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ダスク・ブリガンド編
14 ダスク壊滅作戦Ⅰ
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side ノア=オーガスト
最初っから思ってたことだけど、この馬車ってほとんど揺れないよな。外から見た時はガタガタって馬車が走る音がしたってのに……
しかもこの馬車。普通の馬車なら二週間かかるようなところでも、たったの五日で走ることができるらしい。速くて快適とか、最高すぎるだろ。
『この馬車はエリック商団が独自に作り上げたものなんだー。世界一速くて乗り心地も最高な馬車だと思うよー』
リズさんがこう言ってたのも納得だ。
まあ、積荷が多いからかなり狭いけどな。
「はーい。とうちゃーく」
馬車はゆっくりと停車した。リズさんの後に続いて、オレたちは幕を開けて馬車から降りた。
「運転ご苦労、フィッツくん!」
リズさんは馬から降りた直後のフィッツさんの背中へと平手打ちを一発入れた。
「イッテ!……だからそれやめろって言ってんだろ?!」
「あーもう、細かいことは気にしない。さっ、早く村長さんとこに挨拶行くよー!」
「っくそ……いつかぜってぇ仕返ししてやるからな」
フィッツさんはボソッと復讐を誓いながらも、リズさんの後を追った。
「さてと。オレたちはここからダスクのアジトに向かうわけだけど……まずここどこ?」
大帝国から出たことないから全く土地勘がない。正直方角ぐらいしかわからん。
「あー、私さー、王貴国ってあんま来たことないからあんまり力になれないかも」
「すみません。私もです。ザナックさんは大帝国を拠点に活動していたので、この辺のことはわからないです」
先輩冒険者二人でもわかんないか……じゃあもうこの村の人に地図借りるしかないな。
「よし。まずは地図借りに行こう。話はそれからーーー」
「おお。ありがとう、リズくん。これでなんとか食いつなげる……!」
近くからぞろぞろと多くの足音と、それに加えて老人の嬉しそうな声が聞こえてきた。オレ話すのをやめ、そっちに顔を向けた。
見れば大人や子供がたくさんリズさんやフィッツさんのもとに集まっていた。その人たちの服装は少し汚れていて、よく見ると痩せすぎている人もちらちら見える。
「久しぶり、コーディー村長。ごめんねー。担当変わっちゃったから、全然会いに来れなかったよー」
「いやいや、構わんよ、リズくん。まだ生きておるうちに会えただけでもよかったわい」
「……あのさー、コーディー村長。何か、あったの……?」
リズさんは心配そうな声をあげた。
そりゃそうだよな。たしかリズさんの話じゃ、この村は祭りを開くほどに活気付いていて、みんな幸せそうだったはずだ。
なのに、この村の人々の身なりや表情からはとてもそうは感じられない。
「まあ、なんじゃ。ちょっと、いろいろと、のう……じゃが、リズくんたちエリック商団が来てくれたんじゃから、もう安心じゃよ。のう、みんな」
「あ、ああ。あんたらのおかげで助かった。ありがとう」
「え、ええ。あれだけあればなんとかやっていけるわ。ほんとにありがとうね」
……なんか、地図貸してほしいって頼める雰囲気じゃなさそう……
「あちらの方々もエリック商団の人かね?」
「あーちがうちがう。あたいとこの男の二人だけ。ほら、商団服着てないし、バッジもつけてないから」
「それもそうじゃの。では、旅人さんかね?」
「まあそうだねー。EDENの冒険者たちだよー」
「そうか。久方ぶりに旅人さんを見た気がするのう」
これは……どうしたらいいんだ?
オレたちはダスクを潰すためだけに来たからなー。かなり疲弊しているように見えるこの村に負担をかけるつもりはないし、ここはいち早く去るのがベストかもなー……。
「なあ、みんな。どうもあの雰囲気を見るに、地図を借りるのは厳しそうな気がするんだけど、どう思う?」
「まあ、俺たちのような部外者を気にかける余裕があるようには見えねぇなぁ」
「秀に同意だ。自力でダスクを見つけるしかないだろう」
「幸い、俺の式神の天なら空から探すことができるからな。多少の時間はかかるかもしれねぇが、確実に見つけ出せる」
たしかにな。……ん?待てよ。そもそもリズさんたちに聞けばーーー
「リズとフィッツに聞けばいい。商人なら地図の一つや二つ、普通に持ってるだろ」
さっすがシン。その方法があったな。
「よし。そっちで行こう。とりあえずオレがリズさんに聞いてくるから」
オレが向かおうとしてからほぼ同時に雑談が終わったらしく、みんなが動き始めた。
「じゃあ早速荷運びをしようかー」
「わしらも手伝おう。みんな、頼むぞ」
「フィッツ、よろしくー」
「わーってるよ。じゃあ、俺の後についてきてください」
フィッツさんの後に数十人の村の大人たちが続いた。その横をオレは通り抜ける。横目で見た彼らの表情はバラバラで、村長さんのように嬉しそうにしている者や、反対に悲しそうにする者、ため息をつく者もいた。
……頼んだ積荷がきたってのに、なんでそんな表情するんだ?
そんな疑問を抱きながら、まだ村長さんと話しているリズさんのもとへと到着した。
「リズさん」
「あっ、ノア。それにリュウも。どしたのー?」
え、リュウ……?
周囲を見てみると、オレの斜め後ろにリュウがいた。オレは目線をリュウに合わせるようにしてしゃがんだ。
「どうしたんだ、リュウ。何かあったか?」
馬車酔いとか……?いやでも、体調悪そうには見えないよな。
「ノア、守んなきゃ、ダメ、だから……」
守る……?
もしかして、リュウ以外にもオレの殺しを命じられてるダスクの人間がいるのか?だからオレを守ろうとして……なんていい子なんだ……!
「そっか。ありがとな、リュウ」
オレはリュウの頭をなでなでする。そしてリズさんの方へ向き直った。
「リズさんにお願いがあるんだけど、地図って持ってたりする?ちょっと貸してもらいたいんだよ」
「地図?全然いいよー。予備あるから持ってっちゃっても構わないぐらいだし」
マジか。それはありがたい。
「そう?じゃあ、ありがたくもらってくよ。サンキュー、リズさん!」
オレはすぐにみんなのもとへと戻った。するとちょうど積荷の卸作業が終わった様子だった。
「地図ももらえたし、早速ダスク壊滅作戦に取り掛かろう」
オレたちは荷物がなくなった馬車内で輪になって、作戦会議を始めた。馬車の使用許可はさっきフィッツさんに取ったから問題ない。
地図を広げると、中心に大きな大陸があり、その右側には黒い線が引っ張ってあり、黒く塗りつぶされていた。あと特筆すべき点と言えば、小さな島があちこちに点在しているところくらいだ。
へぇー。人界ってこうなってんだー。右側にはたぶん、魔界があるんだろうなー。たしかクロードがこの二つの世界は黒い壁で分断されているって話してた気がするし。
「今私たちがいるのはここネクサス大陸でー……ていうかこれ、大きすぎない?せめてこの大陸の東側に限定されたもの……あ、いやそれでも大きいから王貴国にまで絞ってあるものじゃないとわかんなそうー」
……たしかに。これはあまりにもデカすぎる。
「おかしいな。さっきフィッツさんに聞いて……」
『あのー、フィッツさん。地図ってどこにある?』
『あ?今俺忙しいんだけど……あー、馬が下げてるバッグのどれかに入ってる。勝手に見てくれ』
「……って言われたから、取ってきたやつなんだけど……これじゃないみたいだなー」
たしか他にもバッグあったんだよなー、ははは。
「……ちょっと取ってくるから、待ってて」
オレは急いで馬車から降りて馬がぶら下げているバックの中身を確認する。すると、いくつか地図があることに気づいた。
あ、こんなにあったのかー……。
オレはひとつひとつを取り出して軽く中身を確認する。そして三つ目にしてラグジュアリとその周辺が描かれた地図を発見することに成功した。
うん、これで合ってそうだな。
オレは他の地図を元の場所に戻し、バッグをしっかり閉めたことを確認した。
「これでよしっと」
地図を丸めて馬車に戻ろうとすると、何やら妙な視線を感じた。
ガバッと振り向くが、特に誰もいなかった。
……気のせいか?
「って、早く戻んないとな」
オレはすぐに馬車内に戻った。そして新たな地図を広げる。
「よし。気を取り直して、ダスク壊滅作戦に取り掛かるぞ」
「まず私たちがいるこの村はここだねー。赤線で囲まれてるし」
「だなー。で、アンダーグラウンドは……ここか」
オレは指をさしてアンダーグラウンドを強調する。
この村から北西に行ってすぐだな。ここってアンダーグラウンドとラグジュアリの境界線上にあるみたいだ。いやー、近くて助かるなー。これなら馬車なしでも一日かかんないはずだ。
「問題はアンダーグラウンドのどこにあるか」
シンの言う通りだ。地図じゃ小さく見えるけど、その大きさは地図じゃ窺い知れないほど。とても全て探し切るのは得策じゃない。けど……
「エル。特別な教会っていうのは一箇所だけなんだよな」
「はい。あの映像を見た後、帝立図書館でもう一回見たので間違いないです。場所はたしか、南東の海沿い付近でした」
目印があるならそう難しいことじゃない。これで行き先は決まったな。
「よし。なら明朝、この教会を目指して北西に行くってことで決まりだ!」
たしかリュウの話だと、この教会がアジトじゃないらしいけど、リュウの記憶にあったのなら、近しい場所にかわりはないはずだ。
「あとはゴードンとかいう奴の強さがどの程度かを考慮しねぇとな」
ゴードン……リュウの記憶にあったクズ人間のことか。
たしかに相手の力量も知らずに挑むのは危険だよな。
「秀の言う通りだ。あの感じだとただの雑魚だとは思うが、念のため対策は考えておくべきだろう」
調べてる余裕もないし、いざとなればあの力使えばいいよな。みんなを守るためなら秀や湊だって許してくれるだろうし。
「そこはオレに任せてくれ。策はあるから。ていうか、ゴードンはオレが倒す」
「いい面構えじゃねぇか。任せたぞ、ノア。有象無象どもは俺たちで排除してやる。誰にもお前の邪魔はさせねぇ」
「ぼくも……ノア、守る……!」
「兄さんに近づく愚物は全員殺す」
「殺すってねー、ちょっとシン、いつものことだけど言い過ぎだからねー。半殺しで押さえといてよー」
「わ、私も皆さんのサポート、頑張りますっ!」
「背中は俺たちが預かる。存分に暴れてこい」
頼もしすぎるだろ、みんな……!
「ああ。ありがとな!!」
side リュウ
これは王貴国ラグジュアリのとある村を目指して帝都アクロポリスから出発して四日目のある夜。馬車の上でぼーっとするリュウの目の先に、見覚えのある影が見えた。
あ、あれって……
リュウは立ち上がって両手を前に出す。その影はその手目掛けて降下し、その姿をある一通の黒い手紙へと変化させた。
「……」
リュウはおそるおそる手紙を開く。
『おい、グリム・リーパー。お前、ノアってガキを殺してねぇな?どういうことなんだぁ?!ああ?!!!』
「っ…」
こ、こわいっ……
リュウは文面をゆっくりと読みつつも、思わず手紙を落とした。震える手を押さえながらもリュウは再び手紙を拾い上げて読み進める。
『分かってんだろうが、戻ったらお仕置きだ。地獄を見せてやるからなぁ。覚悟しとけよぉぉ!!』
リュウは座り込み、そして手紙をクシャッと歪めた。顔を膝に埋め、握りしめた手紙にさらに力を込める。
ぼくは……戻ったら、殺されちゃうの……?
ぼくが殺してきた人たちみたいに……?
でもぼくは……生きたい……生きたいよ……
リュウはようやく持つことのできた生きたいという欲望を捨てたくはなかった。初めて手にできそうな人並みの幸せというものを手放したくはなかったのだ。
リュウは再び手紙を読み始める。シワだらけの手紙には、リュウの目を疑う内容が記されていた。
『この依頼は儲けが大きいからなぁ。お前がやらねぇってんなら、代わりの駒を送るだけだ』
ぼくの代わり……!
ノアがまた狙われる……!
ノアが死ぬのは、いやだ……!
ノアは、ぼくが守らなきゃ……!!
リュウはノアの命を守ることを心に誓い、最後の文章を読んだ。
『なあ、罪人。人間様に逆らった罰は重いぞぉ。せいぜい震えて戻ってくるんだなぁ』
…ぼくは、罪人なんかじゃない。ぼくは……
『リュウはオレたちにとって、とーっても大事な人間だよ』
リュウはノアの言葉を思い出す。そして何度も心に刻んで、あの忌々しき言葉を払拭しようとする。
「ぼくは……人間なんだ……!」
side ゴードン
「ッチ。あの罪人。また仕事をしなかったな。ふざけやがって!」
俺様は目の前にあるボロ机を蹴り飛ばした。
「あ、あの、ボス……?」
「ああ?」
「ひっ……あ、あの、先程ネッグから連絡がありまして、増援を何人か呼びたいとのことで……」
「増援だぁ?んなもん送る必要ねぇだろ。たかがガキ一人殺すだけだろうが」
「そ、それが、そのノアとかいうガキには仲間が複数人見られ、確実に任務を遂行するために人数が欲しいそうで……」
くそイライラするぜ。どいつもこいつも使えねぇ。
「…………ネッグからの救援だったな」
「あ、はい。その通りです!」
あいつは見た目と反して慎重なやつだ。俺の腹心として重宝している。駒としては優秀だ。
…………。
「ッチ。十人増援を送れ」
「じゅ、十もですか……?!」
「いちいち聞き返してんじゃねぇぞ!とっとと去れ!!」
「は、はひぃ……!」
ここ最近、駒どもの質が落ちてきてやがる。ダスク創始者の「グスタフ」とかいう野郎がいた頃は、今よりも数も質も段違いだったらしいが……んなもんはどうでもいいことだ。
俺様は俺様の帝国を作るだけだからな。
いっそのことブリガンドのやつらと戦争して駒を増やすのもアリだなぁ。リーダーのドミニクとかいう若僧はぶっ殺すが、その部下はなかなか使えそうだ。
それにあのボロ教会も拠点として使える。あの中には奴らが溜め込んだ財宝もたんまりあるはずだ。売り飛ばせば、一生遊んで暮らせるほどの金が手に入るなぁ。
「はっ。世の中は俺様を中心に回って動いている。そのことをわからせてやる」
俺様は壁に磔にしていたサンドバッグに拳を振り上げた。
「……も……やめ……」
『ボガン』
side とあるダスク構成員
「あ、あの。いまあの人、こっち、みませんでした?」
「はぁ?んなわけねえじゃん。見間違いだろ?いいから監視続けとけよ」
「そうですよね。みまちがい……」
「っち。貸せ!」
「うわっ…」
「俺が見てやる!……んだよ。もう中に入ってんのか。んじゃあ、監視の仕様がねぇな。返すわ」
「わっととっ。……あの、ネッグさん。ボスの仰ってたことって本当なんですか?」
「あ?」
「あのグリム・リーパーが仕留め損ねたっていう……」
「ああ。どうせあのガキがまた殺せなかったんだろ。僕は誰も殺したくないよ~とか言ってな。はっは。何言ってやがんだっつうの。俺らの仲間をあんなにぶっ殺しといてよ」
「それってやっぱりほんとの話なんですね」
「そういや、お前……名前なんだっけか?」
「あ、テンラルです」
「テンラルね。お前そんな名前だったか?なんか弱そうだな」
「あはは……」
「あのグリム・リーパーとかいうガキは本物の化け物だぜ。俺は現場にいたわけじゃないが、部屋に入ったら俺らの仲間数十人が全員死んじまってたんだからよ」
「……そうなんですね」
「まあな。ま、別に俺が死んでねぇからそれはそれでいいんだが、その死体がまたひどくてな。流石の俺も目も当てられなかったわ」
「そんなにも、ですか……」
「おうよ。だからお前みたいなひ弱な奴が近づいたらひとたまりもないぜ。気をつけろよ」
「わかりました。肝に銘じます」
「あ、そうだ。増援って後何日で来るんだったか?」
「たしか明日だったかと」
「へぇ。意外と早いな。なら俺らもそろそろ準備しないとだな」
「了解です」
これはある夜に行われた黒マント男二人による不穏な会話である。二人は森の奥深くへと姿を消した。
最初っから思ってたことだけど、この馬車ってほとんど揺れないよな。外から見た時はガタガタって馬車が走る音がしたってのに……
しかもこの馬車。普通の馬車なら二週間かかるようなところでも、たったの五日で走ることができるらしい。速くて快適とか、最高すぎるだろ。
『この馬車はエリック商団が独自に作り上げたものなんだー。世界一速くて乗り心地も最高な馬車だと思うよー』
リズさんがこう言ってたのも納得だ。
まあ、積荷が多いからかなり狭いけどな。
「はーい。とうちゃーく」
馬車はゆっくりと停車した。リズさんの後に続いて、オレたちは幕を開けて馬車から降りた。
「運転ご苦労、フィッツくん!」
リズさんは馬から降りた直後のフィッツさんの背中へと平手打ちを一発入れた。
「イッテ!……だからそれやめろって言ってんだろ?!」
「あーもう、細かいことは気にしない。さっ、早く村長さんとこに挨拶行くよー!」
「っくそ……いつかぜってぇ仕返ししてやるからな」
フィッツさんはボソッと復讐を誓いながらも、リズさんの後を追った。
「さてと。オレたちはここからダスクのアジトに向かうわけだけど……まずここどこ?」
大帝国から出たことないから全く土地勘がない。正直方角ぐらいしかわからん。
「あー、私さー、王貴国ってあんま来たことないからあんまり力になれないかも」
「すみません。私もです。ザナックさんは大帝国を拠点に活動していたので、この辺のことはわからないです」
先輩冒険者二人でもわかんないか……じゃあもうこの村の人に地図借りるしかないな。
「よし。まずは地図借りに行こう。話はそれからーーー」
「おお。ありがとう、リズくん。これでなんとか食いつなげる……!」
近くからぞろぞろと多くの足音と、それに加えて老人の嬉しそうな声が聞こえてきた。オレ話すのをやめ、そっちに顔を向けた。
見れば大人や子供がたくさんリズさんやフィッツさんのもとに集まっていた。その人たちの服装は少し汚れていて、よく見ると痩せすぎている人もちらちら見える。
「久しぶり、コーディー村長。ごめんねー。担当変わっちゃったから、全然会いに来れなかったよー」
「いやいや、構わんよ、リズくん。まだ生きておるうちに会えただけでもよかったわい」
「……あのさー、コーディー村長。何か、あったの……?」
リズさんは心配そうな声をあげた。
そりゃそうだよな。たしかリズさんの話じゃ、この村は祭りを開くほどに活気付いていて、みんな幸せそうだったはずだ。
なのに、この村の人々の身なりや表情からはとてもそうは感じられない。
「まあ、なんじゃ。ちょっと、いろいろと、のう……じゃが、リズくんたちエリック商団が来てくれたんじゃから、もう安心じゃよ。のう、みんな」
「あ、ああ。あんたらのおかげで助かった。ありがとう」
「え、ええ。あれだけあればなんとかやっていけるわ。ほんとにありがとうね」
……なんか、地図貸してほしいって頼める雰囲気じゃなさそう……
「あちらの方々もエリック商団の人かね?」
「あーちがうちがう。あたいとこの男の二人だけ。ほら、商団服着てないし、バッジもつけてないから」
「それもそうじゃの。では、旅人さんかね?」
「まあそうだねー。EDENの冒険者たちだよー」
「そうか。久方ぶりに旅人さんを見た気がするのう」
これは……どうしたらいいんだ?
オレたちはダスクを潰すためだけに来たからなー。かなり疲弊しているように見えるこの村に負担をかけるつもりはないし、ここはいち早く去るのがベストかもなー……。
「なあ、みんな。どうもあの雰囲気を見るに、地図を借りるのは厳しそうな気がするんだけど、どう思う?」
「まあ、俺たちのような部外者を気にかける余裕があるようには見えねぇなぁ」
「秀に同意だ。自力でダスクを見つけるしかないだろう」
「幸い、俺の式神の天なら空から探すことができるからな。多少の時間はかかるかもしれねぇが、確実に見つけ出せる」
たしかにな。……ん?待てよ。そもそもリズさんたちに聞けばーーー
「リズとフィッツに聞けばいい。商人なら地図の一つや二つ、普通に持ってるだろ」
さっすがシン。その方法があったな。
「よし。そっちで行こう。とりあえずオレがリズさんに聞いてくるから」
オレが向かおうとしてからほぼ同時に雑談が終わったらしく、みんなが動き始めた。
「じゃあ早速荷運びをしようかー」
「わしらも手伝おう。みんな、頼むぞ」
「フィッツ、よろしくー」
「わーってるよ。じゃあ、俺の後についてきてください」
フィッツさんの後に数十人の村の大人たちが続いた。その横をオレは通り抜ける。横目で見た彼らの表情はバラバラで、村長さんのように嬉しそうにしている者や、反対に悲しそうにする者、ため息をつく者もいた。
……頼んだ積荷がきたってのに、なんでそんな表情するんだ?
そんな疑問を抱きながら、まだ村長さんと話しているリズさんのもとへと到着した。
「リズさん」
「あっ、ノア。それにリュウも。どしたのー?」
え、リュウ……?
周囲を見てみると、オレの斜め後ろにリュウがいた。オレは目線をリュウに合わせるようにしてしゃがんだ。
「どうしたんだ、リュウ。何かあったか?」
馬車酔いとか……?いやでも、体調悪そうには見えないよな。
「ノア、守んなきゃ、ダメ、だから……」
守る……?
もしかして、リュウ以外にもオレの殺しを命じられてるダスクの人間がいるのか?だからオレを守ろうとして……なんていい子なんだ……!
「そっか。ありがとな、リュウ」
オレはリュウの頭をなでなでする。そしてリズさんの方へ向き直った。
「リズさんにお願いがあるんだけど、地図って持ってたりする?ちょっと貸してもらいたいんだよ」
「地図?全然いいよー。予備あるから持ってっちゃっても構わないぐらいだし」
マジか。それはありがたい。
「そう?じゃあ、ありがたくもらってくよ。サンキュー、リズさん!」
オレはすぐにみんなのもとへと戻った。するとちょうど積荷の卸作業が終わった様子だった。
「地図ももらえたし、早速ダスク壊滅作戦に取り掛かろう」
オレたちは荷物がなくなった馬車内で輪になって、作戦会議を始めた。馬車の使用許可はさっきフィッツさんに取ったから問題ない。
地図を広げると、中心に大きな大陸があり、その右側には黒い線が引っ張ってあり、黒く塗りつぶされていた。あと特筆すべき点と言えば、小さな島があちこちに点在しているところくらいだ。
へぇー。人界ってこうなってんだー。右側にはたぶん、魔界があるんだろうなー。たしかクロードがこの二つの世界は黒い壁で分断されているって話してた気がするし。
「今私たちがいるのはここネクサス大陸でー……ていうかこれ、大きすぎない?せめてこの大陸の東側に限定されたもの……あ、いやそれでも大きいから王貴国にまで絞ってあるものじゃないとわかんなそうー」
……たしかに。これはあまりにもデカすぎる。
「おかしいな。さっきフィッツさんに聞いて……」
『あのー、フィッツさん。地図ってどこにある?』
『あ?今俺忙しいんだけど……あー、馬が下げてるバッグのどれかに入ってる。勝手に見てくれ』
「……って言われたから、取ってきたやつなんだけど……これじゃないみたいだなー」
たしか他にもバッグあったんだよなー、ははは。
「……ちょっと取ってくるから、待ってて」
オレは急いで馬車から降りて馬がぶら下げているバックの中身を確認する。すると、いくつか地図があることに気づいた。
あ、こんなにあったのかー……。
オレはひとつひとつを取り出して軽く中身を確認する。そして三つ目にしてラグジュアリとその周辺が描かれた地図を発見することに成功した。
うん、これで合ってそうだな。
オレは他の地図を元の場所に戻し、バッグをしっかり閉めたことを確認した。
「これでよしっと」
地図を丸めて馬車に戻ろうとすると、何やら妙な視線を感じた。
ガバッと振り向くが、特に誰もいなかった。
……気のせいか?
「って、早く戻んないとな」
オレはすぐに馬車内に戻った。そして新たな地図を広げる。
「よし。気を取り直して、ダスク壊滅作戦に取り掛かるぞ」
「まず私たちがいるこの村はここだねー。赤線で囲まれてるし」
「だなー。で、アンダーグラウンドは……ここか」
オレは指をさしてアンダーグラウンドを強調する。
この村から北西に行ってすぐだな。ここってアンダーグラウンドとラグジュアリの境界線上にあるみたいだ。いやー、近くて助かるなー。これなら馬車なしでも一日かかんないはずだ。
「問題はアンダーグラウンドのどこにあるか」
シンの言う通りだ。地図じゃ小さく見えるけど、その大きさは地図じゃ窺い知れないほど。とても全て探し切るのは得策じゃない。けど……
「エル。特別な教会っていうのは一箇所だけなんだよな」
「はい。あの映像を見た後、帝立図書館でもう一回見たので間違いないです。場所はたしか、南東の海沿い付近でした」
目印があるならそう難しいことじゃない。これで行き先は決まったな。
「よし。なら明朝、この教会を目指して北西に行くってことで決まりだ!」
たしかリュウの話だと、この教会がアジトじゃないらしいけど、リュウの記憶にあったのなら、近しい場所にかわりはないはずだ。
「あとはゴードンとかいう奴の強さがどの程度かを考慮しねぇとな」
ゴードン……リュウの記憶にあったクズ人間のことか。
たしかに相手の力量も知らずに挑むのは危険だよな。
「秀の言う通りだ。あの感じだとただの雑魚だとは思うが、念のため対策は考えておくべきだろう」
調べてる余裕もないし、いざとなればあの力使えばいいよな。みんなを守るためなら秀や湊だって許してくれるだろうし。
「そこはオレに任せてくれ。策はあるから。ていうか、ゴードンはオレが倒す」
「いい面構えじゃねぇか。任せたぞ、ノア。有象無象どもは俺たちで排除してやる。誰にもお前の邪魔はさせねぇ」
「ぼくも……ノア、守る……!」
「兄さんに近づく愚物は全員殺す」
「殺すってねー、ちょっとシン、いつものことだけど言い過ぎだからねー。半殺しで押さえといてよー」
「わ、私も皆さんのサポート、頑張りますっ!」
「背中は俺たちが預かる。存分に暴れてこい」
頼もしすぎるだろ、みんな……!
「ああ。ありがとな!!」
side リュウ
これは王貴国ラグジュアリのとある村を目指して帝都アクロポリスから出発して四日目のある夜。馬車の上でぼーっとするリュウの目の先に、見覚えのある影が見えた。
あ、あれって……
リュウは立ち上がって両手を前に出す。その影はその手目掛けて降下し、その姿をある一通の黒い手紙へと変化させた。
「……」
リュウはおそるおそる手紙を開く。
『おい、グリム・リーパー。お前、ノアってガキを殺してねぇな?どういうことなんだぁ?!ああ?!!!』
「っ…」
こ、こわいっ……
リュウは文面をゆっくりと読みつつも、思わず手紙を落とした。震える手を押さえながらもリュウは再び手紙を拾い上げて読み進める。
『分かってんだろうが、戻ったらお仕置きだ。地獄を見せてやるからなぁ。覚悟しとけよぉぉ!!』
リュウは座り込み、そして手紙をクシャッと歪めた。顔を膝に埋め、握りしめた手紙にさらに力を込める。
ぼくは……戻ったら、殺されちゃうの……?
ぼくが殺してきた人たちみたいに……?
でもぼくは……生きたい……生きたいよ……
リュウはようやく持つことのできた生きたいという欲望を捨てたくはなかった。初めて手にできそうな人並みの幸せというものを手放したくはなかったのだ。
リュウは再び手紙を読み始める。シワだらけの手紙には、リュウの目を疑う内容が記されていた。
『この依頼は儲けが大きいからなぁ。お前がやらねぇってんなら、代わりの駒を送るだけだ』
ぼくの代わり……!
ノアがまた狙われる……!
ノアが死ぬのは、いやだ……!
ノアは、ぼくが守らなきゃ……!!
リュウはノアの命を守ることを心に誓い、最後の文章を読んだ。
『なあ、罪人。人間様に逆らった罰は重いぞぉ。せいぜい震えて戻ってくるんだなぁ』
…ぼくは、罪人なんかじゃない。ぼくは……
『リュウはオレたちにとって、とーっても大事な人間だよ』
リュウはノアの言葉を思い出す。そして何度も心に刻んで、あの忌々しき言葉を払拭しようとする。
「ぼくは……人間なんだ……!」
side ゴードン
「ッチ。あの罪人。また仕事をしなかったな。ふざけやがって!」
俺様は目の前にあるボロ机を蹴り飛ばした。
「あ、あの、ボス……?」
「ああ?」
「ひっ……あ、あの、先程ネッグから連絡がありまして、増援を何人か呼びたいとのことで……」
「増援だぁ?んなもん送る必要ねぇだろ。たかがガキ一人殺すだけだろうが」
「そ、それが、そのノアとかいうガキには仲間が複数人見られ、確実に任務を遂行するために人数が欲しいそうで……」
くそイライラするぜ。どいつもこいつも使えねぇ。
「…………ネッグからの救援だったな」
「あ、はい。その通りです!」
あいつは見た目と反して慎重なやつだ。俺の腹心として重宝している。駒としては優秀だ。
…………。
「ッチ。十人増援を送れ」
「じゅ、十もですか……?!」
「いちいち聞き返してんじゃねぇぞ!とっとと去れ!!」
「は、はひぃ……!」
ここ最近、駒どもの質が落ちてきてやがる。ダスク創始者の「グスタフ」とかいう野郎がいた頃は、今よりも数も質も段違いだったらしいが……んなもんはどうでもいいことだ。
俺様は俺様の帝国を作るだけだからな。
いっそのことブリガンドのやつらと戦争して駒を増やすのもアリだなぁ。リーダーのドミニクとかいう若僧はぶっ殺すが、その部下はなかなか使えそうだ。
それにあのボロ教会も拠点として使える。あの中には奴らが溜め込んだ財宝もたんまりあるはずだ。売り飛ばせば、一生遊んで暮らせるほどの金が手に入るなぁ。
「はっ。世の中は俺様を中心に回って動いている。そのことをわからせてやる」
俺様は壁に磔にしていたサンドバッグに拳を振り上げた。
「……も……やめ……」
『ボガン』
side とあるダスク構成員
「あ、あの。いまあの人、こっち、みませんでした?」
「はぁ?んなわけねえじゃん。見間違いだろ?いいから監視続けとけよ」
「そうですよね。みまちがい……」
「っち。貸せ!」
「うわっ…」
「俺が見てやる!……んだよ。もう中に入ってんのか。んじゃあ、監視の仕様がねぇな。返すわ」
「わっととっ。……あの、ネッグさん。ボスの仰ってたことって本当なんですか?」
「あ?」
「あのグリム・リーパーが仕留め損ねたっていう……」
「ああ。どうせあのガキがまた殺せなかったんだろ。僕は誰も殺したくないよ~とか言ってな。はっは。何言ってやがんだっつうの。俺らの仲間をあんなにぶっ殺しといてよ」
「それってやっぱりほんとの話なんですね」
「そういや、お前……名前なんだっけか?」
「あ、テンラルです」
「テンラルね。お前そんな名前だったか?なんか弱そうだな」
「あはは……」
「あのグリム・リーパーとかいうガキは本物の化け物だぜ。俺は現場にいたわけじゃないが、部屋に入ったら俺らの仲間数十人が全員死んじまってたんだからよ」
「……そうなんですね」
「まあな。ま、別に俺が死んでねぇからそれはそれでいいんだが、その死体がまたひどくてな。流石の俺も目も当てられなかったわ」
「そんなにも、ですか……」
「おうよ。だからお前みたいなひ弱な奴が近づいたらひとたまりもないぜ。気をつけろよ」
「わかりました。肝に銘じます」
「あ、そうだ。増援って後何日で来るんだったか?」
「たしか明日だったかと」
「へぇ。意外と早いな。なら俺らもそろそろ準備しないとだな」
「了解です」
これはある夜に行われた黒マント男二人による不穏な会話である。二人は森の奥深くへと姿を消した。
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