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二章 悔いの無い死を
EP1 新しい景色
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7月22日、今日は一学期の終業式だ。体育館での全校集会ではやっぱり校長先生の話は長く、何回も使い回しているような文章を延々と聞かされた。
そして今、教室では毎年変わらない夏休み中の過ごし方を先生が教卓でプリントを見ながら口頭で弁舌している。
『派手な頭髪にするな』
『飲酒や喫煙は絶対にするな』
『三平高校の生徒であることを常に意識して行動しよう』
…結局は普段の生活と変わらないし、そもそもが一般常識なのだからわざわざ毎度毎度ことあるごとに言わなくてもいいのに。
まあ、一つだけ変わることがあるとしたら…
『夏季休暇中アルバイトについては事前に届け出をだし、許可を取った者のみ認める』
「起立!礼」
「さようなら」
ホームルームが終わって一学期から解放された生徒たちは途端に誰も聞いてもいないはずの放課後の予定を言い合っていたり、夏休みの予定を調整したりしている。その中俺は急いで教室をでて、階段を勢いよく下っていき靴を履き替え、学校を後にした。
身体が軽い。休みの前日の身体は鳥の羽毛のようだ。
俺の汗が冷えて涼しくなった身体はすぐに我が家に行き着いた。じとっとしたポロシャツを洗濯カゴに脱ぎ捨てて俺は部屋着に着替えた。そして俺は姉さんの遺影、おりん、線香立てのある方へいき座った。
「今日は朝少しバタバタしててごめん。明日から夏休みだよ姉さん」
俺は線香に火を付けて一本立てた。
そして仕切り直しで台の隣の柱に刺さっている釘にかかっているピンク色の物に目を向けた。椿さんの形見だ。
「椿さん、もう夏ですね。この部屋割と暑いからもしかしたら椿さんの好きな夏も堪能できるかもしれませんね。明日からはバイト行ってきますね」
そういい立ち俺は今日の夕飯を買いに行くために外へ出て行った。
蒸し蒸しとした部屋にものが増えて変わっていく。今年の夏休みに俺は期待が膨らむばかりだ。
そして今、教室では毎年変わらない夏休み中の過ごし方を先生が教卓でプリントを見ながら口頭で弁舌している。
『派手な頭髪にするな』
『飲酒や喫煙は絶対にするな』
『三平高校の生徒であることを常に意識して行動しよう』
…結局は普段の生活と変わらないし、そもそもが一般常識なのだからわざわざ毎度毎度ことあるごとに言わなくてもいいのに。
まあ、一つだけ変わることがあるとしたら…
『夏季休暇中アルバイトについては事前に届け出をだし、許可を取った者のみ認める』
「起立!礼」
「さようなら」
ホームルームが終わって一学期から解放された生徒たちは途端に誰も聞いてもいないはずの放課後の予定を言い合っていたり、夏休みの予定を調整したりしている。その中俺は急いで教室をでて、階段を勢いよく下っていき靴を履き替え、学校を後にした。
身体が軽い。休みの前日の身体は鳥の羽毛のようだ。
俺の汗が冷えて涼しくなった身体はすぐに我が家に行き着いた。じとっとしたポロシャツを洗濯カゴに脱ぎ捨てて俺は部屋着に着替えた。そして俺は姉さんの遺影、おりん、線香立てのある方へいき座った。
「今日は朝少しバタバタしててごめん。明日から夏休みだよ姉さん」
俺は線香に火を付けて一本立てた。
そして仕切り直しで台の隣の柱に刺さっている釘にかかっているピンク色の物に目を向けた。椿さんの形見だ。
「椿さん、もう夏ですね。この部屋割と暑いからもしかしたら椿さんの好きな夏も堪能できるかもしれませんね。明日からはバイト行ってきますね」
そういい立ち俺は今日の夕飯を買いに行くために外へ出て行った。
蒸し蒸しとした部屋にものが増えて変わっていく。今年の夏休みに俺は期待が膨らむばかりだ。
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