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銀髪と緋色の瞳の聖女と仲間達

旅立ちとテント

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「ハル失礼します」

 平常心を取り戻したフィルシアールが春を抱き寄せたので春はビクッと身体をこばらせる。

(えっ、何っ!?)



 春の視界がぐらっと大きく歪んでいき、その歪みが収まると2人はに居た。

(な、なんだ…テレポートか…
 はじめてじゃないけど、前世わたしもこの歪むかんかくが苦手だった…)

 ふら ふらっと揺れる春を見てフィルシアールは、

「すみません。
 時間がないので…」

 春を支えながら目的の場所へ急ぐ、厩舎を出で直ぐ近くにある門の近くの木に綺麗な青い瞳の白馬が繋がれていた。

 フィルシアールはその白馬に乗ると同時に春を優しく包み込む様に風がおき、ふわっと体が浮かび上がるとフィルシアールの前に春を運ぶ。

(えっ、ちょっと)

 どこからどう見ても後ろから抱きしめてる様な体制に、

(こ…コレって)

 春がカチン コチンに固まる。

「走るので気を付けて下さいね」

(2人乗りー!!)

 春の心の叫びに気付かないままフィルシアールは白馬を平野そとへ走らせて行く。







 どのくらい走っただろうか、春達はとある森林の中で、やっと地に足が着いた。

(つ…疲れた)

 春はぐったりと木にもたれ掛かっているとフィルシアールが、

「ハル水です。
 飲んで」

 魔法で出した水を春の口元へ差し出す。

(…フィル君はなんだ。
 これでも持っていたら…だなぁ)

 そう思いながら春はごっくんと水を飲み込んだ。
 ほんの少しだけ落ち着いた春を見てフィルシアールはほっとしながらも、

召喚当日きょうはかなり遅いので、もう休みましょう」

 とても申し訳なさそうにそう言うと、自分の魔法鞄マジックバックを開けて【テント】をタッチすると、


 ボッフーーーーーーーーーーーーーン‼︎


 チューリップや百合、野ばらに桜など色んな花が咲き乱れている広い庭とその奥にヨーロッパ風のとても可愛いが立っていた。

 (前世むかしだったよっ!!)

 春はテントの進化?に困惑して、

「家なんですね」

 そう呟くとフィルシアールはにっこりと微笑んで、

「昔使用したつかった時がとても大変だったので改良しました」

(あ!
 フィル君も怒ると笑顔になる人なんだ)

 春がフィルシアールを見つめていると、

「ハル?」

 不思議そうに顔を傾けるフィルシアールの仕草に春は、

(やっぱりフィル君ってイグニに似てる)

 そう思うのは何度目だろうか。





 こうしてわたしの2度目の異世界は幕を開けたのだった。
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