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68(ジークフリード視点)
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リアとまた離れてしまうのは名残惜しいが、また明日も会うことができると自分自身に言い聞かせ、城へと帰る。
母上とファティリシア様のおかげで叶えることが出来たんだ。母上とファティリシア様には感謝しかない。
今朝はファティリシア様と共に隣国より無事に帰還し、この城へと帰ってきてすぐに、そのまま学園へと向かったため、書類仕事がどのぐらい溜まっているかなどの確認をしていなかった。
第二王子専用の執務室の前を通り過ぎ、隣にある第一王子用の執務室の中へと入る。
兄上の執務室は想像していたとおりに、とても埃っぽく、執務机の上にはなんの書類ものっておらず、相変わらず長い間使用された形跡がない状態だった。
僕は静かに退室し、隣の第二王子専用の執務室の方へと入っていった。
約半年ほど放置されていたはずの執務室は、整理整頓がされ、定期的に掃除の手が入っていることが伺える。
兄上を支持する者がほぼなく、僕を支持する者が多いということを知り、安心から溜め息を吐く。
執務机の上には、束になった書類は置いておらず、封をされただけの手紙が1枚だけ置いてあった。
手にとって裏や表を確認してみるけれど。差出人の名前はなかった。
封を開け中に入っていた紙を慎重に取り出すとともに、ほんのりと懐かしき香りを感じる。
これは母上からの手紙だ。
母上とファティリシア様のおかげで叶えることが出来たんだ。母上とファティリシア様には感謝しかない。
今朝はファティリシア様と共に隣国より無事に帰還し、この城へと帰ってきてすぐに、そのまま学園へと向かったため、書類仕事がどのぐらい溜まっているかなどの確認をしていなかった。
第二王子専用の執務室の前を通り過ぎ、隣にある第一王子用の執務室の中へと入る。
兄上の執務室は想像していたとおりに、とても埃っぽく、執務机の上にはなんの書類ものっておらず、相変わらず長い間使用された形跡がない状態だった。
僕は静かに退室し、隣の第二王子専用の執務室の方へと入っていった。
約半年ほど放置されていたはずの執務室は、整理整頓がされ、定期的に掃除の手が入っていることが伺える。
兄上を支持する者がほぼなく、僕を支持する者が多いということを知り、安心から溜め息を吐く。
執務机の上には、束になった書類は置いておらず、封をされただけの手紙が1枚だけ置いてあった。
手にとって裏や表を確認してみるけれど。差出人の名前はなかった。
封を開け中に入っていた紙を慎重に取り出すとともに、ほんのりと懐かしき香りを感じる。
これは母上からの手紙だ。
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