魔王を"封印"した聖女の生まれ変わりはまた聖女でした!

此花チリエージョ

文字の大きさ
上 下
9 / 52
銀髪と緋色の瞳の聖女と仲間達

入浴と…

しおりを挟む
 真っ暗な月明かりだけが差し込む部屋の片隅に、淡い白とピンクの天蓋が付いてる豪華な大きなベットの中で

(やっとひとりになれたぁ)

 春はぐったりしていた。

(夕食まではよかったんだけどなぁ)

 問題はだった。

 5人の侍女が付き従い

 洋服ふくを自分で着替えることも出来ず(自分で出来るって言ったのに)

 頭や体も誰かに洗われて(ひとりで出来るのに…)

 アロマなどを使った全身マッサージ(これは気持ちよかった)

 入浴中もひたすら世話をやかれ(ひとりになりたかった)

 前世まえ以上に誰か居る状態でちっともゆっくり出来なかった!

(このまま寝たいけど)時計を確認すると、時間は23時35分を指していた。

(の時間まで30分もない)

 春はベッドから起き上がりで受けた指示通りに動きはじめた。

『部屋のベットの下に魔法鞄マジックバックがあります』

 ベットの下を覗くと暗めの茶色のがあった。

(あったコレだ)

 魔法鞄マジックバックを掴むとベットの上に取り出して、魔法鞄マジックバックのフタを開けるとブンッとゲームのアイテム一覧の様な画面が表示された。

 魔法鞄マジックバックは異空間を創る事が出来る“空間スキル”の【技術スキル】を宿した、上限なくなんでも入る魔法道具マジックアイテムだ。

(えーとポーション、MPポーション、エリクサーにテント…)

 春は中身を確認しながら画面をスライドさせていく

(中身は…旅に必要な物ばかり)

 これからの旅に出るから必要だけれども

(こんなこそこそするのは何で?)

 疑問に思いながらもスクロールしていくと

(あった!)

 目的の物を見つけて画面をタッチすると空中にパアッと洋服や靴が出て来た。

『その中に入っている洋服に着替えて、寝たフリをして僕が来るのを持ってて下さい。
 深夜0時に迎えに行きます』

 春がネグリジェを脱ぎ下着だけの姿になった時

「ハル、お待たせ…」

 まだ約束の時間の15なのにフィルシアールが姿を現して、お互いの状況が飲み込めず固まった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!

伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。 いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。 衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!! パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。  *表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*  ー(*)のマークはRシーンがあります。ー  少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。  ホットランキング 1位(2021.10.17)  ファンタジーランキング1位(2021.10.17)  小説ランキング 1位(2021.10.17)  ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。 国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。 溺愛する女性がいるとの噂も! それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。 それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから! そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー 最後まで書きあがっていますので、随時更新します。 表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

処理中です...