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第7章 新たな進化

78話 冒険者ギルドの態度に怒る!

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 当然だが、ヒロトシは冒険者ギルドの申し出を拒絶した。

「何でも思い通りになると思うなよ?」

「そんな風に思っては・・・・・・」

「いいか?冒険者ギルドが、王国を撤退するなら構わん!俺は個人ギルドを展開するだけだ」

「ぐっ」

「そうなった場合、今度冒険者ギルドが王国領に入れる可能性はないと思ってくれ!」

 ヒロトシの気迫に、カイル達総本部の人間は本当に不味いと思った。
 たかが個人とあなどっていたが、本気でやりかねないと伝わってきたのだ。

「本当に申し訳ありません!私達が愚かでした!」

「今さら謝罪してどうする?」

「まさか・・・・・・ヒロトシ様がそんなに怒るなんて思いもよらずすいませんでした」

 カイル達は、ヒロトシの気迫に震え上がって土下座を繰り返すしかなかった。

「いや、もう許さん!王国領の冒険者ギルドに撤退する旨を伝えろ!」

「い、いえ、私達も本気で撤退などするつもりは」

 カイル達も、王国領から撤退するつもりはなかった。ただ、冒険者ギルドが王国から撤退する脅しのつもりだった。

「できない事を平気で口にして後悔してろ!」

「すいませんでした!」

 ヒロトシは、カイル達を睨み付けていた。その空間はミルデンスやセバスでさえ、一言も発する事も出来ず一歩も動けなかった。
 そのヒロトシの気迫をまともに受け、気絶する役員もいて、ようやくミルデンスが言葉を発する事ができた。

「主君・・・・・・そ、それぐらいでもういいのではないでしょうか・・・・・・」

「んっ?」

「主君の気迫は本気じゃなくても、一般人には辛いかと思います・・・・・・」

 ヒロトシは、カイル達を睨み付けルのをやめた。すると、カイル達はヒロトシの威圧がなくなったとたん、大きく息をはきだし顔から汗が流れ出した。
 カイル達はヒロトシの視線だけで、この世のものとは思えない恐怖を感じたのだ。

「ハァハァ・・・・・・ヒロトシ様、本当に申し訳ありませんでした。我々が調子に乗りすぎました」

「お前の謝罪に価値はもうない!総本部社長の謝罪を求める!」

「なっ!」

「総本部社長はブラッドだったよな?すぐに謝罪によこせ!」

 ヒロトシはカイル達に、ブラッドを寄越すように言ったのだ。

「ちょっと待ってください!社長は忙しくてとてもじゃないですが!」

「ほう!冒険者ギルドは謝罪しないというのか?」

「そうじゃありません」

「だが、お前達は冒険者ギルドの意向を伝えて、王国から撤退をすると言っただろうが?それは、最終手段としての決定だったんだよな?」

「・・・・・・」

「違うのか?」

「いえ、そうじゃ・・・・・・・なくて、ただ、こちらの・・・・・・」

「何を言っている!はっきり喋れ!」

「ぐっ・・・・・・」

 ヒロトシの声に、カイルは言葉がでてこなかったのだ。

「撤退すると言えば、俺が言うことを聞くと思ったが当てが外れたんだよな?」

「は、はい・・・・・・」

「そんな決定は、ブラッドにしかできないだろ?だったら、ブラッドに謝罪させろ!その発言の責任をとらせてやるよ」

「そ、それは・・・・・・」

「それとも、お前達の誰かが取ると言うのか?」

 ヒロトシが、カイル達に責任を取れと言うと、首が切れるかというほど、全員が横に振ったのだ。

「責任は取らないわ、ブラッドは連れてこないわ、お前達冒険者ギルドは本当にクソだな!」

「ぐっ・・・・・・」

「しょうがない!俺が出向いてやるから案内しろ!」

「それは!」

「ブラッドが謝罪するなら、条件次第では許してやるよ」

「本当ですか?」

「ああ!」

 カイル達は、ヒロトシを冒険者総本部へと案内したのだった。そして、ヒロトシとミルデンスの二人は客室へ通された。
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