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兄と私、それぞれの計画
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夕食の時間も近づき、キャシーに夕食用のワンピースに着替えさせてもらっている時だった。お父様とお母様。そして別行動していたはずのお兄様が一緒に帰ってきたのは。
我が家は必ず朝食と夕食はともにするという決まりがある。まぁ先程帰ってきたばかりだからみんな身支度などで忙しく、今から食堂に行っても誰もいないだろうけれど。
私は、これからどうお父様達に話を切り出そうかとか、反対されないようにどう言えば良いかをゆっくりと、時間ギリギリまで考えたかったため、すぐに食堂へと向かうことにした。
長い廊下をしばらく歩き、キャシーに食堂の扉を開けてもらい中へと入る。やはり私以外にはまだ誰も来てはいなかった。
私は自分の席へと座り、キャシーが用意してくれた紅茶を飲みながら…色々考えていたのだけれど…
それは必要なかったみたい。想像していなかった展開に私は戸惑いながら、カボチャのポタージュや子牛のステーキなどを食べていく。
数十分前に遅くなってすまないと謝りながら食堂へとやってきたお父様達。みんなでサラダを食べだしたところでお兄様が私に突然言ったの。
「エリー。明後日から私と一緒に、お祖父様達のもとへと行こうか。お父様達にはもう許可を貰っているんだ」
柔らかく微笑むお兄様。えっ?お兄様今なんとおっしゃったの?想像してすらいなかった言葉に私は驚きを隠せない。
「へっお兄様。もう一度お聞きしてもよろしいですか?明後日からどちらへ?」
大パニック状態の私は、変な声を出しつつも聞き返す。
「ぷっエリー面白い顔になっているよ。明後日に我が家を旅立って、二人でお祖父様たちの住むノルンに行こう。自然も豊かで王都と違って空気も良いし。色々な物がある土地だからエリーの体に良いと思ってね」
「エリーちゃん。お義父様達から孫達に会いたいとお手紙も頂いていたのよ~。ノルンは空気も良くて様々な国の食材もあるから。あなたの体によく合う食べ物もあると思うの。療養をかねてゆっくりと過ごしてきなさいね~」
ちょっと寂しくなるけれどね~と寂しそうに微笑むお母様。体の年齢に心が引っ張られているのかお母様に抱っこしてもらいたくなったが我慢する。
ふと無言のままのお父様を見てみると、大粒の涙を流していた。
「お父様!?」
「エリー。いかないでおくれ。寂しすぎて私は息が止まりそうだ」
イケメンが台無しなお父様に、満足そうに食事をするお兄様。あらあら。また泣きだしちゃってとお父様を慰めるお母様。
そんな中戸惑いつつも…私は夕食を食べていった。
我が家は必ず朝食と夕食はともにするという決まりがある。まぁ先程帰ってきたばかりだからみんな身支度などで忙しく、今から食堂に行っても誰もいないだろうけれど。
私は、これからどうお父様達に話を切り出そうかとか、反対されないようにどう言えば良いかをゆっくりと、時間ギリギリまで考えたかったため、すぐに食堂へと向かうことにした。
長い廊下をしばらく歩き、キャシーに食堂の扉を開けてもらい中へと入る。やはり私以外にはまだ誰も来てはいなかった。
私は自分の席へと座り、キャシーが用意してくれた紅茶を飲みながら…色々考えていたのだけれど…
それは必要なかったみたい。想像していなかった展開に私は戸惑いながら、カボチャのポタージュや子牛のステーキなどを食べていく。
数十分前に遅くなってすまないと謝りながら食堂へとやってきたお父様達。みんなでサラダを食べだしたところでお兄様が私に突然言ったの。
「エリー。明後日から私と一緒に、お祖父様達のもとへと行こうか。お父様達にはもう許可を貰っているんだ」
柔らかく微笑むお兄様。えっ?お兄様今なんとおっしゃったの?想像してすらいなかった言葉に私は驚きを隠せない。
「へっお兄様。もう一度お聞きしてもよろしいですか?明後日からどちらへ?」
大パニック状態の私は、変な声を出しつつも聞き返す。
「ぷっエリー面白い顔になっているよ。明後日に我が家を旅立って、二人でお祖父様たちの住むノルンに行こう。自然も豊かで王都と違って空気も良いし。色々な物がある土地だからエリーの体に良いと思ってね」
「エリーちゃん。お義父様達から孫達に会いたいとお手紙も頂いていたのよ~。ノルンは空気も良くて様々な国の食材もあるから。あなたの体によく合う食べ物もあると思うの。療養をかねてゆっくりと過ごしてきなさいね~」
ちょっと寂しくなるけれどね~と寂しそうに微笑むお母様。体の年齢に心が引っ張られているのかお母様に抱っこしてもらいたくなったが我慢する。
ふと無言のままのお父様を見てみると、大粒の涙を流していた。
「お父様!?」
「エリー。いかないでおくれ。寂しすぎて私は息が止まりそうだ」
イケメンが台無しなお父様に、満足そうに食事をするお兄様。あらあら。また泣きだしちゃってとお父様を慰めるお母様。
そんな中戸惑いつつも…私は夕食を食べていった。
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