馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

34

「……っ」


扉を開き室内へと入ると…信じられない光景が目の前に広がっており、私は、言葉をうまく出せませんでした。

部屋の中には確かに陛下やお父様らしき方がいらっしゃいましたが…

後ろ姿しか見えませんでしたが…お父様と思われる方が、陛下と思われる方のお顔を鷲掴みにし、持ち上げていたのです。


いくら従兄弟同士とはいえ不敬にも程があります。死罪に問われるかもしれませんわ。

「お父様！」


このままではいけないと…
私が慌てて声を少し裏返させながらお声をかけると、お父様は陛下から手を離し、陛下は床へと崩れ落ちました。

お父様は床へと倒れてしまった陛下には見向きもせず、私の方への振り向き、私だと気付くと、とても心配そうな顔と声で話しかけてきました。


「ユミリア。どうしてこのような所にいるんだ。体は大丈夫なのか？」

ホワイトブロンドの髪に夜空を連想させるような深い青みがかった瞳をしたお父様の目付きはいつもより暖かく見え、いつも無表情で感情すら読み取れないお父様が、こんなにも感情をあらわにされている姿を今まで私は見たことがなかったのです。


返事をすぐに返さない私が心配にでもなったのか。近付いてくるお父様。


内心混乱している私の目の前までやってきたお父様は、私の額へと手で触れました。


───────

変更点
扉を開き信じられない光景を目にした私は、言葉がうまく出せませんでした。と記載しておりましたが、扉を開き室内へと入ると信じられない光景が目の前に広がっており、私は、言葉をうまく出せませんでした。に変更いたしました。

筆が中々進まぬ状況ではありますが、頑張って更新していきたいと思います。