馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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再びフリード様の熱い唇が重ねられ、私はやはり羞恥心からぎゅっと瞼を強く閉じました。


フリード様の舌がまた侵入してきて、再び私の舌へと絡み付いていきました。

「んっ……」


今度は上顎や歯茎など、普段あまり意識することのない箇所まで丁寧に舐められていきますが…鼻で息をするということを覚えた私は息苦しさもなく。


初めて感じる快感のような不思議な感覚に頭をボーッとさせながら、必死にフリード様の舌を受け入れていきました。

「ぁ…んっ……」


どれくらいの時間唇を重ね合っていたのか分かりませんでしたが、ようやくフリード様は唇を離されました。


どちらのものかも分からない銀糸がお互いの唇を繋いでいましたが、すぐに切れ、私の口の端から溢れ出た唾液はフリード様により綺麗に舐めとられました。


その光景があまりにも艶かしくて、私は見惚れることしかできませんでした。


「リア……。他の誰にもそんな表情を見せてはいけないよ。ずっとこうしてたいけど……これ以上したら止まれなくなりそうだ」


フリード様はそう言うと、名残惜しそうな顔をしながらも私を膝から降ろしてくださいました。


「終わってしまってよろしいのですか?私まだ…フリード様にむ…胸すらさらけ出していませんわ」


言葉にしている最中…とんでもないことを言ってしまったことに気づき、顔にさらに熱が集まってくるのが自分でも分かりましたわ。

はしたない女だと思われたかもしれません……。


フリード様は驚愕したような表情を浮かべると、私の肩を掴みじっと見つめてきました。

「あ……あの……?」


「リア!今なんと言った?僕の聞き間違いでなければ……僕の理性を壊しにかかってきたように聞こえたんだけど!」



「終わってしまってよろしいのですかとお尋ねしましたわ」

私はフリード様の迫力に負け、さきほど言った言葉を繰り返しました。


「ちっ違う。その後は?その後だよ」


「ええと……私はまだ……フリード様に……その……胸すらけ出していませんわ……ですけれど……」


それを聞いたフリード様の顔はみるみると赤くなっていき、はくはくと口を動かしていました。


「リア……どこでそんな言葉を…。いやもしかして兄上と……!?」


とても小さな声で呟くように言うフリード様に、私は慌てて否定しました。


「誤解なさらないで!私は一度もエイクズ殿下と触れ合ってもおりませんし。キスもフリード様が初めての相手でしたわ!ただ…深く触れると言うのはああいうことだと思っておりましたの」


羞恥から瞳が潤みつつも、フリード様の勘違いを解くために一生懸命説明いたしました。

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