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兄と私、それぞれの計画
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部屋の中は淡い黄色と白で統一され、左右には2つの扉がある。
温かみを感じる良い部屋だわ。
私は天蓋付きのベッドを横目に見ながら、暖かく包み込まれてしまいそうな大きな一人がけのソファへと座る。
ふわふわの体を包み込むようなソファの座り心地はとても良く、このまま寝れそうな気さえする。
ふぅ…
一息つきながら、目の前にある机に目をやると、白い机の足元が猫脚だということに気付き口が少し緩んだ。
近くの壁には本棚もあり、私の年齢向けの絵本がぎっしりと並べられているようで、お兄様が来るまでは、本を読み時間を潰すことにした。
「……」
「エリー」
名前を呼ばれたような気がして意識が少し浮上するが、睡魔に負けて、瞼を開けず身動ぐだけの私。
「…ん」
再び夢の中へと落ちていこうとすると、あたたかい何かが触れて、少しの浮遊感を感じ再び意識が戻ってくる。
浮いてるの?と少し疑問に思うが、瞼はまだまだ重く…あたたかくて心地よい揺れに、このまま眠っていたいと何かに顔を擦り寄せる。
「…」
ギシッとした音と揺れ方が少し変わり、柔らかい場所に横たえられた私は、再び意識が浮上する。
額に柔らかくあたたかい感触がして、重かった瞼をようやく開けると…
「起こしちゃったみたいだね。寝てて良いんだよエリーシェ」
素晴らしすぎる微笑みをむけたお兄様。
そのままキスができそうなほど近い距離に何故かいるお兄様。
まるでベッドに押し倒されているかの様な体勢なのですが!?
私と同じ銀の髪は、まだ湿っていて前世でいうバスローブにちょっと似たパジャマからは鎖骨が見えていて…目に毒だ。
あなたは本当に9歳なんですかお兄様。
人生何周目ですかと突っ込みたくなるほどの色気にあてられどうしたら良いか分からなくなった私の睡魔は完全に飛んだ。
温かみを感じる良い部屋だわ。
私は天蓋付きのベッドを横目に見ながら、暖かく包み込まれてしまいそうな大きな一人がけのソファへと座る。
ふわふわの体を包み込むようなソファの座り心地はとても良く、このまま寝れそうな気さえする。
ふぅ…
一息つきながら、目の前にある机に目をやると、白い机の足元が猫脚だということに気付き口が少し緩んだ。
近くの壁には本棚もあり、私の年齢向けの絵本がぎっしりと並べられているようで、お兄様が来るまでは、本を読み時間を潰すことにした。
「……」
「エリー」
名前を呼ばれたような気がして意識が少し浮上するが、睡魔に負けて、瞼を開けず身動ぐだけの私。
「…ん」
再び夢の中へと落ちていこうとすると、あたたかい何かが触れて、少しの浮遊感を感じ再び意識が戻ってくる。
浮いてるの?と少し疑問に思うが、瞼はまだまだ重く…あたたかくて心地よい揺れに、このまま眠っていたいと何かに顔を擦り寄せる。
「…」
ギシッとした音と揺れ方が少し変わり、柔らかい場所に横たえられた私は、再び意識が浮上する。
額に柔らかくあたたかい感触がして、重かった瞼をようやく開けると…
「起こしちゃったみたいだね。寝てて良いんだよエリーシェ」
素晴らしすぎる微笑みをむけたお兄様。
そのままキスができそうなほど近い距離に何故かいるお兄様。
まるでベッドに押し倒されているかの様な体勢なのですが!?
私と同じ銀の髪は、まだ湿っていて前世でいうバスローブにちょっと似たパジャマからは鎖骨が見えていて…目に毒だ。
あなたは本当に9歳なんですかお兄様。
人生何周目ですかと突っ込みたくなるほどの色気にあてられどうしたら良いか分からなくなった私の睡魔は完全に飛んだ。
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