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行方不明王女とレリルール学園
妖精の大宴会ボックス
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パタパタと羽音が聞こえる。
「ん」
アウラは羽音に誘われるように重い瞳をあける。
淡い紫苑色の瞳にイラストのような瑠璃色の蝙蝠が映る。
「ルシオラからっ」
アウラがガバッとベットから起き上がり、瑠璃色の蝙蝠に触れると【蝙蝠手紙】の便箋がアウラの手元へ滑り落ちる。
ーアウラへー
おはよう。
今日で個別授業最終日だね。
大広間で待ってる。
ールシオラよりー
いつも通り短文の手紙を読んだアウラは急いで未記入の【蝙蝠手紙】の便箋を持つとペンを走らせる。
ールシオラへー
ルシオラおはよう。
とてもいい天気だから、今日の昼食は購買でランチボックスを買って外の湖でランチしよう。またあとでね。
ーアウラよりー
アウラがそう記入し終わると【蝙蝠手紙】はイラストのような漆黒色の蝙蝠に変身してパタパタと男子寮のほうへ飛んで行く。
その姿を確認したアウラは青色のストールを頭から被り、窓をガチャっと音をたてて開けると優しい朝日が部屋の中へ差し込む。
「ん~」
アウラは背伸びをして、準備をするためにシャワールームへ急ぐ。
ーーーー
男子寮。
ルシオラとフィリオの部屋に漆黒色の蝙蝠が真っ白なシャツと黒いスラックスに着替え終えて、共同スペースでフィリオと一緒に紅茶を飲んでいるルシオラの元へ飛んで来る。
「アウラからだ」
ルシオラがそう呟くと漆黒色の蝙蝠に触れて、アウラからの手紙を読む。
(手紙送ったのさっきなのに返信早いな)
「アウラなんて?」
フィリオはそう思いつつも手紙の内容は気になり紅茶を一口飲んでからルシオラに問いかける。
「今日の昼食、湖で一緒に食べようって」
「購買のランチボックス買うなら、妖精の大宴会ボックスがおすすめだよ。
サンドイッチだけじゃなく、唐揚げやポテトサラダにおにぎりも入っているから」
午後の授業中にお腹減らないよと、フィリオはそう付け足すが、妖精の大宴会ボックスは4人分の量があった。
(そんなに食べれない)
「け、結構食べるんだね」
「普通じゃない?」
(この身体のどこに吸収されてるんだ)
ルシオラはフィリオの細い身体と食欲を比べると不思議で仕方なかった。
ーーーー
チチチッ
アウラとルシオラは午前中のロイザ学園長の授業を終えると、学園の敷地内にある人気が少ない湖の芝生にシートを広げ、水筒と購買で買った妖精のおにぎりボックス(1人分)と妖精のサンドイッチボックス(1人分)を置いてる。
「はい。今日はホウジチャだよ」
「ありがとう」
アウラがプラスチックのコップにホウジチャを注ぐとルシオラに渡す。自身のコップにも注ぐと一口飲んでから湖を眺める。光に照らされて湖面が輝く。
「よく湖見つけたよね」
「フィリアに教えてもらったの。デー…、素敵な場所だって!」
「そうなんだ」
ルシオラはそう呟くとシャケおにぎりを頬張る。
この湖は学園の敷地内にあるが、校舎から離れていて移動も大変なので、恋人と2人の時間を楽しみたいカップル以外は誰も寄り付かない。
「食堂のキッチンを借りて作ったの」
昼食を食べ終わったあと、アウラはゴマとチョコチップの2種類のクッキーをシートの上に置く。
「美味しい!」
ルシオラはカリッとゴマクッキーをアウラはチョコチップクッキーを齧る。
午後の授業までのんびりと静かに過ごしていると、
「カァ!カァァ‼︎カァーーーー‼︎‼︎」
上空から聞き覚えがある鳴き声が響いた。
「ん」
アウラは羽音に誘われるように重い瞳をあける。
淡い紫苑色の瞳にイラストのような瑠璃色の蝙蝠が映る。
「ルシオラからっ」
アウラがガバッとベットから起き上がり、瑠璃色の蝙蝠に触れると【蝙蝠手紙】の便箋がアウラの手元へ滑り落ちる。
ーアウラへー
おはよう。
今日で個別授業最終日だね。
大広間で待ってる。
ールシオラよりー
いつも通り短文の手紙を読んだアウラは急いで未記入の【蝙蝠手紙】の便箋を持つとペンを走らせる。
ールシオラへー
ルシオラおはよう。
とてもいい天気だから、今日の昼食は購買でランチボックスを買って外の湖でランチしよう。またあとでね。
ーアウラよりー
アウラがそう記入し終わると【蝙蝠手紙】はイラストのような漆黒色の蝙蝠に変身してパタパタと男子寮のほうへ飛んで行く。
その姿を確認したアウラは青色のストールを頭から被り、窓をガチャっと音をたてて開けると優しい朝日が部屋の中へ差し込む。
「ん~」
アウラは背伸びをして、準備をするためにシャワールームへ急ぐ。
ーーーー
男子寮。
ルシオラとフィリオの部屋に漆黒色の蝙蝠が真っ白なシャツと黒いスラックスに着替え終えて、共同スペースでフィリオと一緒に紅茶を飲んでいるルシオラの元へ飛んで来る。
「アウラからだ」
ルシオラがそう呟くと漆黒色の蝙蝠に触れて、アウラからの手紙を読む。
(手紙送ったのさっきなのに返信早いな)
「アウラなんて?」
フィリオはそう思いつつも手紙の内容は気になり紅茶を一口飲んでからルシオラに問いかける。
「今日の昼食、湖で一緒に食べようって」
「購買のランチボックス買うなら、妖精の大宴会ボックスがおすすめだよ。
サンドイッチだけじゃなく、唐揚げやポテトサラダにおにぎりも入っているから」
午後の授業中にお腹減らないよと、フィリオはそう付け足すが、妖精の大宴会ボックスは4人分の量があった。
(そんなに食べれない)
「け、結構食べるんだね」
「普通じゃない?」
(この身体のどこに吸収されてるんだ)
ルシオラはフィリオの細い身体と食欲を比べると不思議で仕方なかった。
ーーーー
チチチッ
アウラとルシオラは午前中のロイザ学園長の授業を終えると、学園の敷地内にある人気が少ない湖の芝生にシートを広げ、水筒と購買で買った妖精のおにぎりボックス(1人分)と妖精のサンドイッチボックス(1人分)を置いてる。
「はい。今日はホウジチャだよ」
「ありがとう」
アウラがプラスチックのコップにホウジチャを注ぐとルシオラに渡す。自身のコップにも注ぐと一口飲んでから湖を眺める。光に照らされて湖面が輝く。
「よく湖見つけたよね」
「フィリアに教えてもらったの。デー…、素敵な場所だって!」
「そうなんだ」
ルシオラはそう呟くとシャケおにぎりを頬張る。
この湖は学園の敷地内にあるが、校舎から離れていて移動も大変なので、恋人と2人の時間を楽しみたいカップル以外は誰も寄り付かない。
「食堂のキッチンを借りて作ったの」
昼食を食べ終わったあと、アウラはゴマとチョコチップの2種類のクッキーをシートの上に置く。
「美味しい!」
ルシオラはカリッとゴマクッキーをアウラはチョコチップクッキーを齧る。
午後の授業までのんびりと静かに過ごしていると、
「カァ!カァァ‼︎カァーーーー‼︎‼︎」
上空から聞き覚えがある鳴き声が響いた。
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