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8人目-今帰ったよ
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これは小学生の時に、
田舎のおばあちゃんの家に遊びに行った
夏休みの事である
都会とはまた違い
のどかな風景と
新鮮な空気が美味しい緑豊かな所だ
冷やしてもらったスイカを食べながら
縁側で花火をしたりした
川で冷やしたスイカ
冷たく暑い夏には最高だった
風鈴が夜風に揺れ
夏ならではの音を鳴らしている
都会ではなかなか聞かない夏の風物詩だ
9時をすぎる辺りには
都会とは違いネオンが無い為かいつもより
夜が深い気がする
虫除けの蚊帳の中に布団を引き横になった
いつの間に寝てしまったのだろうか
静まり返った部屋に虫の鳴き声が響く
トントンっ
トントンっ
あれ?
真夜中なのに誰か来たのかな....
耳を澄ましてみると
「今帰ったよ 開けて
今帰ったよ」
聞き覚えのある声が聞こえてきた
従兄弟のお兄ちゃんだ
いつも田舎に来ると
自分の世話をし何かと遊んでくれる
従兄弟のお兄ちゃんが大好きだった
真っ暗な廊下を進み玄関へと向かう
ぽぉっと月明かりに照らされ
玄関越しにシルエットが映し出されている
「今帰ったよ 開けてくれよ 今帰ったよ」
子供だった私はなんの疑いもせず
開けてあげようと
玄関の扉に手をかけようとした
「開けるな!布団に戻りなさい!」
そこにはいつの間にかおばあちゃんが立っていた
いつも優しいおばあちゃん¨̮が怒っている様子は子供ながらに怖く
大人しく布団に戻った
なんで開けちゃダメなんだろ...お兄ちゃんが帰ってきてんのに
ふと疑問に思ったが
布団に入るとまた深い眠りへと落ちていった
朝起きるとお母さんとおばあちゃんが朝ごはんを作ってくれていた
昨日のことはすっかり忘れてしまっていた
田舎を満喫し
昼間いっぱい遊んだからか
遊び疲れていつの間にか
居眠りしてしまっていた
まだ夕方くらいだろうか
テーブルの上に手紙が置かれている
{町内の集まりに少しでかけてくる
7時過ぎには戻るから
留守の間お願いね}
そういえば言ってたなぁと思いながら
冷蔵庫に冷やしてあったスイカを持ち出して食べはじめた。
みんなが帰ってくるまでまだ時間がある
探索するかのように家の中をグルグル回ってみる事にした
田舎のおばあちゃん家の探索
妙にワクワクする
ひと通りぐるぐる周り
納戸を見てみようかなぁと
思ったその時だった
玄関の方から
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
急に昨日の記憶が鮮明に蘇って来た
玄関まで引き寄せられるようにやってきたが
開けちゃいけない
おばあちゃんのあの一言が気になって
扉を開けるのを躊躇した
「今帰ったよ 開けて今帰ったよ」
月明かりに照らされたシルエットが何だか不気味に感じる
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
聞き覚えのあるお兄ちゃんの声である事は間違い無いのだが
壊れたテープ音のように
同じ言葉を繰り返している
単調な喋り方が
不気味で徐々に恐怖が増していく
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
恐怖のあまりしゃがみ込み耳を塞いでじっと耐えるしかなかった
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
ガラっ!
顔をあげると
町内の集まりに行ってたみんながそこに居た
「何やってんの?玄関なんかに座り込んじゃって」
気付いたら一時間近くそこに座り込んでいたようだ
私は泣きながら先ほどのことを必死で説明した
「寝ぼけてたんじゃないの?」と言われたが
あんなリアルなのは
夢だとは到底思えなかった
従姉妹のお兄ちゃんは
体調が悪く病院に入院しているそうだ
だから家に勝手に帰ってくるなんてありえないと言われた
今でもたまに思い出し
夜中の訪問者は苦手である
田舎のおばあちゃんの家に遊びに行った
夏休みの事である
都会とはまた違い
のどかな風景と
新鮮な空気が美味しい緑豊かな所だ
冷やしてもらったスイカを食べながら
縁側で花火をしたりした
川で冷やしたスイカ
冷たく暑い夏には最高だった
風鈴が夜風に揺れ
夏ならではの音を鳴らしている
都会ではなかなか聞かない夏の風物詩だ
9時をすぎる辺りには
都会とは違いネオンが無い為かいつもより
夜が深い気がする
虫除けの蚊帳の中に布団を引き横になった
いつの間に寝てしまったのだろうか
静まり返った部屋に虫の鳴き声が響く
トントンっ
トントンっ
あれ?
真夜中なのに誰か来たのかな....
耳を澄ましてみると
「今帰ったよ 開けて
今帰ったよ」
聞き覚えのある声が聞こえてきた
従兄弟のお兄ちゃんだ
いつも田舎に来ると
自分の世話をし何かと遊んでくれる
従兄弟のお兄ちゃんが大好きだった
真っ暗な廊下を進み玄関へと向かう
ぽぉっと月明かりに照らされ
玄関越しにシルエットが映し出されている
「今帰ったよ 開けてくれよ 今帰ったよ」
子供だった私はなんの疑いもせず
開けてあげようと
玄関の扉に手をかけようとした
「開けるな!布団に戻りなさい!」
そこにはいつの間にかおばあちゃんが立っていた
いつも優しいおばあちゃん¨̮が怒っている様子は子供ながらに怖く
大人しく布団に戻った
なんで開けちゃダメなんだろ...お兄ちゃんが帰ってきてんのに
ふと疑問に思ったが
布団に入るとまた深い眠りへと落ちていった
朝起きるとお母さんとおばあちゃんが朝ごはんを作ってくれていた
昨日のことはすっかり忘れてしまっていた
田舎を満喫し
昼間いっぱい遊んだからか
遊び疲れていつの間にか
居眠りしてしまっていた
まだ夕方くらいだろうか
テーブルの上に手紙が置かれている
{町内の集まりに少しでかけてくる
7時過ぎには戻るから
留守の間お願いね}
そういえば言ってたなぁと思いながら
冷蔵庫に冷やしてあったスイカを持ち出して食べはじめた。
みんなが帰ってくるまでまだ時間がある
探索するかのように家の中をグルグル回ってみる事にした
田舎のおばあちゃん家の探索
妙にワクワクする
ひと通りぐるぐる周り
納戸を見てみようかなぁと
思ったその時だった
玄関の方から
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
急に昨日の記憶が鮮明に蘇って来た
玄関まで引き寄せられるようにやってきたが
開けちゃいけない
おばあちゃんのあの一言が気になって
扉を開けるのを躊躇した
「今帰ったよ 開けて今帰ったよ」
月明かりに照らされたシルエットが何だか不気味に感じる
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
聞き覚えのあるお兄ちゃんの声である事は間違い無いのだが
壊れたテープ音のように
同じ言葉を繰り返している
単調な喋り方が
不気味で徐々に恐怖が増していく
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
恐怖のあまりしゃがみ込み耳を塞いでじっと耐えるしかなかった
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
「今帰ったよ 開けて 今帰ったよ」
ガラっ!
顔をあげると
町内の集まりに行ってたみんながそこに居た
「何やってんの?玄関なんかに座り込んじゃって」
気付いたら一時間近くそこに座り込んでいたようだ
私は泣きながら先ほどのことを必死で説明した
「寝ぼけてたんじゃないの?」と言われたが
あんなリアルなのは
夢だとは到底思えなかった
従姉妹のお兄ちゃんは
体調が悪く病院に入院しているそうだ
だから家に勝手に帰ってくるなんてありえないと言われた
今でもたまに思い出し
夜中の訪問者は苦手である
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