馬鹿な婚約者と自称ヒロインがまぐわっておりましたので、婚約破棄後に真実の愛とやらの行く末を見守りますわ

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すぐにでも御者であるフィッセル爺やの元へと、馬車の手配をしに行こうとするヘレンを止めた私は、スーザン様から許可を得たあとに、寮の自室からほど近い、共同応接室へとやってきた。

共同応接室は各階にあり、自室のある階の応接室しか利用できないようになっている。

普通ならば予約制になっているため、すぐに部屋を利用することはできないのだが…

この階には私しか住んではいないため、いつでも利用できるのだ。

私は、椅子を引かれ座ると、ヘレンから紅茶を入れてもらう。

この紅茶には、鎮静効果があるため、ある意味今の私が置かれている状況にはぴったりな飲み物であった。

カップを持ち、一口飲む。
スッキリとした味わいに癒やされる。


紅茶を入れ終えたヘレンは、フィッセル爺やの元へと馬車の手配をしに行くようで、一礼し部屋を出ていった。

部屋の中は私とスーザン様だけになり、部屋の中を静寂が包み込む。



私は、もう一口飲み終えると、スーザン様にお願いをした。

「スーザン様。私、少しの間一人になりたいのです…」

思っていたよりも、頼りない声が出てしまった。

この部屋には窓はなく、出入り口も1つだけだ。防犯的にも問題はないだろうし。スーザン様もそのほうが良いに違いないわ。

「……はい。では扉の前に待機しておりますので、何かありましたらお声掛けください」

スーザン様はそう言うと部屋の外へと出て行かれ、この部屋の中には私だけとなった。


─────────

ヘレンがせっかく作ってくれたお茶を無駄にしたくなかったため、このように書きました。
次回は第三者視点をいれたいと思っています。
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