馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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お父様とお母様は屋敷を留守にしておりましたけれど。屋敷の者たちが出迎えてくれました。


皆の目が生温かい気がするのは、きっと気のせいなはずですから。気にしないことにしましたわ。


それやりフリード様はこれから、城へと帰らねばなりませんから。


まだお側に居たいところですけれど……

私はフリード様に送っていただいたことへの感謝とお礼を言いました。


「フリード様。本日は送っていただきまして、ありがとうございました。また後ほど学園にてお会いいたしましょう」


「リア。こちらこそ良い時を過ごせて嬉しく思うよ。では、後ほど学園でね」


そう言ってフリード様は馬車へと戻り、去って行かれました。


私はフリード様の馬車が公爵邸から見えなくなったのを確認すると、屋敷の中へと入っていきました。


公爵邸へとフリード様と向かう前に、先に出発させていた馬車と共に帰ってきていたヘレンと共に自室へと戻りましたわ。


部屋へ入ると、ヘレンの手伝いのもと変装用のカツラを外し、制服にシワが出来ぬよう丁寧に脱ぎ、ワンピースへと着替えました。


「ありがとう。ヘレン。私はしばらく休んでいるから、貴女も少し休憩なさい」


「はい。失礼いたします」


心なしかヘレンの口元がニヤけているような気がしましたが、気にしないことにいたしました。



私はベッドに横になり、目を閉じました。


思い浮かぶのは…フリード様との馬車での深い口づけの事で、反射的に顔が熱くなってきましたわ……。



フリード様の息遣いや体温を感じつつ、背筋がぞくりとするほどの気持ち良かさで、フリード様に翻弄されてばかりでした。

今思い出しても、心臓が激しく鼓動してしまいますもの。

とても恥ずかしく甘美な時間でしたわ。


それにしても…フリード様の言う深く触れると私の想像していた深く触れるはだいぶ違っておりました。

エイクズ殿下とボニータ様が寮でされていたあの行為は、遙か先の行為なのだとフリード様もおっしゃっておりましたし。

どのような手順で、子を成すための私の想像していた行為へと進んでいくのかやら、フリード様の負担を減らすために私は学ばなければならないのではないかと思えてきました。


新しく家庭教師を招いて、詳しく学ぶ必要があるかもしれません。


ですが、その前に1度フリード様に相談した方が良いでしょう。


そうと決めた私は、少し仮眠を取り軽食を食べ、学園へと戻っていきました。


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