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なん……ですと……!?①

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 観光案内からしばらくして、私の予定にいろいろと入るようになった。

 フェルが私を本格的に婚約者として扱うと決断したらしい。それには劇場のことも関係しているみたい。忙しくなると告げてきたときにポロっと「二度とあんなことは起こさない」ってこぼしていた。

 おかげで私の万年休日気分がガラリと変わる。社交界での礼儀作法やダンス、その他社会情勢などを覚えていく。

 知らないことを学ぶのは楽しい。けどそんなことをしていたら、あっという間に一日が過ぎてしまう。

 流されるままに過ごしていて、急にハッと思い出した。

 そうだスマホ。ずっと充電してない。

 最近居心地が良すぎて忘れていた。連絡が来ないとはいえ、いつでも使えるようにはしておきたい。

 そう思ってカバンを漁る。取り出した桃色のケースのスマホはやっぱり電源が切れていた。でも大丈夫。充電器は常に持ってたから、とコンセントを探す。

「……んん?」

 あちこち探してみたけど、お屋敷のどこにもコンセントがない。出入口や家具の隙間はもちろん。這いつくばって細かいところまで見る。それらしいものは一つもない。

 ただ、探していてふと気がついた。

 そういえば海外って電圧とか違うよね、と。なのでここは素直にガルシアさんに聞く。コンセントどこですか? 電圧違いますか?と。

 そしたら……。

「コンセントとは何でしょう?」

 と、返ってきたのだ。

 焦った私はどう説明すべきかと悩んで、どうにか照明などの動力源だと伝えた。そしたらまさかの電気じゃないと。

 未知なる国なり世界かもとは思ってたけど、せめて電気ぐらいは共通のものであってほしかった。

 以下、ガルシアさん談。

「照明、その他の動力源は鉱核コアを使用してます。鉱核が自然に発現する力を、各施設にて取り扱っております。こちらは国でも扱える者が限られておりまして……我が邸では、カデムがその資格を持っていましたね」

 なんですと?! 

「了解です! 早速聞いてみます!」
「ですが彼は」

 何か聞こえた気がしたけど、とりあえずカデムの元に急ぐ。気になったら解消しないと気が済まない。ひとまず充電できれば安心するから。

 そのあと人伝てに聞いて回って、裏庭にいた彼を見つけた。
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