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シャーレイ〜親友との出会い⑴〜
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窓に差し込む光を感じて、オズウェルは瞼を持ち上げた。暫くまどろんで、大きく深呼吸しベッドから起き上がった。窓を開け、朝の澄んだ空気を吸いながら大きく伸びをする。
窓を閉めて、今度は身支度をする。
おろしてた長い髪を三つ編みに結いなおし、服を着替え、部屋を出る。
階段を下りていくと鼻腔を擽る美味しそうな香りが漂ってきた。
自然と顔がほころび、足取りが早くなる。
下の階に入り、オズウェルは笑顔で挨拶をした。
「おはようございます。オステリーアさん。良い香りですね。」
「あら、おはよう。早いのね。もうすぐでできるから座って待ってて頂戴。」
「はい。ありがとうございます。」
手近な椅子に腰かけ、周りを見渡す。まだオズウェルとオステリーア以外は起きていないようだ。
視線をずらし、オステリーアを見る。手慣れた手つきで食事を作る様子に思わず見とれてしまう。
あっという間に完成し、ホカホカと湯気を立てた料理が運ばれてくる。
「お待ちどうさま。ブットの香草グリルよ。」
「美味しそうです。この香草って昨日私が採ったテムス草ですか?」
「そうよ。匂い消しにも使えるからいいわよ。いろいろな料理に使われるわ。」
香草と魚の焼けた香ばしい匂いが鼻腔を満たす。お腹の虫が鳴り始め、フォークを手に取った。
「いただきます。」
一口頬張ると魚の淡白な味わいとテムス草の清涼感が押し寄せてくる。二つの完璧なバランスにほうと息を吐いた。
「とてもおいしいです!」
「それは良かったわ。ゆっくり召し上がって頂戴。」
そうオステリーアは微笑むと、またキッチンの方へ向かって行った。他の旅人の食事の準備でもするのだろう。
オズウェルはもう料理に夢中になった。
味わいながらもあっという間に平らげてしまった。食べ終わるころには、ほかの旅人もちらほらと降りてきてオステリーアの料理に舌鼓を打っていた。
その人たちを横目に見ながら、オズウェルは食器をキッチンへと運ぶ。
「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです。」
「あら、ありがとう。良かったわ。そうだ、今日の予定はもう決まってる?」
「いいえ。これから何しようかと考えていたところです。」
「そうなの。ちょっと良かったらお使い頼まれてくれないかしら?」
「もちろんいいですよ。何でしょう。」
「ちょっとレーヴン市場に行ってきてミルクと小麦を5つずつ買ってきてほしいの。」
「わかりました。行ってきます。」
「お願いね。」
オズウェルがレーヴン市場につくと、そこはもう国民でごった返していた。呼び込みを行う店員の姿もあり、大層にぎやかだ。
これは目的の店に行くのさえ苦労しそうだ、とオズウェルは気合を入れて人ごみに紛れる。
昨日エドワードにあらかた店は教えてもらっていたが、流石に細かいところまで覚えられていない。確認しながら行くしかなさそうだ。
そうして一つ一つの店を確認しながら進んでいたのがいけなかった。前方への注意がおろそかになり、ぶつかってしまった。
「きゃっ。あ、すいません。大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、こちらこそごめんなさい。」
ぶつかったのは少し年上の女性だった。艶やかな緑青の髪を長く垂らしている。目は細く、一見すると開いてるかわからない。表情も乏しく、正直何を考えているかわからない人であった。
「すいません、よそ見しちゃって………。」
「あたしもよく見ていなかったし気にしないで。何かお買い物?」
「あ、そうなんです。ミルクと小麦を探してて。」
「そうなのね、それらを売ってるお店はこっちよ。案内してあげるわ。」
「え、良いんですか?貴方も何か買うものがあったんじゃないんですか?」
「ちょっとお散歩がてら寄っただけだから大丈夫よ。ぶつかったお詫びだと思って。」
そう言い、ふっと笑った。傍目にみれば微かに口角が上がっただけだが、オズウェルは眦が下がり、ほんのり頬が赤く染まったのを見て、かわいらしい人だと思った。
「そういうことなら……お願いします。」
「ええ、それじゃついて来て。」
彼女のおかげですぐに店にたどり着くことができた。一人だったら人々に押し流されてもっと時間がかかっていただろう。
「着いたわ。ここで買えるわよ。」
「ありがとうございます。」
「いらっしゃい。なにか欲しいものはあるかい?」
「ミルクと小麦を5個ずつください。」
「はい、毎度ありがとう。」
紙袋2つ分一杯になったものを受け取る。なんとか受け取ったが、流石に重い。
「ずいぶん多いのね。」
「はい、オステリーアさんのお使いなので。」
「そうだったの。それじゃあ一つ持つわ。」
「え、そんな道案内までしてもらったのに悪いですよ。」
「ここまで来て遠慮なんてしなくていいの。ほら貸して。」
いうが早いか、片方の紙袋を取ってしまった。
「さ、行きましょう!」
「あ、ありがとうございます。」
レーヴン市場から酒場への道のりは短い。それでも彼女は色々とオズウェルに質問してきた。
主に旅のことについての質問が多かった。ぐいぐい来るが不思議と嫌な感じはしない。
そんなこんなで酒場についてしまった。彼女が扉を開けてくれたのにお礼を言い、酒場に入る。
「おかえりなさい。結構重かったでしょう。大丈夫………だったみたいね。」
「はい、通りすがりなのにお手伝いしてくれて。」
オステリーアはオズウェルの後ろにいる彼女に目を止めて笑った。
「二人ともありがとう。お茶を入れてあげるわ。」
「「ありがとうございます。」」
オステリーアの入れたお茶を楽しみながら二人は会話する。
「自己紹介が遅れたわね。私はアラナ・グリーンよ。よろしくね。」
「わたしはオズウェル・ソディーです。こちらこそよろしくお願いします、アラナさん。」
「アラナでいいわよ。あたしもオズウェルって呼ばせてもらうわね。」
「はい、じゃあアラナちゃんで。」
「敬語もいいわよ。あたしたち仲良くなれそうだもの!」
初めて会ってからたいして時間が経っていないのにそう言い切れるのに驚いた。
「そ、そう……?」
「ええ!よくわかんないけどそんな感じがするわ。」
椅子から身を乗り出しながら言うアラナ。若干気圧されたオズウェルだが、アラナの先ほどとは違う生き生きとした表情を見て、笑った。
「ええ、そうね。わたしもそんな気がしてきたわ」
そして握手をする二人。ふふ、お互い照れ臭そうに笑いあった。
「ふふ、なんだか楽しそうね。」
「あ、オステリーアさん。」
オステリーアの登場にぱっと手を離す二人。それをほほえましく見守るオステリーアは、なにかを思いついたようにぽんと手を叩いた。
「そうだ、より親睦を深めるために採取に行ってみたらどう?」
「採取ですか?」
「そうよ。このプリローザ王国は自然豊かな国だから、昨日のテムス草やピペルの実以外にも色々取れるわ。」
「そうなんですね。」
二人のやり取りを見ていたアラナは、オステリーアに同意する。
「いいわね!行きましょうよ!」
「そうだね、行こう!」
「行ってらっしゃい。モンスターも出ることあるから気を付けるのよ。」
「はい分かりました!行ってきます。」
オステリーアに手を振り、二人は揃って酒場を出て行く。
オステリーアも手を振り返しながら二人がより仲良くなって帰ってくることを確信して微笑んだ。
窓を閉めて、今度は身支度をする。
おろしてた長い髪を三つ編みに結いなおし、服を着替え、部屋を出る。
階段を下りていくと鼻腔を擽る美味しそうな香りが漂ってきた。
自然と顔がほころび、足取りが早くなる。
下の階に入り、オズウェルは笑顔で挨拶をした。
「おはようございます。オステリーアさん。良い香りですね。」
「あら、おはよう。早いのね。もうすぐでできるから座って待ってて頂戴。」
「はい。ありがとうございます。」
手近な椅子に腰かけ、周りを見渡す。まだオズウェルとオステリーア以外は起きていないようだ。
視線をずらし、オステリーアを見る。手慣れた手つきで食事を作る様子に思わず見とれてしまう。
あっという間に完成し、ホカホカと湯気を立てた料理が運ばれてくる。
「お待ちどうさま。ブットの香草グリルよ。」
「美味しそうです。この香草って昨日私が採ったテムス草ですか?」
「そうよ。匂い消しにも使えるからいいわよ。いろいろな料理に使われるわ。」
香草と魚の焼けた香ばしい匂いが鼻腔を満たす。お腹の虫が鳴り始め、フォークを手に取った。
「いただきます。」
一口頬張ると魚の淡白な味わいとテムス草の清涼感が押し寄せてくる。二つの完璧なバランスにほうと息を吐いた。
「とてもおいしいです!」
「それは良かったわ。ゆっくり召し上がって頂戴。」
そうオステリーアは微笑むと、またキッチンの方へ向かって行った。他の旅人の食事の準備でもするのだろう。
オズウェルはもう料理に夢中になった。
味わいながらもあっという間に平らげてしまった。食べ終わるころには、ほかの旅人もちらほらと降りてきてオステリーアの料理に舌鼓を打っていた。
その人たちを横目に見ながら、オズウェルは食器をキッチンへと運ぶ。
「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです。」
「あら、ありがとう。良かったわ。そうだ、今日の予定はもう決まってる?」
「いいえ。これから何しようかと考えていたところです。」
「そうなの。ちょっと良かったらお使い頼まれてくれないかしら?」
「もちろんいいですよ。何でしょう。」
「ちょっとレーヴン市場に行ってきてミルクと小麦を5つずつ買ってきてほしいの。」
「わかりました。行ってきます。」
「お願いね。」
オズウェルがレーヴン市場につくと、そこはもう国民でごった返していた。呼び込みを行う店員の姿もあり、大層にぎやかだ。
これは目的の店に行くのさえ苦労しそうだ、とオズウェルは気合を入れて人ごみに紛れる。
昨日エドワードにあらかた店は教えてもらっていたが、流石に細かいところまで覚えられていない。確認しながら行くしかなさそうだ。
そうして一つ一つの店を確認しながら進んでいたのがいけなかった。前方への注意がおろそかになり、ぶつかってしまった。
「きゃっ。あ、すいません。大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、こちらこそごめんなさい。」
ぶつかったのは少し年上の女性だった。艶やかな緑青の髪を長く垂らしている。目は細く、一見すると開いてるかわからない。表情も乏しく、正直何を考えているかわからない人であった。
「すいません、よそ見しちゃって………。」
「あたしもよく見ていなかったし気にしないで。何かお買い物?」
「あ、そうなんです。ミルクと小麦を探してて。」
「そうなのね、それらを売ってるお店はこっちよ。案内してあげるわ。」
「え、良いんですか?貴方も何か買うものがあったんじゃないんですか?」
「ちょっとお散歩がてら寄っただけだから大丈夫よ。ぶつかったお詫びだと思って。」
そう言い、ふっと笑った。傍目にみれば微かに口角が上がっただけだが、オズウェルは眦が下がり、ほんのり頬が赤く染まったのを見て、かわいらしい人だと思った。
「そういうことなら……お願いします。」
「ええ、それじゃついて来て。」
彼女のおかげですぐに店にたどり着くことができた。一人だったら人々に押し流されてもっと時間がかかっていただろう。
「着いたわ。ここで買えるわよ。」
「ありがとうございます。」
「いらっしゃい。なにか欲しいものはあるかい?」
「ミルクと小麦を5個ずつください。」
「はい、毎度ありがとう。」
紙袋2つ分一杯になったものを受け取る。なんとか受け取ったが、流石に重い。
「ずいぶん多いのね。」
「はい、オステリーアさんのお使いなので。」
「そうだったの。それじゃあ一つ持つわ。」
「え、そんな道案内までしてもらったのに悪いですよ。」
「ここまで来て遠慮なんてしなくていいの。ほら貸して。」
いうが早いか、片方の紙袋を取ってしまった。
「さ、行きましょう!」
「あ、ありがとうございます。」
レーヴン市場から酒場への道のりは短い。それでも彼女は色々とオズウェルに質問してきた。
主に旅のことについての質問が多かった。ぐいぐい来るが不思議と嫌な感じはしない。
そんなこんなで酒場についてしまった。彼女が扉を開けてくれたのにお礼を言い、酒場に入る。
「おかえりなさい。結構重かったでしょう。大丈夫………だったみたいね。」
「はい、通りすがりなのにお手伝いしてくれて。」
オステリーアはオズウェルの後ろにいる彼女に目を止めて笑った。
「二人ともありがとう。お茶を入れてあげるわ。」
「「ありがとうございます。」」
オステリーアの入れたお茶を楽しみながら二人は会話する。
「自己紹介が遅れたわね。私はアラナ・グリーンよ。よろしくね。」
「わたしはオズウェル・ソディーです。こちらこそよろしくお願いします、アラナさん。」
「アラナでいいわよ。あたしもオズウェルって呼ばせてもらうわね。」
「はい、じゃあアラナちゃんで。」
「敬語もいいわよ。あたしたち仲良くなれそうだもの!」
初めて会ってからたいして時間が経っていないのにそう言い切れるのに驚いた。
「そ、そう……?」
「ええ!よくわかんないけどそんな感じがするわ。」
椅子から身を乗り出しながら言うアラナ。若干気圧されたオズウェルだが、アラナの先ほどとは違う生き生きとした表情を見て、笑った。
「ええ、そうね。わたしもそんな気がしてきたわ」
そして握手をする二人。ふふ、お互い照れ臭そうに笑いあった。
「ふふ、なんだか楽しそうね。」
「あ、オステリーアさん。」
オステリーアの登場にぱっと手を離す二人。それをほほえましく見守るオステリーアは、なにかを思いついたようにぽんと手を叩いた。
「そうだ、より親睦を深めるために採取に行ってみたらどう?」
「採取ですか?」
「そうよ。このプリローザ王国は自然豊かな国だから、昨日のテムス草やピペルの実以外にも色々取れるわ。」
「そうなんですね。」
二人のやり取りを見ていたアラナは、オステリーアに同意する。
「いいわね!行きましょうよ!」
「そうだね、行こう!」
「行ってらっしゃい。モンスターも出ることあるから気を付けるのよ。」
「はい分かりました!行ってきます。」
オステリーアに手を振り、二人は揃って酒場を出て行く。
オステリーアも手を振り返しながら二人がより仲良くなって帰ってくることを確信して微笑んだ。
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