馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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抱きしめる手を完全に緩めたフリード殿下は、不安そうに瞳を揺らしながら私を見つめられました。

この目でボニータ様とエイクズ殿下の現状を知りたいと思い勝手に行動したことで、婚約者であるフリード殿下をこんなにも心配させ、不安にさせてしまったことが申し訳なく思えました。


私は、まず一人で行動する前に、婚約者であるフリード殿下にご相談すべきだったのです。


「フリード殿下……お心を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」

私はフリード殿下に謝罪をすると、ベンチから立ち上がり、フリード殿下の前へと移動しました。


フリード殿下は私の行動に、きょとんとするフリード殿下。


普段は身長差がありますからこんな事はできませんけれど。今は座っていらっしゃいますし……


私ははしたないとは思いつつも、フリード殿下の片膝の上へと座りました。


「リ、リア!?」


フリード殿下は突然の事に驚いたようですけれど。

私は構わずフリード殿下の首に両腕を回し、フリード殿下の唇へ自分のそれを合わせました。


触れるだけの軽い口付けですけれど、フリード殿下が固まっていらっしゃるようなので、私はフリード殿下から唇を離しました。


フリード殿下は口元に手を当て、とても顔を真っ赤にしていらっしゃいましたわ。

私から口付けたとはいえ、とても恥ずかしくなり、フリード殿下の顔から視線を外し、

「私がこの様なことをしたいし、されたいと願うのはフリード殿下だけですのよ」


そう言ってフリード殿下の足の間に座り直して、胸元に顔を埋めました。


フリード殿下の心臓がバクバクと大きな音を立てていて、まるで私までドキドキしてしまうではないですか。


「リア……」


フリード殿下は私の腰に腕を回されると、そのまま抱き寄せられました。


───────
皆様お久しぶりです。
2/9に訃報の手紙が届きまして、家庭内が慌しくなり小説の更新が遅れておりました。

明後日には泥沼化するかもしれませんが、精神的には落ち着いてきたので、少しずつ書き貯めていき、再び投稿していきたいと思います。
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