馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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白紙の紙はどこを見ても、何も記載はされておらず…

細工も何もされてはおりませんでした。

陛下の意図を理解することが出来なかった私は、白紙の紙を封に戻し、無言のまま窓から見える移りゆく景色を眺めておりました。

やがて馬車は城へと到着し、スピカ様先導のもと城内を歩いていきます。

まだ仕事に励むには少々早い時間のためなのか。それとも人払いがされているのかは分かりかねますが、出仕されている方々の姿を見かけることもなく、スピカ様は城の奥へ奥へとなんの会話もなく、進んでいきます。


もうすぐで王族や近衛騎士しか入ることのできない特別な場所へとたどり着いてしまうギリギリの場所のとある大きな扉の前にて、スピカ様が足を止められました。

「こちらに、陛下とユミリア様の父君であるマキシマム公爵がいらっしゃるはずだ。書簡に書いてあったとは思うが、従兄であるマキシマム公爵が城に来たことを知った陛下は、皆に入室禁止令を出したあと、1時間経過してもどちらか一方が部屋から出てこなければ、ユミリア嬢を呼べとご命令されている」

え?

「マキシマム公爵はかなりの手練だ。以前ユミリア様が婚約したばかりの時に、エイクズの行いを知り、大変取り乱されたことがある。その時近衛騎士達十数人がかりで止めようとしたが…かなりの被害が出た」

「お父様がそのような事を…?それに…あの白紙の紙にはそのような意味があったのですか?」

驚いてしまった私は、立て続けに質問してしまう。

「なに?白紙だと!」

スピカ様と私は互いに驚きを隠せないといった表情をした。


「父上はなにをしているんだ」

陛下呼びを徹底されていたスピカ様が片手で頭を抱えながら言う。

「ユミリア様。重ね重ねすまないが、陛下を父上を救ってくれ。頼む」


「分かりましたわ」

咄嗟に返事を返したが、私が来たところで解決することはできるのだろうか…

防音がしっかりとしているからか、音漏れもしていないため中の様子は分からぬままだ。

私の知っているお父様は、物静かで常に冷ややかな表情をしており、最低限の言葉しか喋らず、甘やかに接していただいた記憶も特にない。

子に対して無関心な方だと思っていた。お母様はいつもその隣でニコニコ微笑んでおり、対象的な方々だとそのような印象しかないのだが…



私は意を決して、少し思い重厚な両開きの扉に手をかけ、扉を開いた。


─────

酔った勢いで書いたのですが…
最初に簡単に考えていた内容と大きく変わってしまった気がします。
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