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今日の食事はとても騒がしいものとなりました。

特にお父様が…

食事をしている間のお父様は、淑女というものは清らかであらねばならない。殿下が触れようとしたらすぐに騎士や御者を呼ぶようにと…


適切な距離を適切な距離をと何度も何度もおっしゃっていたのです。

密室に二人で行くなともおっしゃっていたわね。

本当に心配症なお父様。

思わず手を取り合うのもですか?と聞いてしまったのだけれど。

手も腰も駄目だ!って言うのですもの。

デートだというのにエスコートすらまともにさせないように言ってくるお父様は、私と殿下が二人きりで過ごすことがお気に召さないらしい。


それに対してお母様は、メレちゃん。相手は殿下なのよ。メレちゃんが心配しているようなことをいきなりなさるわけがないでしょう。とお父様に言ったあとに私を見て微笑みながら言葉を紡いでくれた。


ユミィちゃん。今は、昔と違って婚姻を結ぶまで清らかであらねばならないわけではないわ。

二人は婚約者もいないのだし。時間のことはあまり気にしないで殿下と沢山話したりしながら楽しんでらっしゃいね。

とても綺麗な微笑みを浮かべるお母様に、私も同じく微笑みながら返事を返し、まだブツブツと不満そうなお父様のことは放置して、食事を終えて自室に帰ったのでした。

しばらくは自室で読書などをし、過ごしていたのだけれど。

いつもより早い時間帯に入浴することに…

今日は自室のお風呂ではなく、明日は特別な日ということで、本日は大浴場の方へとヘレンに連行されていき、待ち構えていた体を清める専門の方々に念入りに体を清められたあとに、そのまま簡易的なマッサージを受け、自室へと帰ったのでした。

寝る直前は、明日のことで緊張していて眠れないかもと思ったりはしましたけれど。


意外と時間もかからずに眠ってしまったユミリアなのでした。


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