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目覚めと殿下の私室

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 夢から目覚め、起き上がりあたりを見渡すが誰もいない。既に視界に入る部屋の様子から全ては分かってはいたのだけれど。この目で確かめたくて、一人で眠るには大きすぎる天蓋付きのベッドから出て、大きな姿見の方へと歩いていこうと立ち上がる。

体が重く、ふらつきながらも移動する。鏡の前に立った姿は、日本人ではなく、きめ細やかな白い肌に、銀色の髪。そして少し釣り目がちな大きな紫色の瞳をしている二重の美少女がいて、見つめているとじんわりと右目から一筋の涙を溢した。

カチャリと部屋のドアが開く音がしたが、目の前の少女が自分なのだということが改めてわかった衝撃で振り向かず、ただ鏡を見つめる。


「エリー!」
走り寄って来る音と、包み込まれる体。力強く抱きしめられる。

「良かった。良かっだ」
声と抱きしめる力…そしてにおいを感じ現世でのお父様だということに気付く。抱きしめる力が強すぎて少し体が痛い。

「痛いです。お父様」

「すまない。エリー。目覚めてくれて良かった」
抱きしめる力を緩め、私の顔を覗き込むように見つめてきたお父様は、銀色の髪に、少し釣り目がちな深く青い瞳をした彫りの深い美丈夫だったはずだが、涙腺が崩壊しているため普段より少し幼く見える。

抱きかかえられ、ベッドに運び降ろされた私は、お父様に水差しから水を飲ませていただき、なぜそんなにお父様が泣いているのかを聞いた。

話を聞いてわかったことは、私は早めに目覚めてしまったのではなく…あの日から3日後の夜で、お医者様に、熱もなくただ深い眠りについていること以外は健康体であると…魔力があるのでこのままの状態が続いても1週間ほどは体が持つらしいが、それを越えてしまうと死に至ると診断され皆立ち尽くしていたらしい。

お父様もお母様もお兄様も、屋敷の者たち皆が、それぞれが空いた時間に私の部屋を訪れ、祈りを捧げながら私が目覚めるのを待ったのだそうだ。

そんなにも時が経ってしまっているとは…だから体が重くふらつきもあったのかと納得した。

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眠り続けていたエリーシェ。前世の記憶を見た影響なのかもしれませんね。少し筆が進まない状況のためご都合主義を発動し次回は、もうちょっと時を進めようかなと思ってます。

引き続き温かい目で見守ってくださいませ。
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