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私のお願いはお父様が陛下に詰め寄ったことで見事受理されました。
返事をしない陛下に痺れを切らしたお父様が…
陛下の側へと恐るべき速さで近づき、お顔を鷲掴みしたあとに、ユミリアを無視するなと怒鳴った姿はとても恐ろしいものでした。
陛下はすぐに我にかえり、分かったと返事をし、お父様は陛下を鷲掴みにしている人間がするとは思えないほど優しい顔つきで私の方を見ながら話しかけてきました。
「ユミリア。後は私とこいつで詳細を決めておくから。邸へと帰って休んでいなさい」
私はお父様の優しい顔つきに免疫がないため、戸惑いながらも返事を返します。
「わかりましたわ。お父様」
お父様は陛下を床に投げ捨てたあと、優雅に私の方へと歩いていき、私の手をとり扉の前へとエスコートし、名残り惜しそうに手を話して扉をあけてくださいました。
扉の前にはスピカ様と近衛騎士の方が数人いらっしゃり、ぎこちない顔でお父様と私を見つめています。
「丁度良い。お前達ユミリアを邸へと連れていけ」
お父様…その方々は王家に仕えているのですよと注意しようと思ったのですが、すぐに了承の返事を頂きました。
私はスピカ様や近衛の方々に連れられて馬車へと歩いていく途中、皆様にお父様のことでご迷惑をおかけしたことや、先程の事について謝らせて頂いたのですが、スピカ様までもが一様に謝らなくて良いとおっしゃいました。
理由を深くお聞きしても皆様口が固く教えてくださいませんでしたけれど。
お父様には一応王位継承権があるからなのかもしれませんね。
私は皆様に邸へと送っていただきまして、学園での勉学が終わったあとに顔を見せに来てくれるリンハルトと夕食を食べたり、邸のみんなと沢山お話をしながら週末までゆっくりと休息を取らせて頂きました。
翌日からは学園がありますので、寮へ帰る準備をしていたのですけれど。
執事長からお父様からの手紙を渡されたのです。
手紙の内容は、お父様が陛下にお願いしたらしく、今後卒業するまでは邸から学園に通う許可を、陛下を通して学園から頂いたことが書かれておりました。
あの部屋に帰るのは私としても生理的に無理でしたので…助かりました。
お父様はあれから城に泊まり込んでいて、邸には帰って来ず…お母様もまだ隣国から帰ってきてはおりません。
数日前に届いた手紙によりますと、翌週には帰ってくると書かれていましたし。
久しぶりに隣国へと帰られたので、お父様も居りませんし。ゆっくりされているのかもしれませんわ。
私はいつもより早めに床につきました。
──────
エイクズ殿下とボニータ様の一件から、私は邸で暮らしておりましたが、長い学園生活で身についた習慣が抜けず、寮で生活していた時間に目覚めました。
ここが寮内であるならば、自分で身支度を整え、細かいところはヘレンが整えてくれるのですが…
目覚めてしばらくするとドアがノックされ、入ってくるように言うと、目を輝かせた侍女たちが部屋へと入室してきます。
「「「おはようございます。お嬢様」」」
「おはよう」
気合の入った侍女たちにされるがままに入浴や着替え、そして髪のセットをしてもらい、コックたちが作ってくださった素晴らしく適切な量のあたたかい食事を頂いて、ゆっくりと紅茶を飲みながら時間をつぶし邸を出る。
邸の前にはフィッセル爺やと馬車。そして本日の私の外での護衛騎士としてスーザン様がいらっしゃっていました。
二人に挨拶をして、スーザン様に馬車の中へと入れてもらい、きちんと座ると馬車は進み始める。
公爵邸から学園はそんなに離れてはいないので短い間であるが流れていく景色を見つめ過ごした。
──────
学園の話を書くはずがたどり着けませんでした。
すみません。
返事をしない陛下に痺れを切らしたお父様が…
陛下の側へと恐るべき速さで近づき、お顔を鷲掴みしたあとに、ユミリアを無視するなと怒鳴った姿はとても恐ろしいものでした。
陛下はすぐに我にかえり、分かったと返事をし、お父様は陛下を鷲掴みにしている人間がするとは思えないほど優しい顔つきで私の方を見ながら話しかけてきました。
「ユミリア。後は私とこいつで詳細を決めておくから。邸へと帰って休んでいなさい」
私はお父様の優しい顔つきに免疫がないため、戸惑いながらも返事を返します。
「わかりましたわ。お父様」
お父様は陛下を床に投げ捨てたあと、優雅に私の方へと歩いていき、私の手をとり扉の前へとエスコートし、名残り惜しそうに手を話して扉をあけてくださいました。
扉の前にはスピカ様と近衛騎士の方が数人いらっしゃり、ぎこちない顔でお父様と私を見つめています。
「丁度良い。お前達ユミリアを邸へと連れていけ」
お父様…その方々は王家に仕えているのですよと注意しようと思ったのですが、すぐに了承の返事を頂きました。
私はスピカ様や近衛の方々に連れられて馬車へと歩いていく途中、皆様にお父様のことでご迷惑をおかけしたことや、先程の事について謝らせて頂いたのですが、スピカ様までもが一様に謝らなくて良いとおっしゃいました。
理由を深くお聞きしても皆様口が固く教えてくださいませんでしたけれど。
お父様には一応王位継承権があるからなのかもしれませんね。
私は皆様に邸へと送っていただきまして、学園での勉学が終わったあとに顔を見せに来てくれるリンハルトと夕食を食べたり、邸のみんなと沢山お話をしながら週末までゆっくりと休息を取らせて頂きました。
翌日からは学園がありますので、寮へ帰る準備をしていたのですけれど。
執事長からお父様からの手紙を渡されたのです。
手紙の内容は、お父様が陛下にお願いしたらしく、今後卒業するまでは邸から学園に通う許可を、陛下を通して学園から頂いたことが書かれておりました。
あの部屋に帰るのは私としても生理的に無理でしたので…助かりました。
お父様はあれから城に泊まり込んでいて、邸には帰って来ず…お母様もまだ隣国から帰ってきてはおりません。
数日前に届いた手紙によりますと、翌週には帰ってくると書かれていましたし。
久しぶりに隣国へと帰られたので、お父様も居りませんし。ゆっくりされているのかもしれませんわ。
私はいつもより早めに床につきました。
──────
エイクズ殿下とボニータ様の一件から、私は邸で暮らしておりましたが、長い学園生活で身についた習慣が抜けず、寮で生活していた時間に目覚めました。
ここが寮内であるならば、自分で身支度を整え、細かいところはヘレンが整えてくれるのですが…
目覚めてしばらくするとドアがノックされ、入ってくるように言うと、目を輝かせた侍女たちが部屋へと入室してきます。
「「「おはようございます。お嬢様」」」
「おはよう」
気合の入った侍女たちにされるがままに入浴や着替え、そして髪のセットをしてもらい、コックたちが作ってくださった素晴らしく適切な量のあたたかい食事を頂いて、ゆっくりと紅茶を飲みながら時間をつぶし邸を出る。
邸の前にはフィッセル爺やと馬車。そして本日の私の外での護衛騎士としてスーザン様がいらっしゃっていました。
二人に挨拶をして、スーザン様に馬車の中へと入れてもらい、きちんと座ると馬車は進み始める。
公爵邸から学園はそんなに離れてはいないので短い間であるが流れていく景色を見つめ過ごした。
──────
学園の話を書くはずがたどり着けませんでした。
すみません。
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