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「本日はとても有意義な時間を過ごすことができましたの」
挨拶をしたあとにボニータさまへ返事をしました。
「ゆういぎ?意味分かんない。エイクズゥ~ユミリアがまた私をいじめてくるの~」
ボニータ様は私に向けていた鋭い目つきを一気に変えて、さらにエイクズ殿下の腕に絡みつきながらエイクズ殿下に甘えるような視線を向け始めました。
エイクズ殿下はボニータ様にやさしげな視線を向けたあとに、私を睨みつけながら言葉を放ちます。
「ボニータを虐めるとは許さぬぞ!」
「エイクズさまぁ~かっこいいわ~」
「そうだろう。俺はいつもかっこ良いからな」
こんなに近くでお二人と会話をするのは、あの不法侵入事件が初めてでした。そのような野蛮なことは一度もしたことが無いのですけれどね。
「私はボニータ様を一度も虐めたことがありませんわ」
私は困った様にお二人を見つめながら言いました。
「エイクズゥ~私もうユミリアを見たくないです~」
「そうかそうか。おいユミリア。今日のところは許してやるからこの食堂から出ていけ」
お二人は半分二人の世界に入っているのか、私の言うことを全く聞き入れてはくれませんし。段々とエスカレートしていきました。
「わぁ~ここからの景色ってとても綺麗だわ~私この席に座りたいですぅ」
「俺とボニータはこの席に座る。お前はさっさと出ていけ!」
私の座る席に座りたいというボニータ様に、食堂から出て行けと言い続けるエイクズ殿下。
私には連れの者がいることも伝えましたし。料理も注文済みで、取りに行っていただいていることも伝えたのですけれど…
「かわりに俺とボニータが食べてやるから感謝しろ」
お二人は身を引いてくださらず、私はとても困っておりました。
「父上との約束をもうお忘れになったのですか?兄上」
ジークフリード殿下がトレーに二人で頼んだ紅茶やデザートをのせて戻って来てくださいました。
「おま…えは何でここに?」
驚きすぎているエイクズ殿下。
「え!なんでジークフリードがこんなところに?え?ここって3週目の世界だったの?」
目が落ちてしまうのではないかと思えるほどに目を見開いて、訳のわからぬことを言うボニータ様。
「君と私は本日が初対面のはずだが。名を呼ぶ許可は出していない」
机にトレーをおいた殿下は、とても冷たい表情でエイクズ殿下とボニータ様を見つめ、私の前へと進み出てお二人から私を隠してくださいました。
挨拶をしたあとにボニータさまへ返事をしました。
「ゆういぎ?意味分かんない。エイクズゥ~ユミリアがまた私をいじめてくるの~」
ボニータ様は私に向けていた鋭い目つきを一気に変えて、さらにエイクズ殿下の腕に絡みつきながらエイクズ殿下に甘えるような視線を向け始めました。
エイクズ殿下はボニータ様にやさしげな視線を向けたあとに、私を睨みつけながら言葉を放ちます。
「ボニータを虐めるとは許さぬぞ!」
「エイクズさまぁ~かっこいいわ~」
「そうだろう。俺はいつもかっこ良いからな」
こんなに近くでお二人と会話をするのは、あの不法侵入事件が初めてでした。そのような野蛮なことは一度もしたことが無いのですけれどね。
「私はボニータ様を一度も虐めたことがありませんわ」
私は困った様にお二人を見つめながら言いました。
「エイクズゥ~私もうユミリアを見たくないです~」
「そうかそうか。おいユミリア。今日のところは許してやるからこの食堂から出ていけ」
お二人は半分二人の世界に入っているのか、私の言うことを全く聞き入れてはくれませんし。段々とエスカレートしていきました。
「わぁ~ここからの景色ってとても綺麗だわ~私この席に座りたいですぅ」
「俺とボニータはこの席に座る。お前はさっさと出ていけ!」
私の座る席に座りたいというボニータ様に、食堂から出て行けと言い続けるエイクズ殿下。
私には連れの者がいることも伝えましたし。料理も注文済みで、取りに行っていただいていることも伝えたのですけれど…
「かわりに俺とボニータが食べてやるから感謝しろ」
お二人は身を引いてくださらず、私はとても困っておりました。
「父上との約束をもうお忘れになったのですか?兄上」
ジークフリード殿下がトレーに二人で頼んだ紅茶やデザートをのせて戻って来てくださいました。
「おま…えは何でここに?」
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「え!なんでジークフリードがこんなところに?え?ここって3週目の世界だったの?」
目が落ちてしまうのではないかと思えるほどに目を見開いて、訳のわからぬことを言うボニータ様。
「君と私は本日が初対面のはずだが。名を呼ぶ許可は出していない」
机にトレーをおいた殿下は、とても冷たい表情でエイクズ殿下とボニータ様を見つめ、私の前へと進み出てお二人から私を隠してくださいました。
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