力を詠唱に回す。暴走しないように、慎重に、丁寧に魔力をコントロールする。

(大丈夫……大丈夫……!)

「セシル!アリシア!後はお願い!!!稲妻と嵐の融合、ヴォルテックテンペスト!!!!」

極大の雷撃がテンペストゥス・ノクテムに向かって行く。それと同時に、セシルとアリシアも弾かれた様に移動を始める。

『むっ……!?』

一瞬動きが止まったように見えたが、すぐに冷静を取り戻しその強大な力で対抗してくる。手のひらから魔力を放出し相殺しようとしているようだ。

(もっと……もっと搾り出せ!!!)

お父様の屋敷を守った時はもっとすごかった。自分の右腕からそのまますべての魔力を放出していた。

負けるわけにはいかない!!ナタリーに、みんなにあんなことをさせたこいつは絶対に倒さないといけない!!それでみんなで舞踏会を迎えて卒業するんだ!!!!

「うあああああああ!!!!」

青白い光がさらに輝きを増す。徐々にテンペストゥス・ノクテムの魔力を飲み込み始めている。

「いっけぇぇぇえええ!!」

最後の力を振り絞ると、遂にテンペストゥス・ノクテムの魔法を打ち破り、そのまま奴の体を貫いた。
天空が大爆発に包まれる。大地は揺れ、空が割れる。
爆煙が立ち込める中、肩で息をしながらその光景を眺めていた。もう攻撃に回す魔法は残っていない。

『見事だ人の子らよ……まさかこれ程とはな』

またあの声が頭に響く。いちいち癇に障る話し方をする奴だ。
その声はまるで称賛しているかのようだった。

『だが、これで全て終わりだ』
「あんたがね―――――」

セシルが風よりも、光よりも早く駆け出す。

『――――――!?』

一瞬で距離を省略したセシルの槍がテンペストゥス・ノクテムを貫き、立派な両翼を切り裂く。

『ぐはっ……!』
「じゃ、いってらっしゃい!」

セシルはそのままセシルはテンペストゥス・ノクテムを勢いよく地面へとたたきつける。そこにはずっと詠唱をし続け火力を最大限まで高めたアリシアが待っていた。

「火の精霊たちよ、共に舞い踊り、我が創造の力となれ。炎の息吹をもって、この鍛冶に宿り、武器と防具に力を与えよ!ブレイズワークス!!」

灼熱の炎に包まれた剣が、テンペストゥス・ノクテムの体に突き刺さる。

「貫けぇえ!!」

アリシアの怒号と共に、炎が勢いを増して燃え盛る。ブレイズワークスの炎が体の中心から一気に燃え広がり、その体を焦がしていった。

『ガァァアアアッ!!』

テンペストゥス・ノクテムの絶叫が響き渡ると同時に、奴の体は崩壊を始めた。

『我は滅びぬ…………何度でも蘇るさ…………』

その言葉を最後に、テンペストゥス・ノクテムの体は光の粒子となって消えていった。

「終わった…………の?」

その場にいた誰もが信じられないといった表情をしていた。
それもそうだろう。なんせあれだけ苦戦を強いられていた相手を倒したのだから。

「やった……勝ったぁ!!!」

誰かが大声を上げる。それをきっかけに歓声が巻き起こった。

「よっしゃあああ!」「私たち、助かったんだ!」「生き残ったぞぉおお」

怪我の治療をしていた生徒たち、本格的な戦いに参加できず遠巻きに観察していた生徒たちからそんな歓喜の声があちこちから聞こえてくる。中には泣いている生徒もいた。無理もないだろう。私も正直泣きそうになっていたくらいだ。

(本当によかった…………)

なんとかみんなで生き残ることができたようだ。みんな無事で本当に良かった……。

***

終わったんだ……ようやく……。

「あっ……」

緊張の糸が切れたのか、単に魔力切れか、体中から力が抜けて地面にへたり込んでしまった。
(なんとかなったけど……さすがに疲れたなぁ……)

みんなも同じように地面に座り込んでいる。全部出し切った。ちゃんと起ってるのはセシルとアリシア、そしてセオドア先生くらいだった。

事前にできる限りの対策をしていてよかった。
セオドア先生は本当に頼もしかった。司令塔として、そして戦力としても私たち10人分くらい働いていたのではないだろうか。
そして、セオドア先生に声をかけたことで、セシルもオリジナル魔法を使えるようになった。あれが決め手になったと思う。

しばらくは動けそうにないや……。でもその前にみんなにお礼を言わなきゃ……。
結局私ひとりの力だけじゃ勝てなかった。はじめからみんなを頼って、みんなのおかげで助かったんだから。

「みんなありがとうございますわ!やりましたわね!」

私の言葉にみんなが笑顔で応えてくれる。あぁ、本当に良かった。

「レヴィアナさん!」

突然名前を呼ばれ振り返ると、いきなりアリシアに抱き着かれた。

「ちょっ!?ど、どうしたの!?」
「あはは、ごめんごめん。つい嬉しくって!!」

そう言って照れ臭そうに笑う彼女を見て、私もつられて笑ってしまう。

「もう、仕方ないですわね」
「すっごい楽しかった!なんかわーってなった!」
「何ですのそれ。子供みたいですわね」

アリシアは興奮しているのか口調も崩れていた。気持ちもわかる。私だってこんなに興奮したのは初めてかもしれない。それくらい気持ちが昂っていた。

これであと残っているイベントと言えばイベント先頭の表ボスくらい。でもたった今裏ボスを倒した私たちの脅威になるとは思えなかった。

(よかった……これで…………―――――――!?)

抱き着くアリシアの背中越しに闇が集まっているのが見えた。あれはまさか……!

――――まだ終わってない……!?

テンペストゥス・ノクテムは完全に消滅したわけではなかった!奴はまだ生きていたのだ!!燃え尽きたはずの場所の闇がどんどんと濃くなっている。でも歓声で誰も気づいていない。

――――このままじゃまずい…………!

慌てて立ち上がろうとするが足に力が入らない!それどころか体全体が痺れているようで上手く動かすことができない!

――――魔力も……くっ…………!だめっ…………!間に合わない!!

闇が何かを放とうとしているのが見える。防御魔法を展開しようにももう体中のマナは先ほど使い果たしている。

このままではアリシアが殺されてしまう!!それだけは絶対にダメだ!!

――――お願い動いて!!

「へっ!?どうしたんですか?レヴィアナさん」

身体ごとアリシアに覆いかぶさり、わずかに残った魔力で防御魔法の真似事の様な事をする。

――――うまくいったと思ったのに……!

そして泣きそうになりながら大声で叫んだ。

「みんな……!!!逃げてぇええええっ!!!!!!」
次の瞬間、闇の波動が辺り一帯を覆いつくした。


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