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ノアズアーク始動編
16 イオリと湊の手合わせ
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side 九条湊
カズハとエルを守るためにラドンの攻撃を受け切りつつ、奴を二人に近づけさせないという大役を務めた俺は、この日はどうも眠ることができずにいた。宿を出ていつもよりかなり早くから日課のランニングを始める。
ランニングコースは正直言って適当だ。紫苑が師団員のいない場所を教えてくれるため、誰に咎められることもなくスムーズに走っていた。しかし、今日は来ないと思っていたのだが……どうやらまたあいつが来たらしい。
足音を全く立てずに俺の隣にそいつは現れた。
「今日はいつになく早いんだね、湊」
「なぜお前はいつもいつも俺のランニングに付き合うんだ?……イオリ」
俺はイオリの方には向かず、ただ前だけを見つめて、今までずっと思っていたことを質問した。
「うーん……仲良くなりたいから、かな」
イオリが俺とランニングをし始めたのは、秀がイオリに問いただした日からすぐだったように思う。紫苑に「妙なやつが来るぞ」と言われ振り向くとイオリがいた。俺が「何故ここにいる?」と問うと「……湊殿と話がしてみたくて」と言われたのはよく覚えている。この日からほとんど毎日のようにイオリと雑談をしながらランニングをしている。
「仲良く、か」
「正直に言って僕は秀や湊はもちろん、ノアやシンのことも気に入っててね。だから、もっと話をしたいんだよ」
イオリは当初俺たちを監視していた謎の男ではあったが、別に俺たちと敵対する気はないことは分かっているため、俺は特に邪険にすることなくイオリと会話をしている。
「……そうか。まあ、好きにしてくれ」
「それはありがたい。実はさ、湊に聞きたいことがあってね」
「何だ?」
「どうやって僕の仲間の追跡を逃れたんだい?」
……ああ、そういえばいたな、そんなやつら。あの場の誰も指摘しなかったが、少なくとも俺、秀、シンは気づいていた。ノアは……あの時は別のことに集中していたからな……気づいてなかったようだが……。
「普通に走ってだが?」
「僕の仲間も同じことを言ってたよ。『速すぎて全く追いつけませんでした』ってね」
あの時の俺たちは止まることなく、むしろスピードを上げて走っていたからだろうな。
「一応、僕の仲間たちの能力値は並のBランク冒険者よりも高いはずなんだ。それをいとも容易く、あっという間に置き去りにしてしまうなんて……これを聞いた時は冗談だろって思ったよ、ははは」
イオリ何故だかわからないが、楽しそうに笑っている。
「だからってわけじゃないんだけど……湊。僕と一度戦ってくれないかい?」
俺は思わずイオリを見た。イオリの目はギラギラとしており、闘志に満ちているように感じた。
「一本勝負でいいか?」
正直、イオリがBランク冒険じゃに収まるほどの実力者ではないことには、最初に会った時点で察していたからな。……どのぐらい強いのかには興味がある。
「本当かい?ありがとう、湊」
イオリは嬉しそうに笑う。
そして俺たちは正門から堂々と外へ出て、少し先の森へと歩いた。何故なんのお咎めもなく外に出れたのかといえば、イオリがポケットから取り出した何かを師団員のやつに見せたからだ。そのおかげで俺たちはスムーズに帝都から出られた。
「ここならいいかな。割と広々としてるし、魔物がきたとしても対処がしやすそうだ」
南方に広がる森に入る手前でイオリは立ち止まった。
確かにここでなら特に問題はなさそうだ。
「決着はどう決める?」
「そうだね……当然相手を殺すのはなしで、参ったと言わせたら勝ちっていうのはどうかな?」
「いいだろう。……武器は有りか?」
俺は腰に下げた刀に手を添えた。
「僕としてはどちらでも構わないけど……そっちの方が面白そうだね……うん、有りでいこうか」
「了解した」
俺とイオリはほぼ同時に刀を抜いた。どうやらイオリはもうひとつ刀を持っているようだが、そっちは抜く気はないらしい。
「……二刀流ではないのか?」
「ん?ああ、これかい?これは奥の手だからね。いざという時しか抜かないことにしてるんだ」
イオリは黒い鞘に収められた刀の柄に触れた。ちなみにさっき抜いた刀の鞘は、イオリの髪色と同じ桜色をしている。
……何か相当な力を秘めた刀ということか。
「じゃあ……やろうか?」
「ああ」
その言葉を合図に俺たちは一気に加速し、刀を交えた。キンッと甲高い刀の打ち合った音が、この静寂に包まれた闇夜に鳴り響いた。
……序盤は小手調べといったところか。
俺もそうだが、イオリも相手の出方を伺うような戦い方をしていて、本気を出している様子はない。
現に刀に乗せる力が弱すぎる。
以前秀の『水鞠』で見たときのイオリの動きは、何一つ無駄のない身体捌きで敵を一掃していたからな。
こんなものではないはずだ。
俺は、先ほどから似たような打ち合いを続けてしまい何の進展も見られないこの状況を、少しだけ変えてみることにした。
……お前の実力を見せてもらうぞ。
俺はさらに加速し、その分刀に乗せる力を上げてみた。ついでにもうひとつ刀に細工を施した。
さあ、どうでる?
上から振り下ろされたその刀に、イオリは何か感じたのか、受けることはしなかった。
……いい判断だ。
「おっと……」
刀の軌道スレスレで避けたイオリは、片手を地面に突きながら後ろに飛び退いた。
「今のはなんだか、嫌な感じがしたね」
イオリはすぐに体を起こし、再び刀を構えた。
「ほう……何故そう思う?」
本来ならここで畳み掛けるところだが、俺は敢えてイオリへの攻撃を止めた。
「スピードを上げて刀に込める力を上乗せしただけなら受け切れたけど……その裏に何か隠されてる感じがしたんだよね。僕のこれまでの経験則で、そう感じたんだよ」
なるほどな。どうやら相当な場数を踏んできたらしい。己の勘のみを頼りに見極めたということだろうからな。
……面白い。
「そうか……イオリ、お前はいい勘をしている。それは誇るべきことだ」
「そうかい?湊に褒められるなんて光栄だね。……じゃあ僕も少しだけ本気を見せようかな……『不知火』」
湊と同じ姿の人間が一瞬にして増えた。ざっと見て十人程度、か。しかも厄介なことに、見たところ本物と偽物の区別がつかない。
……面倒だが、実に興味深い術だ。
「この術を使ったのは数ヶ月ぶりだよ。それだけ湊が厄介な相手だってことだけどね」
そう言ったイオリは、他のイオリたちと一斉に俺に向かって走り出した。……個体差も特に見られない。さっき喋ったやつが本物とは限らないしな……。全員切るしかないか。
一応相棒の力を借りれば、どれが本物か一瞬で見分けはつくが、それでは面白くはない。俺は戦闘バカではないが、それなりに骨のあるやつとの勝負は嫌いじゃないんでな。
俺は刀を真っ直ぐ構え、目を閉じる。
「……『無窮刃斬』」
そして目にも止まらぬ速さでやつらを切り刻んだ。
ほう。全てに切った感覚がある。偽物でも本物に限りなく近いのか。
「……くっ……!」
俺の術をなんとか防いだ一人は少し後ろに飛び退いた。他のやつは俺の術で木端微塵だが……。そしてすぐさま切りかかってくる。俺はすぐに術を解除しその一撃に備えた。
『ガキンッ』
「……すごいね、その術」
「威力は申し分ないが、隙が大きいのが難点だ。俺も扱いには困っている」
「その割には、随分と反応が早かったようだけど?」
「そうでもない。お前の反撃が遅いだけだ」
そう言い放った俺は、互いの刀をぶつけ合ったままのこの膠着状態を離脱するため、イオリの刀を地面に叩きつけるかのように、自分の刀の峰をイオリの刀の刃に向けて叩き落とした。イオリは負けじと力を入れて押し返そうとしていた。
……甘いな。
俺は刀を手放し、一瞬にしてイオリの首を掴みんで地面に押し倒した。
「うっ……!」
イオリは俺に首を掴まれてすぐに抵抗しようと俺の腕を握ったが、俺は動じずにそのまま首を掴んでいた。
「……どうする?降参するか?」
少しだけイオリの首に入れる力を強くする。
「はは、参ったな、これは。……降参するよ」
イオリはギブアップといった感じで、俺の腕を掴んでいた両手を離し、地面へと大きく広げた。それを見た俺もイオリの首から手を離し、刀を取りに行く。
「……はぁー。…まさか武器を捨てるなんて思わなかったよ」
イオリも起き上がってすぐ自身の刀を取りに来た。あちこちに俺の刀でついた切傷が見られ、服も少しボロボロになっている。
「勝つためなら手段を選ばない。でなければ己の命を失うことになるからな」
「なるほど……だから湊は強いのかもしれないね……」
お互いに自分の刀を拾い上げ、鞘にしまう。
「その刀、ネームド武器だよね?なんて名前なんだい?」
「……『 草薙剣』だ」
「草薙剣、か。聞いたことはないけど、いい刀だね」
「イオリの刀はどうなんだ?」
「これかい?これは『春雷』って刀だよ。うちの家宝のひとつなんだ」
イオリはその桜色の鞘に軽く触れた。
「……もうひとつの方は?」
「これは……『村正』って刀だね。なんというか……扱いに困る刀なんだよ」
イオリは今度は黒い鞘に触れ、困ったような顔をした。
扱いに困る、か。俺の術と似ているな。
「そうか。……いい立ち合いだった」
「え?」
急に話題を変えた俺の発言に、イオリは顔を上げ俺を見据えた。
「秀やカズハとはよく立ち合いをしているが、やはり他のやつとの勝負も面白い……暇ならまた付き合ってくれ」
俺は自分から何かを誘うことなどほとんどないんだが……どうやら俺は自分で思っているよりもイオリのことを気に入っているらしい。
「そっか……そう言ってくれて嬉しいよ。こちらこそ手合わせしてくれるならいつでも大歓迎だよ」
イオリの差し出した、少しマメのできた手を俺は握り返した。そして俺たちはいつの間にか昇り出していた朝日に照らされていた。
side 桜木イオリ
仲間からの報告でノアたちの追跡に失敗してしまったことを聞いた僕は、自分のこの目で確かめるために、ノアたちが帝都に帰ってきたことを確認してから、毎日のように参加していた湊のランニング時に聞いてみることにした。湊は普通に走っただけだと言っていたけど、バケモノのように速かったと仲間は驚いたように言った。少し恐ろしかったとも。
その後、僕からのお願いでひと勝負してもらったけど、結果は惨敗。何にも歯が立たなかったね。僕も全力を出したわけではないけどそれは湊も同じだろう。それに、氣術なしなら完全に僕が負ける。刀を打ち合ってればわかる。湊の一撃一撃は明らかに重すぎる。危うく握っていた刀を落としそうになったんだ。それに、子供の頃以来手にマメができたことなんてなかったのに……。
湊との勝負を終えて、帝都内にある宿『花鳥風月』で彼と別れた後、僕はあの方への報告をするために、屋根伝いに走りながら、マメのできた手を何度も握ったり開いたりしていた。
目的の部屋が見え、ベランダの窓を開け中へ入る。以前にもこのようにして入ったことがあるのだが、あのお方は寛大らしく、この無礼な入室を許可してくれている。
「……イオリか。今日は随分と早い報告だな」
部屋にいた我らがご主人は身支度を整え、お早い朝食をとっているご様子だ。僕はその前に傅き、頭を垂れた。
「はっ。申し訳ありません。早めにお伝えしたいことがあり……」
「構わん。有力な情報は早ければ早い方が良い。それからいつも言っていることだが、そんなにかしこまらなくて良い。立って報告しろ……それで何があった?」
「はっ」
僕は主人の許可が降りたため立ち上がった。
「報告は二つございます。一つはノア、シン、秀、湊たち計四名についてです」
主人は手を止めてこちらに向き直った。
「どうであった?」
「……正直に申し上げまして、彼らは何か強大な力を有しているものの、我ら大帝国の敵となる存在ではないと感じました。よって僕としましては彼らへのこれ以上の監視は不要だと判断いたしました」
「そうか……」
「それから……きっと陛下も気にいると思いますよ」
「ふむ……それは楽しみだな」
主人は……陛下は普段はあまり笑われない方だが、僕の言葉にほんの少しだけ微笑んでくださった。
「それで、もうひとつの方は?」
「……軍事国家ファランクスに潜入していた仲間二名が現在も行方知れずとのことです。おそらくは……死亡したものと思われます。……また、今回の潜入でファランクスに関する新たな情報は何も得ることができませんでした。……申し訳ありません」
僕は陛下へ頭を下げる。以前から軍事国家の動きがきなくさくなってきたと感じられた陛下は、僕たちに軍事国家の潜入調査任務を命じられた。ここ数年、僕の仲間がファランクスに潜入していたが、調査は難航していた。そして最近、定期連絡が途絶えている。これは何かあったと勘繰るのは当然のことだと思う。
つまり今回の潜入調査では、尊い仲間の犠牲が出ただけで、何の情報も得られなかったということだ。
「……そうか……彼らにはすまぬことをしたな」
陛下は片手でその御尊顔を覆い、僕らの仲間に謝罪した。陛下は仏頂面で誤解されることも多いが、本当はとてもお優しい方なのだ。
「いえ、陛下のために尽くすことは当然のこと。……仲間たちの無念は必ずや僕が晴らします」
「そうか……では頼むぞ、イオリ」
「はっ。必ずや陛下のご期待に添える情報を手に入れて参ります」
僕は再び傅く姿勢を見せ、すぐにこの部屋を去った。
side ???
「だから言ってるだろう!ここに書かれた奴らを私の元に連れて来いと!!」
俺様の城で好き勝手に振る舞いやがっているこのデブは、俺様にまた新たな依頼を持ってきたらしい。
「あのなー、ここは暗殺集団『ダスク』の根城だ。盗み関係なら盗賊集団『ブリガンド』の方へ頼みに行けばいいだろうが」
「そ、それはだな……あやつらとのコネが僕にはないし……それに捕まえた後は殺す予定なんだ……僕は血で汚れるのは嫌なんだよ」
……なんなんだこのデブは。前も帝都アクロポリスにいる娘二人を連れて来いとかお門違いな依頼を持ち込みやがったしよぉ……。
「ッチ。ならとっとと金を出しやがれ」
こいつは金だけは無駄に持ってやがるからな。だから俺様もこいつのクソみてぇに無礼な態度にも目を瞑ってやってるが……
……この依頼が終わったら殺すか。
「わ、分かってるよ……ほら」
その身にジャラジャラと高そうな装飾品を纏うデブは、俺様の部下に金がたんまりと入った袋を渡した。
「わかってるとは思うが……この依頼が達成したらこの倍は寄越せよ」
俺様は圧をかけた。
「そ、そんなことは、わ、わかっておるわ。……けどもし、前のように僕の依頼を果たせなければば、金は無しだからな!」
そう言い放ち、クソデブは俺様の城から出て行った。
……いくら金を出すからといって、やっぱあの態度は癪に触るんだよな。ただ殺すだけじゃものたりねぇ。あの豚のような体の四肢を切り落として、痛みに苦しみ叫ぶ姿を早く見たいものだ。……ついでにあの宝石や服をどっかに売り捌くのもありだな。
「……ボス。今度の依頼はなんですかい?」
クソデブから金を受け取った俺様の部下が問いかけた。
「ああ?……『ノアズアーク』とかいうDランクパーティのリーダーを取っ捕まえて殺せだとよ」
「聞いたことねぇっすね。『ノアズアーク』なんてパーティ……しかもDランクっすか?楽勝じゃないっすか」
ゲラゲラと笑う部下に俺様はイラっとする。
「うっせぇよ!黙ってろ!」
「ひいっ、す、すいやせん、ボス」
部下はその場で身体を震わせながらら土下座をし、俺様の許しを乞う。
それより、まーた帝都アクロポリスかよ。
そういや、アレが別の依頼で行ってやがったよな……。
「おい!いつまでも地面に頭つけてねぇで、使いを出すように言え」
「は、はい!」
部下は部屋から出ようとしたところで立ち止まり、恐る恐るこちらを振り向いた。
「あ、あのー、ボス。誰に何の使いを出せば……」
「ああん?『グリム・リーパー』にこのノアってガキを殺させるんだよ」
「へ……?つ、捕まえるんじゃ……」
「殺す方がはえーだろうが。捕まえてここに連れて来んのにどんだけ時間がかかると思ってる。それに最終的には殺すんだからな。間違って殺しちまったわって言えば、あのクソデブも最後は納得すんだろ。そんで金もらったらクソデブを殺すんだよ……これは決定事項だ。……ッチ、いつまでそこにいやがる!とっとと行けっつてんだろうが!!」
「はひいっ!」
部下は慌ててこの場から逃げ去った。
これが終われば捨てるほどに金が入るな……。
ハハハッ。楽しみだぜ……。
カズハとエルを守るためにラドンの攻撃を受け切りつつ、奴を二人に近づけさせないという大役を務めた俺は、この日はどうも眠ることができずにいた。宿を出ていつもよりかなり早くから日課のランニングを始める。
ランニングコースは正直言って適当だ。紫苑が師団員のいない場所を教えてくれるため、誰に咎められることもなくスムーズに走っていた。しかし、今日は来ないと思っていたのだが……どうやらまたあいつが来たらしい。
足音を全く立てずに俺の隣にそいつは現れた。
「今日はいつになく早いんだね、湊」
「なぜお前はいつもいつも俺のランニングに付き合うんだ?……イオリ」
俺はイオリの方には向かず、ただ前だけを見つめて、今までずっと思っていたことを質問した。
「うーん……仲良くなりたいから、かな」
イオリが俺とランニングをし始めたのは、秀がイオリに問いただした日からすぐだったように思う。紫苑に「妙なやつが来るぞ」と言われ振り向くとイオリがいた。俺が「何故ここにいる?」と問うと「……湊殿と話がしてみたくて」と言われたのはよく覚えている。この日からほとんど毎日のようにイオリと雑談をしながらランニングをしている。
「仲良く、か」
「正直に言って僕は秀や湊はもちろん、ノアやシンのことも気に入っててね。だから、もっと話をしたいんだよ」
イオリは当初俺たちを監視していた謎の男ではあったが、別に俺たちと敵対する気はないことは分かっているため、俺は特に邪険にすることなくイオリと会話をしている。
「……そうか。まあ、好きにしてくれ」
「それはありがたい。実はさ、湊に聞きたいことがあってね」
「何だ?」
「どうやって僕の仲間の追跡を逃れたんだい?」
……ああ、そういえばいたな、そんなやつら。あの場の誰も指摘しなかったが、少なくとも俺、秀、シンは気づいていた。ノアは……あの時は別のことに集中していたからな……気づいてなかったようだが……。
「普通に走ってだが?」
「僕の仲間も同じことを言ってたよ。『速すぎて全く追いつけませんでした』ってね」
あの時の俺たちは止まることなく、むしろスピードを上げて走っていたからだろうな。
「一応、僕の仲間たちの能力値は並のBランク冒険者よりも高いはずなんだ。それをいとも容易く、あっという間に置き去りにしてしまうなんて……これを聞いた時は冗談だろって思ったよ、ははは」
イオリ何故だかわからないが、楽しそうに笑っている。
「だからってわけじゃないんだけど……湊。僕と一度戦ってくれないかい?」
俺は思わずイオリを見た。イオリの目はギラギラとしており、闘志に満ちているように感じた。
「一本勝負でいいか?」
正直、イオリがBランク冒険じゃに収まるほどの実力者ではないことには、最初に会った時点で察していたからな。……どのぐらい強いのかには興味がある。
「本当かい?ありがとう、湊」
イオリは嬉しそうに笑う。
そして俺たちは正門から堂々と外へ出て、少し先の森へと歩いた。何故なんのお咎めもなく外に出れたのかといえば、イオリがポケットから取り出した何かを師団員のやつに見せたからだ。そのおかげで俺たちはスムーズに帝都から出られた。
「ここならいいかな。割と広々としてるし、魔物がきたとしても対処がしやすそうだ」
南方に広がる森に入る手前でイオリは立ち止まった。
確かにここでなら特に問題はなさそうだ。
「決着はどう決める?」
「そうだね……当然相手を殺すのはなしで、参ったと言わせたら勝ちっていうのはどうかな?」
「いいだろう。……武器は有りか?」
俺は腰に下げた刀に手を添えた。
「僕としてはどちらでも構わないけど……そっちの方が面白そうだね……うん、有りでいこうか」
「了解した」
俺とイオリはほぼ同時に刀を抜いた。どうやらイオリはもうひとつ刀を持っているようだが、そっちは抜く気はないらしい。
「……二刀流ではないのか?」
「ん?ああ、これかい?これは奥の手だからね。いざという時しか抜かないことにしてるんだ」
イオリは黒い鞘に収められた刀の柄に触れた。ちなみにさっき抜いた刀の鞘は、イオリの髪色と同じ桜色をしている。
……何か相当な力を秘めた刀ということか。
「じゃあ……やろうか?」
「ああ」
その言葉を合図に俺たちは一気に加速し、刀を交えた。キンッと甲高い刀の打ち合った音が、この静寂に包まれた闇夜に鳴り響いた。
……序盤は小手調べといったところか。
俺もそうだが、イオリも相手の出方を伺うような戦い方をしていて、本気を出している様子はない。
現に刀に乗せる力が弱すぎる。
以前秀の『水鞠』で見たときのイオリの動きは、何一つ無駄のない身体捌きで敵を一掃していたからな。
こんなものではないはずだ。
俺は、先ほどから似たような打ち合いを続けてしまい何の進展も見られないこの状況を、少しだけ変えてみることにした。
……お前の実力を見せてもらうぞ。
俺はさらに加速し、その分刀に乗せる力を上げてみた。ついでにもうひとつ刀に細工を施した。
さあ、どうでる?
上から振り下ろされたその刀に、イオリは何か感じたのか、受けることはしなかった。
……いい判断だ。
「おっと……」
刀の軌道スレスレで避けたイオリは、片手を地面に突きながら後ろに飛び退いた。
「今のはなんだか、嫌な感じがしたね」
イオリはすぐに体を起こし、再び刀を構えた。
「ほう……何故そう思う?」
本来ならここで畳み掛けるところだが、俺は敢えてイオリへの攻撃を止めた。
「スピードを上げて刀に込める力を上乗せしただけなら受け切れたけど……その裏に何か隠されてる感じがしたんだよね。僕のこれまでの経験則で、そう感じたんだよ」
なるほどな。どうやら相当な場数を踏んできたらしい。己の勘のみを頼りに見極めたということだろうからな。
……面白い。
「そうか……イオリ、お前はいい勘をしている。それは誇るべきことだ」
「そうかい?湊に褒められるなんて光栄だね。……じゃあ僕も少しだけ本気を見せようかな……『不知火』」
湊と同じ姿の人間が一瞬にして増えた。ざっと見て十人程度、か。しかも厄介なことに、見たところ本物と偽物の区別がつかない。
……面倒だが、実に興味深い術だ。
「この術を使ったのは数ヶ月ぶりだよ。それだけ湊が厄介な相手だってことだけどね」
そう言ったイオリは、他のイオリたちと一斉に俺に向かって走り出した。……個体差も特に見られない。さっき喋ったやつが本物とは限らないしな……。全員切るしかないか。
一応相棒の力を借りれば、どれが本物か一瞬で見分けはつくが、それでは面白くはない。俺は戦闘バカではないが、それなりに骨のあるやつとの勝負は嫌いじゃないんでな。
俺は刀を真っ直ぐ構え、目を閉じる。
「……『無窮刃斬』」
そして目にも止まらぬ速さでやつらを切り刻んだ。
ほう。全てに切った感覚がある。偽物でも本物に限りなく近いのか。
「……くっ……!」
俺の術をなんとか防いだ一人は少し後ろに飛び退いた。他のやつは俺の術で木端微塵だが……。そしてすぐさま切りかかってくる。俺はすぐに術を解除しその一撃に備えた。
『ガキンッ』
「……すごいね、その術」
「威力は申し分ないが、隙が大きいのが難点だ。俺も扱いには困っている」
「その割には、随分と反応が早かったようだけど?」
「そうでもない。お前の反撃が遅いだけだ」
そう言い放った俺は、互いの刀をぶつけ合ったままのこの膠着状態を離脱するため、イオリの刀を地面に叩きつけるかのように、自分の刀の峰をイオリの刀の刃に向けて叩き落とした。イオリは負けじと力を入れて押し返そうとしていた。
……甘いな。
俺は刀を手放し、一瞬にしてイオリの首を掴みんで地面に押し倒した。
「うっ……!」
イオリは俺に首を掴まれてすぐに抵抗しようと俺の腕を握ったが、俺は動じずにそのまま首を掴んでいた。
「……どうする?降参するか?」
少しだけイオリの首に入れる力を強くする。
「はは、参ったな、これは。……降参するよ」
イオリはギブアップといった感じで、俺の腕を掴んでいた両手を離し、地面へと大きく広げた。それを見た俺もイオリの首から手を離し、刀を取りに行く。
「……はぁー。…まさか武器を捨てるなんて思わなかったよ」
イオリも起き上がってすぐ自身の刀を取りに来た。あちこちに俺の刀でついた切傷が見られ、服も少しボロボロになっている。
「勝つためなら手段を選ばない。でなければ己の命を失うことになるからな」
「なるほど……だから湊は強いのかもしれないね……」
お互いに自分の刀を拾い上げ、鞘にしまう。
「その刀、ネームド武器だよね?なんて名前なんだい?」
「……『 草薙剣』だ」
「草薙剣、か。聞いたことはないけど、いい刀だね」
「イオリの刀はどうなんだ?」
「これかい?これは『春雷』って刀だよ。うちの家宝のひとつなんだ」
イオリはその桜色の鞘に軽く触れた。
「……もうひとつの方は?」
「これは……『村正』って刀だね。なんというか……扱いに困る刀なんだよ」
イオリは今度は黒い鞘に触れ、困ったような顔をした。
扱いに困る、か。俺の術と似ているな。
「そうか。……いい立ち合いだった」
「え?」
急に話題を変えた俺の発言に、イオリは顔を上げ俺を見据えた。
「秀やカズハとはよく立ち合いをしているが、やはり他のやつとの勝負も面白い……暇ならまた付き合ってくれ」
俺は自分から何かを誘うことなどほとんどないんだが……どうやら俺は自分で思っているよりもイオリのことを気に入っているらしい。
「そっか……そう言ってくれて嬉しいよ。こちらこそ手合わせしてくれるならいつでも大歓迎だよ」
イオリの差し出した、少しマメのできた手を俺は握り返した。そして俺たちはいつの間にか昇り出していた朝日に照らされていた。
side 桜木イオリ
仲間からの報告でノアたちの追跡に失敗してしまったことを聞いた僕は、自分のこの目で確かめるために、ノアたちが帝都に帰ってきたことを確認してから、毎日のように参加していた湊のランニング時に聞いてみることにした。湊は普通に走っただけだと言っていたけど、バケモノのように速かったと仲間は驚いたように言った。少し恐ろしかったとも。
その後、僕からのお願いでひと勝負してもらったけど、結果は惨敗。何にも歯が立たなかったね。僕も全力を出したわけではないけどそれは湊も同じだろう。それに、氣術なしなら完全に僕が負ける。刀を打ち合ってればわかる。湊の一撃一撃は明らかに重すぎる。危うく握っていた刀を落としそうになったんだ。それに、子供の頃以来手にマメができたことなんてなかったのに……。
湊との勝負を終えて、帝都内にある宿『花鳥風月』で彼と別れた後、僕はあの方への報告をするために、屋根伝いに走りながら、マメのできた手を何度も握ったり開いたりしていた。
目的の部屋が見え、ベランダの窓を開け中へ入る。以前にもこのようにして入ったことがあるのだが、あのお方は寛大らしく、この無礼な入室を許可してくれている。
「……イオリか。今日は随分と早い報告だな」
部屋にいた我らがご主人は身支度を整え、お早い朝食をとっているご様子だ。僕はその前に傅き、頭を垂れた。
「はっ。申し訳ありません。早めにお伝えしたいことがあり……」
「構わん。有力な情報は早ければ早い方が良い。それからいつも言っていることだが、そんなにかしこまらなくて良い。立って報告しろ……それで何があった?」
「はっ」
僕は主人の許可が降りたため立ち上がった。
「報告は二つございます。一つはノア、シン、秀、湊たち計四名についてです」
主人は手を止めてこちらに向き直った。
「どうであった?」
「……正直に申し上げまして、彼らは何か強大な力を有しているものの、我ら大帝国の敵となる存在ではないと感じました。よって僕としましては彼らへのこれ以上の監視は不要だと判断いたしました」
「そうか……」
「それから……きっと陛下も気にいると思いますよ」
「ふむ……それは楽しみだな」
主人は……陛下は普段はあまり笑われない方だが、僕の言葉にほんの少しだけ微笑んでくださった。
「それで、もうひとつの方は?」
「……軍事国家ファランクスに潜入していた仲間二名が現在も行方知れずとのことです。おそらくは……死亡したものと思われます。……また、今回の潜入でファランクスに関する新たな情報は何も得ることができませんでした。……申し訳ありません」
僕は陛下へ頭を下げる。以前から軍事国家の動きがきなくさくなってきたと感じられた陛下は、僕たちに軍事国家の潜入調査任務を命じられた。ここ数年、僕の仲間がファランクスに潜入していたが、調査は難航していた。そして最近、定期連絡が途絶えている。これは何かあったと勘繰るのは当然のことだと思う。
つまり今回の潜入調査では、尊い仲間の犠牲が出ただけで、何の情報も得られなかったということだ。
「……そうか……彼らにはすまぬことをしたな」
陛下は片手でその御尊顔を覆い、僕らの仲間に謝罪した。陛下は仏頂面で誤解されることも多いが、本当はとてもお優しい方なのだ。
「いえ、陛下のために尽くすことは当然のこと。……仲間たちの無念は必ずや僕が晴らします」
「そうか……では頼むぞ、イオリ」
「はっ。必ずや陛下のご期待に添える情報を手に入れて参ります」
僕は再び傅く姿勢を見せ、すぐにこの部屋を去った。
side ???
「だから言ってるだろう!ここに書かれた奴らを私の元に連れて来いと!!」
俺様の城で好き勝手に振る舞いやがっているこのデブは、俺様にまた新たな依頼を持ってきたらしい。
「あのなー、ここは暗殺集団『ダスク』の根城だ。盗み関係なら盗賊集団『ブリガンド』の方へ頼みに行けばいいだろうが」
「そ、それはだな……あやつらとのコネが僕にはないし……それに捕まえた後は殺す予定なんだ……僕は血で汚れるのは嫌なんだよ」
……なんなんだこのデブは。前も帝都アクロポリスにいる娘二人を連れて来いとかお門違いな依頼を持ち込みやがったしよぉ……。
「ッチ。ならとっとと金を出しやがれ」
こいつは金だけは無駄に持ってやがるからな。だから俺様もこいつのクソみてぇに無礼な態度にも目を瞑ってやってるが……
……この依頼が終わったら殺すか。
「わ、分かってるよ……ほら」
その身にジャラジャラと高そうな装飾品を纏うデブは、俺様の部下に金がたんまりと入った袋を渡した。
「わかってるとは思うが……この依頼が達成したらこの倍は寄越せよ」
俺様は圧をかけた。
「そ、そんなことは、わ、わかっておるわ。……けどもし、前のように僕の依頼を果たせなければば、金は無しだからな!」
そう言い放ち、クソデブは俺様の城から出て行った。
……いくら金を出すからといって、やっぱあの態度は癪に触るんだよな。ただ殺すだけじゃものたりねぇ。あの豚のような体の四肢を切り落として、痛みに苦しみ叫ぶ姿を早く見たいものだ。……ついでにあの宝石や服をどっかに売り捌くのもありだな。
「……ボス。今度の依頼はなんですかい?」
クソデブから金を受け取った俺様の部下が問いかけた。
「ああ?……『ノアズアーク』とかいうDランクパーティのリーダーを取っ捕まえて殺せだとよ」
「聞いたことねぇっすね。『ノアズアーク』なんてパーティ……しかもDランクっすか?楽勝じゃないっすか」
ゲラゲラと笑う部下に俺様はイラっとする。
「うっせぇよ!黙ってろ!」
「ひいっ、す、すいやせん、ボス」
部下はその場で身体を震わせながらら土下座をし、俺様の許しを乞う。
それより、まーた帝都アクロポリスかよ。
そういや、アレが別の依頼で行ってやがったよな……。
「おい!いつまでも地面に頭つけてねぇで、使いを出すように言え」
「は、はい!」
部下は部屋から出ようとしたところで立ち止まり、恐る恐るこちらを振り向いた。
「あ、あのー、ボス。誰に何の使いを出せば……」
「ああん?『グリム・リーパー』にこのノアってガキを殺させるんだよ」
「へ……?つ、捕まえるんじゃ……」
「殺す方がはえーだろうが。捕まえてここに連れて来んのにどんだけ時間がかかると思ってる。それに最終的には殺すんだからな。間違って殺しちまったわって言えば、あのクソデブも最後は納得すんだろ。そんで金もらったらクソデブを殺すんだよ……これは決定事項だ。……ッチ、いつまでそこにいやがる!とっとと行けっつてんだろうが!!」
「はひいっ!」
部下は慌ててこの場から逃げ去った。
これが終われば捨てるほどに金が入るな……。
ハハハッ。楽しみだぜ……。
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