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ボクの夢
しおりを挟むその店はいつも準備中の札を掲げていた。
中で人の気配がするから、きっと本当に準備中なのだろう。そう思って早半年。
私は開いているところを見たことがない。
まず、何のお店なのかもはっきりしない。
わかるのは真っ白な壁とドア、それに「YUMEYA」と木製のプレートと店だと示す準備中の札のみ。
名前からかわいい系の雑貨屋さんを想像して、入ってみたいと思い続けている。
半年待った私は、ただの好奇心の塊になっている気もする。
ある日、夢を見た。
いつもと同じ街なのに、夕暮れ時が妙に長い。
白いYUMEYAはオレンジを反射し、目を攻撃する。
凝らしてみると、札は営業中になっていた。
いてもたってもいられず店に飛び込むと、黒く長い髪をもつ美女が微笑んでいた。
「ここは夢屋。瓶詰めの夢を売ってるの」
瓶には色とりどりの金平糖が入っていた。
これが夢?そう思ったところで目が覚めた。
YUMEYAはまだ開かない。
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