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「ひゃっ!?」
更に私との距離をつめて、耳元で囁くように名前を呼ばれ、私は変な声を出しながらビクリと身体を震わせてしまいました。
そんな私の反応を見て、ルクス様の口元は弧を描いている様に見えました。
「ユミリア嬢。この様に一人でこの様な場所に足を運ぶことは、今後一切おやめ下さい。貴女はとてもか弱く美しい女性だ」
ルクス様はとても慣れていらっしゃるのか、私の顎へと手を添え上を向かせ、ゆっくりと顔を近づけてきました。
このままでは口付けられてしまう…
私の脳裏にはフリード殿下のご尊顔が浮かび、ルクス様の胸元を両手で押し返し抵抗を試みました。
しかし、私の力では男性の力に適うはずもなく、簡単に壁に押し戻されてしまい、口付けを拒めない状況に陥ってしまいました。
あともう少しで触れてしまうというその時に、ルクス様はそっと私から離れられ、距離をお取りになったのです。
「すみません。少々怖がらせすぎた様ですね」
ルクス様は眉尻を下げて謝ってくださいました。
そして、私の目元へと優しく手を添えて涙を拭われました。
どうやら私は知らずのうちに涙していたようです。次から次に頬を伝う雫に、自分でも驚きました。
更に私との距離をつめて、耳元で囁くように名前を呼ばれ、私は変な声を出しながらビクリと身体を震わせてしまいました。
そんな私の反応を見て、ルクス様の口元は弧を描いている様に見えました。
「ユミリア嬢。この様に一人でこの様な場所に足を運ぶことは、今後一切おやめ下さい。貴女はとてもか弱く美しい女性だ」
ルクス様はとても慣れていらっしゃるのか、私の顎へと手を添え上を向かせ、ゆっくりと顔を近づけてきました。
このままでは口付けられてしまう…
私の脳裏にはフリード殿下のご尊顔が浮かび、ルクス様の胸元を両手で押し返し抵抗を試みました。
しかし、私の力では男性の力に適うはずもなく、簡単に壁に押し戻されてしまい、口付けを拒めない状況に陥ってしまいました。
あともう少しで触れてしまうというその時に、ルクス様はそっと私から離れられ、距離をお取りになったのです。
「すみません。少々怖がらせすぎた様ですね」
ルクス様は眉尻を下げて謝ってくださいました。
そして、私の目元へと優しく手を添えて涙を拭われました。
どうやら私は知らずのうちに涙していたようです。次から次に頬を伝う雫に、自分でも驚きました。
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