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兄と私、それぞれの計画

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王都を出てから本日で3日が経ち、現在は貴族用の宿にある高位貴族用の個室にて朝食を食べているところだ。

シャキシャキと音のする、新鮮で彩りのある野菜達を食べたり、ふんわりとしたほんのり甘いスクランブルエッグと、カリカリとよく炒められたベーコンの香ばしいにおいと味に食欲をそそられながら、くるみパンを一口大にちぎりつつ食べていく。

王都を出てから、馬車に乗り、朝食、昼食、おやつ、夕食、睡眠の繰り返しで、ほとんど動くことがなく体が重くなってきていることに不安を覚える今日この頃…

このままではいけないわ。食べる量を減らさなければとんでもない事になってしまうと思っているのに、お兄様が選んだお店の料理はどこも美味しくて、ついつい食べすぎてしまうのよね。

1日目の夕食の時に、一度お兄様にもっと量を控えたいと申し出たものの…

「エリーは痩せ過ぎなのだから。もっと食べた方が良いよ」

ととても甘い微笑みを向けられ何も言えなくなってしまった。美しすぎるのは本当に罪だわ。

お祖父様達の屋敷へと着いたら、お兄様も忙しくなるだろうから。その間に運動しなくてはならないわね。

そして家庭教師をつけてもらって、色々と学ばせて頂かなくては…

食事を済ませ、侍女たちに連れられ先に馬車に乗っているというお兄様の元へと向かう。

馬車の前には御者が控えていて、お兄様に私が来たことを伝えた後、返事を貰い扉を開ける。

するとお兄様が手を差し伸べてくれた。

「おはよう。エリーシェ今日も愛らしいね」

「お兄様おはようございます」

馬車の中へと入り、いつものごとくお兄様の隣に座らされた私は、お兄様に頬へとキスをされる。

お恥ずかしい。お兄様のキスは家族愛からくるものであると分かってはいるのに、キスする前と後の色気が凄くてどうしても顔に熱をおびてしまう。

どうお兄様と接して良いのか分からなくなって、結局は子供っぽく怒りながらお兄様と向かい合うように座り直し、読みかけの書物を読み始める。

お兄様はくすりと笑った後に、大量に渡されている課題に取り組んでいった。


書物を読み進めてはいるもののあまり内容が入ってこない私は、お昼頃に着くらしいノルンへと期待と少しの不安をいだきながら馬車を揺られていった。



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