馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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「これは…」


なんということでしょうか。


自室に戻りとても座り心地が良く気に入っているソファに座り、報告書を読み始めた私は、あのお二人がおっしゃっていた真実の愛について疑問に思わざるをえませんでした。


エイクズ殿下はあの日からは、俺は王族だからと威張りはするが、特に害はないらしいく、問題を起こしたのは久しぶりに会えたボニータ様に連れられて行った食堂。


そうです。私とフリード殿下がお茶をしに行ったあの日だけのようでした。


最近は学園内でもなぜだかボニータ様とあまり会えてはいないようで、独りで居ることが多いそう……

その代わりボニータ様に会えたときはとても優しげな笑顔を見せられながらお話をされているだけのようだ。


文面をみるところエイクズ殿下はちゃんとボニータ様愛していらっしゃるのだろうとは思えますわね。


以前は他の方々に見せびらかせるように人目をはばからずにいちゃいちゃとされておられたけれど。そうすることもなく王族、そして貴族としての婚約者らしい接し方になられたようです。


しかし、ボニータ様の報告書には、学園内では黒髪や茶色の髪の殿方達に甘い言葉をかけ、学園内外で声をかけた方々と学園の外の連れ込み宿などで避妊具をつけて男女の仲になっているようでした。


学園内についての報告はなんだかぼやっとした感じに報告記載されておりましたが…


学園外でのことはとても細かく、まるで現場を見ていたかのような的確さで書かれておりました。


ボニータ様は貴族の令嬢とは思えないほど奔放なようで、少しでも裕福そうな殿方を見たら片っ端へと声をかけ、身を委ねるボニータ様…


ボニータ様は貴族としての教育を男爵家から受けていないのではないでしょうかと思ってしまうほどにあまりにもひどい状態でした。


更生の兆しが見えボニータ様への愛を感じられるエイクズ殿下と、様々な男性と男女の仲になるボニータ様。

ボニータ様はエイクズ殿下のことを本当は愛してはおらず、王太子…王子という肩書を愛しているだけのように思えてしまいました。


私は報告書を読み終えると、思わず頭を抱えてしまいました。




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