馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

文字の大きさ
上 下
34 / 127

33

しおりを挟む
白紙の紙はどこを見ても、何も記載はされておらず…

細工も何もされてはおりませんでした。

陛下の意図を理解することが出来なかった私は、白紙の紙を封に戻し、無言のまま窓から見える移りゆく景色を眺めておりました。

やがて馬車は城へと到着し、スピカ様先導のもと城内を歩いていきます。

まだ仕事に励むには少々早い時間のためなのか。それとも人払いがされているのかは分かりかねますが、出仕されている方々の姿を見かけることもなく、スピカ様は城の奥へ奥へとなんの会話もなく、進んでいきます。


もうすぐで王族や近衛騎士しか入ることのできない特別な場所へとたどり着いてしまうギリギリの場所のとある大きな扉の前にて、スピカ様が足を止められました。

「こちらに、陛下とユミリア様の父君であるマキシマム公爵がいらっしゃるはずだ。書簡に書いてあったとは思うが、従兄であるマキシマム公爵が城に来たことを知った陛下は、皆に入室禁止令を出したあと、1時間経過してもどちらか一方が部屋から出てこなければ、ユミリア嬢を呼べとご命令されている」

え?

「マキシマム公爵はかなりの手練だ。以前ユミリア様が婚約したばかりの時に、エイクズの行いを知り、大変取り乱されたことがある。その時近衛騎士達十数人がかりで止めようとしたが…かなりの被害が出た」

「お父様がそのような事を…?それに…あの白紙の紙にはそのような意味があったのですか?」

驚いてしまった私は、立て続けに質問してしまう。

「なに?白紙だと!」

スピカ様と私は互いに驚きを隠せないといった表情をした。


「父上はなにをしているんだ」

陛下呼びを徹底されていたスピカ様が片手で頭を抱えながら言う。

「ユミリア様。重ね重ねすまないが、陛下を父上を救ってくれ。頼む」


「分かりましたわ」

咄嗟に返事を返したが、私が来たところで解決することはできるのだろうか…

防音がしっかりとしているからか、音漏れもしていないため中の様子は分からぬままだ。

私の知っているお父様は、物静かで常に冷ややかな表情をしており、最低限の言葉しか喋らず、甘やかに接していただいた記憶も特にない。

子に対して無関心な方だと思っていた。お母様はいつもその隣でニコニコ微笑んでおり、対象的な方々だとそのような印象しかないのだが…



私は意を決して、少し思い重厚な両開きの扉に手をかけ、扉を開いた。


─────

酔った勢いで書いたのですが…
最初に簡単に考えていた内容と大きく変わってしまった気がします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

勝手にしなさいよ

恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

処理中です...