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しおりを挟む「ボ…ボニータ?」
普段と全く違う彼女に、戸惑うエイクズ殿下は、シーツを巻こうとしていた手が止まったままだ。
早く隠していただけないかしら。
それに彼女の名前はボニータ様とおっしゃられるのね。
毎回会う度に、理解に苦しむことを言われておりましたが…
何度お尋ねしても答えてはくださらなかったので、たった今お名前を知りましたわ。
変わり身の早いボニータ様は、エイクズ殿下に擦り寄ると、うるうるとした上目遣いで訴えかける。
「エイクズさまぁ~私とてもこの方達が怖いですぅ~エイクズさまぁ~どうかこの方達を~追い出してくださいませぇ~」
甘ったるい猫なで声をあげるボニータ様は、とても大きな声でそう言ったあとに、エイクズ殿下の耳元に顔を近づけて何かを言ったようだ。
鼻の下がのびるエイクズ殿下は、私達の方を見ると偉そうに命令する。
「王太子エイクズの名のもとに命令する。姉上とその護衛騎士は城へと帰ってくれ。ユミリア!お前との婚約は本日をもって破棄する。俺とボニータが愛し合っているところを邪魔をした罰だ。命だけは助けてやるが、二度と俺とボニータの前に現れることは許さん。学園も退学だ!荷をまとめる時間だけはくれてやる!明日までにこの国から出ていけ!国外追放だ!」
私に向けて指を指しながら、ドヤ顔をする全裸のエイクズ殿下。
未だベッドの上にいる二人を除き、三人の目が点になった。
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