馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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エイクズ殿下に私がユミリアだとバレてしまったことは誤算でしたけれど。それでも何とか乗り切れたようで良かったですわ。

でも、どうしてエイクズ殿下は私がユミリアであると見抜くことができたのかしら。

それだけが謎でしたけれど。


今はこれ以上考えても仕方がないと思い、私は考えることをやめ、予定よりもかなり早いですけれど。一度公爵邸へと戻るために、馬車の方へと向かいました。


馬車寄せへと着くと、ヘレンがボルトンを呼びに行きましたので、私は馬車待ちのベンチに腰掛け待つことにいたしましました。


しばらくすると、王家の紋章の入った立派な黒塗りの馬車がやって参りました。


エイクズ殿下は既に学園にいらっしゃいますし。フリード殿下は私と同じでお昼からですし。


なぜ王家の馬車が?と 疑問に思いましたけれど。


きっとエイクズ殿下のお付きの方たちが忘れ物などを届けにいらっしゃったのでしょうと目立たぬ様に静かにヘレン達を待つことにいたしました。


黒塗りの馬車からは、お付きの方ではなく、何故かフリード殿下が降りてこられました。


学園の制服をきっちりと着込んでおりますが、いつもより少しだけ落ち着きがないように感じられます。

フリード殿下はきょろきょろと辺りを見回され、何かを探されているようでした。


先日落とし物でもされて、探しに学園へといらっしゃったのかもしれませんわね。


何を落とされてしまったのかは気になりましたし、できる事なら一緒にお探ししたいところですが……


今の私は変装をしておりますし、あまり目立つ行動は慎まなければなりません。


私は友を待っているように装ってフリード殿下が馬車寄せから学園内に移動されるのを心待ちにしておりました。

しかし、先程から視線を感じます……


ちらりと目線を合わせぬように見るとフリード殿下が何故か私の方をじっと見つめられておりました。


先程のエイクズ殿下とはまた違った表情でしたけれど。

大きな瞳を丸くされているフリード殿下。

まさか、フリード殿下にも見つかってしまったのかしら……


そう思っていると、フリード殿下は私の方へと駆け寄って来られました。

「リア。心配したんだよ。なぜ変装なんてしているの?」

やはりフリード殿下にまで見つけられてしまったようです。


何故お二人とも私だと気づかれたのでしょうか。

不思議でなりませんが、私は声色を変えて、誤魔化そうとフリード殿下に挨拶をさせていただくことにいたしました。

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