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ユリウス視点(少し振り返ります)

信じられねー 5

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森の中は薄暗く、たくさんの動物や魔物たちが暮らしているためか色々な音がする。


その音を聞くたびにびくっと体を揺らしながら怖がるユウリ……

とても見ていられなかった俺は「もしもの時は俺がちゃんと守ってやるから」と言いながら。

歩くペースがだいぶおちてしまったユウリにあわせて木の枝を折りながら歩いて行く。

それにしても食料になりそうなものが見当たらないな。

先程から禍々しい色をしたキノコや歪な形をした木ノ実しか見つけられていないし。

鑑定してみても毒を含んだものばかりだ。

さっさと川を見つけた方が良さそうだな。
これだけ大きな森なんだ。

きっと大きな川が流れているに違いない。


しばらく歩いていると遠くの方からかすかに水音が聞こえてきた。

「水音がする。このまま進んで行けば川にたどり着けるはずだ」

「んっ???」

不思議そうな顔をするユウリ。

「なんの音もしないけど?」

「ああ、ブーのおかげで普通の人より耳が良いんだ。美味しい水限定なんだけどな」

召喚獣を使役している召喚者には、ごく稀に召喚獣から恩恵を受ける者がいる。

その恩恵によりブーの特技である美味い水探しの力を少しだけもらっているんだ。





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