上 下
14 / 52
銀髪と緋色の瞳の聖女と仲間達

闇ギルド商会①

しおりを挟む
 受付のテーブルに肘をつけて、煙草たばこを吸ってる、顔に大きな傷がある男、ビールを呑んで酔ってる、ヤクザっぽい人間の男が6人。

 拳銃けんじゅうや剣など、武器の手入れをしてる【獣人】の男が4人。

「…ーーーーっ」

 私が身構えてしまったことに、フィル君が気付いて、

『危険な時はテレポートするから、安心して』

 テレパシーで、私に伝えると同時に、フィル君が受付に向かっていく。私も後に続く。

 私達は受付の中で、煙草たばこを吸ってる、顔に大きな傷がある男の前まで来る。
 フィル君が自分の魔法鞄マジックバックから、ポーチぐらいの袋を取り出して、ジャラと、テーブルの上へ置く。

 男は袋を開けて、パッと見て、金貨が300枚以上、日本の金額だと、3,000,000円以上のお金が入っていることを確認する。

「何の用だ?」

 そう言って、男は吸っていた煙草を床へ落とし、足の裏で火を消した。

 話だけでも、聞いてくれる様子で、

(ひとつめクリア!)

 私は心の中でガッツポーズをした。

「これで習得とクエストの依頼を受けたい」
「何のスキルだ?」

 フィル君の言葉に、男は品定めするように睨み付ける。

「まずは『鑑定』『育成』『合成』それから」

(どうしよう。
 私のスキルなのに、フィル君に任せたままで、いいの?)

 私はチラッと、拳銃けんじゅうの手入れをしてる、狐の耳としっぽを持つ、獣人を見た。

 私はギュッと胸を押さえて、

(フィル君を危険な目にあわせたくない!
 でも)




 私は、闇ギルド商会ここに来る前夜、リビングでした会話を思い出す。

「ハル、いいですか、闇ギルド商会は利用者ひとを選びます」

 私達は、花や木の実が彫られた、丸い真っ白な木製のテーブルと、イスに向かい合いながら座る。

 フィル君は右指を1の形にして、

「まず、僕達のような【わけあり】
 闇ギルド商会ここの人達は『犯罪者』や『故郷を追われた人』など、理由は様々ですが、全員【わけあり】なので、お互いの情報を外にもらさない意味もあります」

 フィル君は右手を2の形にして、

「ふたつめは【お金を持っているか】
 ギルド商会通常だとノーマルスキルひとつ銅貨5枚~銀貨2枚ほどで、習得出来ますが」

 日本だと、500~2,000円ぐらい。

闇ギルド商会そこだと、最低でも金貨3枚は必要です」

 日本あっちだと、30,000円もかかるの。

 フィル君は右手を3の形にして、

「最後は【自分の意思を持ってるか】
 これは、闇ギルド商会相手の人の好みにもよりますが、流されやすい人は、闇ギルド商会違法してる人達に対して言うのも、なんですが、まず信頼されません。
 最悪そのまま商品にされる可能性や、女性だと、アレだったりに、され…ます」

 最後は苦々しく、すっごく言いにくそうにだった。




 私は相手の男をじっと見つめる。

(一か八か!)

「あと、武器の『杖』と『馬』のスキルを私に下さい!」

 私の声が部屋中に響いた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約者に逃げられて精霊使いになりました〜私は壁でありたいのに推しカプが私を挟もうとします。〜

一花カナウ
ファンタジー
結婚式まで残りひと月を控えた《私》は買い物のために街へ。 そこで露天商に絡まれ、家に忘れてきた【守り石】の代わりにと紫黄水晶のペンダントを託される。奇妙な出来事だったと思うのも束の間、本来なら街に出ないはずの魔物に遭遇。生命の危機を前に《私》は精霊使いとして覚醒し、紫黄水晶からアメシストとシトリンというふたりの鉱物人形を喚び出すのだった。 これは《強靭な魔力を持つために生贄となる運命を背負った聖女》と彼女を支えるために生み出された美しい兵器《鉱物人形》の物語。 ※カクヨムでも掲載中。以降、ノベルアップ+、ムーンライトノベルズでも公開予定。 ※表紙は仮です(お絵描きの気力が尽きました) 右から、アメシスト、ジュエル、シトリンです。 ※イチャイチャは後半で

【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜
ファンタジー
 のんびり、マイペース、気まぐれ。一緒にいると気が抜けるけど超絶イケメン。  俺は桜井渚。高校二年生。趣味は寝ることと読書。夏の海で溺れた幼い弟を助けて死にました。終わったなーと思ったけど目が覚めたらなんか見知らぬ土地にいた。土地?というか水中。あの有名な異世界転生したんだって。ラッキーだね。俺は精霊王に生まれ変わった。  めんどくさいことに精霊王って結構すごい立場らしいんだよね。だけどそんなの関係ない。俺は気まぐれに生きるよ。精霊の一生は長い。だから好きなだけのんびりできるはずだよね。……そのはずだったのになー。  のんびり、マイペース、気まぐれ。ついでに面倒くさがりだけど、心根は優しく仲間思い。これは前世の知識と容姿、性格を引き継いで相変わらずのんびりライフを送ろうとするも、様々なことに巻き込まれて忙しい人生を送ることになる一人の最強な精霊王の物語。 ※誤字脱字などありましたら報告してくださると助かります! ※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!

【完結】今まで何度裏切ったのか覚えていないのですか?

白草まる
恋愛
家柄だけは立派だが浪費癖があり散財を繰り返すフーベルト。 婚約者であるルイーゼは何度も反省を促してきたが無駄だった。 それどことかフーベルトは新たな問題を引き起こした。 ついに我慢の限界を迎えたルイーゼは婚約破棄を決意した。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

幸せな帝国生活 ~「失敗作」と呼ばれていた王女、人質として差し出された帝国で「最重要人物」に指定される~

絢乃
恋愛
魔力が低いと蔑まれ「失敗作」扱いだった王女ソフィアは、人質として宗主国の帝国に送られる。 しかし、実は彼女の持つ魔力には魔物を追い払う特殊な属性が備わっていた。 そのことに気づいた帝国の皇太子アルトは、ソフィアに力を貸してほしいと頼む。 ソフィアは承諾し、二人は帝国の各地を回る旅に出る――。 もう失敗作とは言わせない! 落ちこぼれ扱いされていた王女の幸せな帝国生活が幕を開ける。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M
ファンタジー
元日本人の俺は転生勇者として異世界で魔王との戦闘の果てに仲間の裏切りにより命を落とす。 次に目を覚ますと再び赤ちゃんになり二度目の転生をしていた。 生まれた先は下級貴族の五男坊。周りは貴族至上主義、人間族至上主義のクズばかり。 …決めた。最悪、この国をぶっ壊す覚悟で元勇者の力を使おう…と。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しています。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

処理中です...