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ホームルームの始まる鐘の音と共に、私は読みかけのページにしおりを挟み、本を鞄の中へと入れました。
鐘の音が鳴りやむと同時に扉が開き、クラス担任であるマッシュポルト先生が入室されたようなので、本日の先生がどのような挨拶をされるのかと視線を送りました。
あら?いつもの先生ならば髪はボサボサで瞳の色すらも確認できないほどで、服装もシワのついた自身の体に合っていない大きさのスーツを着用していらっしゃるのですが…
本日は燃えるようなぱっちりとした赤い瞳が淡いオレンジ色の髪が整えられたことで見えており、スーツも自身にピッタリと合うサイズというどうされたのですか?と聞きたくなってしまうような姿でした。
「全員揃っているようですね。ユミリア嬢は学園を休んでいたので知らないでしょうが。皆には先週伝えたとおり、本日よりこのクラスに転入生がやってくることとなりました」
転入生がやってくることはあまり珍しいことではありません。我が国には隣国の方と婚約し、この国の環境に早く慣れ共に学べるようにと転入してくる方々は結構おりますので…
ですがこのクラスに転入されてくる方はほとんどおりません。この学園は成績でクラスは分かれておりますし。このクラスは上位10名だけの一番人数の少ないクラスですから。
どのような優秀な方が我が学園にいらっしゃったのでしょうかと興味を持ったのと同時に、だから侯爵家のあの方がいらっしゃらなかったのかと私は納得しました。
彼は10位でしたもの。
「すみません。マッシュポルト先生。質問させてください」
手をあげ、先生に声をかけてきた男子生徒が1人。
「どんな質問かな?」
「転入生は何位なんですか?」
10位だった生徒と仲の良かった8位の男子生徒が質問され、先生が答えます。
「彼は首席だよ。アメリア嬢と同じ成績だったからね」
男性の方なのですか…私個人的には女性が良かったのですが。
男子生徒は不満そうに席につき、先生は私達全員を見渡しながら他に質問はないかと聞いてきた。
「他にはなにもなさそうだな。じゃあ入室していただこうか」
マッシュポルト先生は扉の方へと歩いていき、扉を開ける。
「どうぞ中へ」
丁寧に中に入るように廊下で待っていたであろう転入生へと声をかける。
「はい」
転入生であろう返事と共に教室内に、真新しい制服に身を包んだ生徒が入ってきた。
ホワイトブロンドの絹のような美しい肩までの御髪に、優しげで大きなほんのりとたれた二重のエメラルドグリーンの瞳。
どこか幼く中性的で女性と言われても、不思議ではない人形のような顔。
クラスの方々も転入生の姿を見て固まっているようですわね。
私も王太子妃教育のおかげで顔には出ていないはずですが…
とても驚いております。
転入生は先生と共に歩き、所定の位置にやってくると廊下側から驚き固まる私達生徒をゆっくりと見渡していきました。
目が…
あった瞬間に、転入生はとても嬉しそうに微笑んでくださいました。
女生徒達が黄色い悲鳴をあげ、慌てて口を閉じます。
ほんの数秒だったのだと思うのですが、絡み合う視線はとても長く感じられました。
そしてマッシュポルト先生が、転入生を紹介をしていきます。
「彼を見てわかった者も多いようだけど。一応紹介しておくね。彼は我が国の王子であるジークフリード・アルストレイド第二王子殿下だよ。君達より2歳ほど年齢は下なのだけど。北の隣国の学園は飛び級制度があるからそれを利用して1年も経たないうちに3学年に進級した方なんだ」
先生はとても瞳を輝かせてジークフリード殿下を紹介していった。
鐘の音が鳴りやむと同時に扉が開き、クラス担任であるマッシュポルト先生が入室されたようなので、本日の先生がどのような挨拶をされるのかと視線を送りました。
あら?いつもの先生ならば髪はボサボサで瞳の色すらも確認できないほどで、服装もシワのついた自身の体に合っていない大きさのスーツを着用していらっしゃるのですが…
本日は燃えるようなぱっちりとした赤い瞳が淡いオレンジ色の髪が整えられたことで見えており、スーツも自身にピッタリと合うサイズというどうされたのですか?と聞きたくなってしまうような姿でした。
「全員揃っているようですね。ユミリア嬢は学園を休んでいたので知らないでしょうが。皆には先週伝えたとおり、本日よりこのクラスに転入生がやってくることとなりました」
転入生がやってくることはあまり珍しいことではありません。我が国には隣国の方と婚約し、この国の環境に早く慣れ共に学べるようにと転入してくる方々は結構おりますので…
ですがこのクラスに転入されてくる方はほとんどおりません。この学園は成績でクラスは分かれておりますし。このクラスは上位10名だけの一番人数の少ないクラスですから。
どのような優秀な方が我が学園にいらっしゃったのでしょうかと興味を持ったのと同時に、だから侯爵家のあの方がいらっしゃらなかったのかと私は納得しました。
彼は10位でしたもの。
「すみません。マッシュポルト先生。質問させてください」
手をあげ、先生に声をかけてきた男子生徒が1人。
「どんな質問かな?」
「転入生は何位なんですか?」
10位だった生徒と仲の良かった8位の男子生徒が質問され、先生が答えます。
「彼は首席だよ。アメリア嬢と同じ成績だったからね」
男性の方なのですか…私個人的には女性が良かったのですが。
男子生徒は不満そうに席につき、先生は私達全員を見渡しながら他に質問はないかと聞いてきた。
「他にはなにもなさそうだな。じゃあ入室していただこうか」
マッシュポルト先生は扉の方へと歩いていき、扉を開ける。
「どうぞ中へ」
丁寧に中に入るように廊下で待っていたであろう転入生へと声をかける。
「はい」
転入生であろう返事と共に教室内に、真新しい制服に身を包んだ生徒が入ってきた。
ホワイトブロンドの絹のような美しい肩までの御髪に、優しげで大きなほんのりとたれた二重のエメラルドグリーンの瞳。
どこか幼く中性的で女性と言われても、不思議ではない人形のような顔。
クラスの方々も転入生の姿を見て固まっているようですわね。
私も王太子妃教育のおかげで顔には出ていないはずですが…
とても驚いております。
転入生は先生と共に歩き、所定の位置にやってくると廊下側から驚き固まる私達生徒をゆっくりと見渡していきました。
目が…
あった瞬間に、転入生はとても嬉しそうに微笑んでくださいました。
女生徒達が黄色い悲鳴をあげ、慌てて口を閉じます。
ほんの数秒だったのだと思うのですが、絡み合う視線はとても長く感じられました。
そしてマッシュポルト先生が、転入生を紹介をしていきます。
「彼を見てわかった者も多いようだけど。一応紹介しておくね。彼は我が国の王子であるジークフリード・アルストレイド第二王子殿下だよ。君達より2歳ほど年齢は下なのだけど。北の隣国の学園は飛び級制度があるからそれを利用して1年も経たないうちに3学年に進級した方なんだ」
先生はとても瞳を輝かせてジークフリード殿下を紹介していった。
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