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家政婦…もとい、婚約者は見た!②
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「……?」
ふと、カタンと音がして振り返る。
廊下には誰もいない。物が落ちた様子もなく、誰かが通りすぎた気配もない。ただ明るい陽射しが窓から差し込んでいるだけ。
「……」
この屋敷は古い建物だと言っていた。つまりは歴史があるわけで──と、再び音がする。
「!」
無意識に息を止める。微かに物のぶつかる音にカサカサと紙の音が混じる。出どころを探そうとして顔を動かした直後にハッとした。
先程通り過ぎた扉が、わずかに開いていることに。
「……」
そこは昨日騒動があったばかりのフェルの部屋だ。それを思い出してホッと息を吐く。
たぶんきっと誰かが掃除しているのだろう。ガルシアさんが清掃すると言っていたのを思い出す。
そのまま自室へ行こうとして、でも思いとどまる。
……そうだ、挨拶してから戻ろう。なんとなくそうひらめいた。お世話になるのだから、といった考えも働いたのかもしれない。
とにかく部屋に、と近づいていく。ガサゴソと音が大きくなる。私の読みは間違っていなかったらしい。
ドアノブに手を伸ばした直後、ガタンッ!と何かを落とす音が響く。
「っ!?」
びっくりして身を引く。心臓がバクバクいう。落ち着いてから改めて入ろうとして、ふと思う。このままいきなり入ったら同じように驚かせるかな、と。だからひとまず様子を見るために覗き込むことにした。
そしたら不思議なことに部屋のカーテンは閉めきられたままで、薄暗くなっていた。その中を人影が動いている。なにかを探しているかのように。
「……」
ゴクリと喉をならす。カーテンもつけずに掃除なんてするわけがない。動きからして明らかにこの家の人じゃない。
一瞬掠めた影は深くローブを被っているようだった。しかもその人物は引き出しから取った何かを素早くローブに仕舞う。
……泥棒?
もしそうなら私の手には終えない。かといってこの状態で放置すれば逃げられてしまう。しばらく迷って、そのうちにローブの相手が向かってきた。
おそらく用事が済んだから出ていこうとしてるんだと思う。
ズンズン近づいてくる相手。いまだ誰も来る様子もない。このままじゃ取り逃がすことになる。
相手がドアに手を伸ばし、外に出ようとするタイミングで咄嗟に声をあげた。
「あの!」
パッとこっちに顔を向ける。ローブから覗く顔立ちは女の子だった。わずかに警戒心が弱まり、つい話しかけていた。
ふと、カタンと音がして振り返る。
廊下には誰もいない。物が落ちた様子もなく、誰かが通りすぎた気配もない。ただ明るい陽射しが窓から差し込んでいるだけ。
「……」
この屋敷は古い建物だと言っていた。つまりは歴史があるわけで──と、再び音がする。
「!」
無意識に息を止める。微かに物のぶつかる音にカサカサと紙の音が混じる。出どころを探そうとして顔を動かした直後にハッとした。
先程通り過ぎた扉が、わずかに開いていることに。
「……」
そこは昨日騒動があったばかりのフェルの部屋だ。それを思い出してホッと息を吐く。
たぶんきっと誰かが掃除しているのだろう。ガルシアさんが清掃すると言っていたのを思い出す。
そのまま自室へ行こうとして、でも思いとどまる。
……そうだ、挨拶してから戻ろう。なんとなくそうひらめいた。お世話になるのだから、といった考えも働いたのかもしれない。
とにかく部屋に、と近づいていく。ガサゴソと音が大きくなる。私の読みは間違っていなかったらしい。
ドアノブに手を伸ばした直後、ガタンッ!と何かを落とす音が響く。
「っ!?」
びっくりして身を引く。心臓がバクバクいう。落ち着いてから改めて入ろうとして、ふと思う。このままいきなり入ったら同じように驚かせるかな、と。だからひとまず様子を見るために覗き込むことにした。
そしたら不思議なことに部屋のカーテンは閉めきられたままで、薄暗くなっていた。その中を人影が動いている。なにかを探しているかのように。
「……」
ゴクリと喉をならす。カーテンもつけずに掃除なんてするわけがない。動きからして明らかにこの家の人じゃない。
一瞬掠めた影は深くローブを被っているようだった。しかもその人物は引き出しから取った何かを素早くローブに仕舞う。
……泥棒?
もしそうなら私の手には終えない。かといってこの状態で放置すれば逃げられてしまう。しばらく迷って、そのうちにローブの相手が向かってきた。
おそらく用事が済んだから出ていこうとしてるんだと思う。
ズンズン近づいてくる相手。いまだ誰も来る様子もない。このままじゃ取り逃がすことになる。
相手がドアに手を伸ばし、外に出ようとするタイミングで咄嗟に声をあげた。
「あの!」
パッとこっちに顔を向ける。ローブから覗く顔立ちは女の子だった。わずかに警戒心が弱まり、つい話しかけていた。
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