340 / 347
第7章 新たな進化
76話 ヒロトシの影響力
しおりを挟む
ところ変わって、シュガー村はその規模が様変わりしていた。ヒロトシはシュガー村の城壁でも一番高い場所から、シュガー村を見渡していた。
「旦那様?何をしているのですか?」
「ああ、セバスか?この村も大きくなったなぁーと思ってな」
「これも旦那様のおかげです。私達奴隷を救ってくださり感謝してもしきれません」
「やめろよ。俺は、セバス達を奴隷とは思ってないよ。それに、俺の方がセバス達に助けられているんだしね」
「ありがとうございます。私はもちろん、ここにいる者達全て旦那様に感謝しています」
「こちらこそありがとうな」
そこに、ヒロトシを呼びに、アヤがあわてて走ってきた。
「ご主人様ぁ~~~~~!」
「やっと、やってきたみたいだな」
「旦那様、誰がきたのかわかるのですか?」
「そりゃ、冒険者ギルド総本部の連中だよ。今やミトン支部が、冒険者ギルドの何割かの売り上げを出しているのと、あの地域のギルドも抵抗したんだ。それに加えて、聖教国本部も反抗の意思を示したんだ」
「旦那様は、事前に総本部の事を?」
「総本部の事は言ってないよ。王都の情報を流しただけだよ。最初は信じてくれなかったけどね」
「旦那様を信じなかった?」
「まぁ、しょうがないよ。俺が王都でギルドを始めると言っても、個人ギルドが成立なんかしないと心配されたからね」
「た、確かに個人ギルドなんて今までありませんからね」
ヒロトシとセバスは、シュガー村の城壁の上でアヤが走って来るのを見ていた。
時間は少し巻き戻し、冒険者ギルド総本部では、通信をミトン支部と聖教国本部から、忠告を受けて一方的に切られてしまった。
「どういう事だ!」
「カイル様、これは一体・・・・・・」
カイルは、こんな事を経験するのは初めてであった。総本部の指示にまったく従わないどころか、ヒロトシには逆らうなと忠告してきたのだ。
つまり、冒険者ギルドは王国貴族の介入を認めろと言ってきているのだ。
カイルは、通信機でオーランやガーラ支部に連絡を取った。
「こちら総本部、連絡を乞う!」
「こちらガーラ」
「こちらオーラン」
「「何かあったのですか?」」
カイルは、ミトン支部に言った事を指示した。するとオーラン支部は、ダンジョンの廃棄場で世話になっていたヒロトシに逆らうなんてあり得なかった。
「オーラン支部は、ヒロトシ様から多大な恩があるから、冒険者達がうちに来たら受け入れる」
「なんだと!」
「うちは鉱山の町だから、ヒロトシ様には屑石の処分で、多大な恩があると言っています」
「私達ガーラ支部は、塩の流通で世話になっています」
「塩の流通は、生産ギルドの領分ではないか!」
「何を言っているんですか!海の塩と山から産出される岩塩はまったく違います。冒険者ギルドがヒロトシの言う事を聞かなかったら、塩の流通が止まります」
「ぐっ!」
「止まった場合、総本部が責任をとることになるのですよ!」
「私達、オーラン支部も屑石の処分をせずに、ヒロトシ様に世話になっています!まず、この地域の町はヒロトシ様の恩恵があるので、ヒロトシ様をとらせていただきます」
「お主等正気か?それで本当にいいのか?総本部に歯向かうとどうなるか」
「「ミトン支部に何を言われましたか?」」
「なっ!」
「「我々もミトン支部と同じ意見です!」」
「話はそれだけですか?」
「ガーラも、王都の冒険者が着いたら受け入れる準備はあります!まぁ、ほとんどの冒険者はミトンの町を拠点に置くでしょうがね」
カイルは、自分の身に起こった事が本当に信じられなかった。総本部の人間の言う事を聞かず、王国貴族の言う事の方が大事だと言われて、通信を切られてしまった。
カイルは、パルラン支部にも連絡を入れたが、パルランでは、ドラゴン焼きの材料の赤豆の流通で胡椒と共に、ミトンの町といい関係にある。
ヒロトシの影響はこの地域に浸透しており、ヒロトシの言う事の方が第一であり、総本部の意向など二の次だった。
「どうなっているのだ!大陸の西側は全滅じゃないか!」
カイルは、通信室のテーブルをおもいっきり叩いた。カイルは、この事を総本部の人間に報告をして会議を開くしかなかった。
「以上が報告したとおりです」
「そんな馬鹿なことがあるのか!」
総本部のギルド総長、ブラッドはカイルの報告に目を見開き驚愕していた。カイルと同じ役員達も言葉がなかった。
「ブラッド様、このままでは冒険者ギルドの売り上げの40%はなくなるかと・・・・・・」
実質、王国領のほとんどのギルドは、ヒロトシに付き、聖教国領の冒険者ギルドも離反すると言っているのだ。
残るは、帝国領とドワーフ国領と魔人国領の3国となる。エルフ国領もあるが、エルフ国は独自の島で森林の帝国である。
人間が入れる隙はないのが現状だった。
「わ、わかった・・・・・・ヒロトシに形だけでも謝罪したらいいだろう。そして、王都のギルドは潰し、ヒロトシのギルドを吸収するしかあるまい」
「な、なるほど!そうすれば元通りに!」
「吸収してしまえば、理由をつけて頭を冒険者ギルドの人間をギルドマスターにおけばよい」
ブラッド達は、謝罪して金を積めばいいと安易に考えていた。しかし、ヒロトシをギルドに吸収させた事を後悔する事になる。
「旦那様?何をしているのですか?」
「ああ、セバスか?この村も大きくなったなぁーと思ってな」
「これも旦那様のおかげです。私達奴隷を救ってくださり感謝してもしきれません」
「やめろよ。俺は、セバス達を奴隷とは思ってないよ。それに、俺の方がセバス達に助けられているんだしね」
「ありがとうございます。私はもちろん、ここにいる者達全て旦那様に感謝しています」
「こちらこそありがとうな」
そこに、ヒロトシを呼びに、アヤがあわてて走ってきた。
「ご主人様ぁ~~~~~!」
「やっと、やってきたみたいだな」
「旦那様、誰がきたのかわかるのですか?」
「そりゃ、冒険者ギルド総本部の連中だよ。今やミトン支部が、冒険者ギルドの何割かの売り上げを出しているのと、あの地域のギルドも抵抗したんだ。それに加えて、聖教国本部も反抗の意思を示したんだ」
「旦那様は、事前に総本部の事を?」
「総本部の事は言ってないよ。王都の情報を流しただけだよ。最初は信じてくれなかったけどね」
「旦那様を信じなかった?」
「まぁ、しょうがないよ。俺が王都でギルドを始めると言っても、個人ギルドが成立なんかしないと心配されたからね」
「た、確かに個人ギルドなんて今までありませんからね」
ヒロトシとセバスは、シュガー村の城壁の上でアヤが走って来るのを見ていた。
時間は少し巻き戻し、冒険者ギルド総本部では、通信をミトン支部と聖教国本部から、忠告を受けて一方的に切られてしまった。
「どういう事だ!」
「カイル様、これは一体・・・・・・」
カイルは、こんな事を経験するのは初めてであった。総本部の指示にまったく従わないどころか、ヒロトシには逆らうなと忠告してきたのだ。
つまり、冒険者ギルドは王国貴族の介入を認めろと言ってきているのだ。
カイルは、通信機でオーランやガーラ支部に連絡を取った。
「こちら総本部、連絡を乞う!」
「こちらガーラ」
「こちらオーラン」
「「何かあったのですか?」」
カイルは、ミトン支部に言った事を指示した。するとオーラン支部は、ダンジョンの廃棄場で世話になっていたヒロトシに逆らうなんてあり得なかった。
「オーラン支部は、ヒロトシ様から多大な恩があるから、冒険者達がうちに来たら受け入れる」
「なんだと!」
「うちは鉱山の町だから、ヒロトシ様には屑石の処分で、多大な恩があると言っています」
「私達ガーラ支部は、塩の流通で世話になっています」
「塩の流通は、生産ギルドの領分ではないか!」
「何を言っているんですか!海の塩と山から産出される岩塩はまったく違います。冒険者ギルドがヒロトシの言う事を聞かなかったら、塩の流通が止まります」
「ぐっ!」
「止まった場合、総本部が責任をとることになるのですよ!」
「私達、オーラン支部も屑石の処分をせずに、ヒロトシ様に世話になっています!まず、この地域の町はヒロトシ様の恩恵があるので、ヒロトシ様をとらせていただきます」
「お主等正気か?それで本当にいいのか?総本部に歯向かうとどうなるか」
「「ミトン支部に何を言われましたか?」」
「なっ!」
「「我々もミトン支部と同じ意見です!」」
「話はそれだけですか?」
「ガーラも、王都の冒険者が着いたら受け入れる準備はあります!まぁ、ほとんどの冒険者はミトンの町を拠点に置くでしょうがね」
カイルは、自分の身に起こった事が本当に信じられなかった。総本部の人間の言う事を聞かず、王国貴族の言う事の方が大事だと言われて、通信を切られてしまった。
カイルは、パルラン支部にも連絡を入れたが、パルランでは、ドラゴン焼きの材料の赤豆の流通で胡椒と共に、ミトンの町といい関係にある。
ヒロトシの影響はこの地域に浸透しており、ヒロトシの言う事の方が第一であり、総本部の意向など二の次だった。
「どうなっているのだ!大陸の西側は全滅じゃないか!」
カイルは、通信室のテーブルをおもいっきり叩いた。カイルは、この事を総本部の人間に報告をして会議を開くしかなかった。
「以上が報告したとおりです」
「そんな馬鹿なことがあるのか!」
総本部のギルド総長、ブラッドはカイルの報告に目を見開き驚愕していた。カイルと同じ役員達も言葉がなかった。
「ブラッド様、このままでは冒険者ギルドの売り上げの40%はなくなるかと・・・・・・」
実質、王国領のほとんどのギルドは、ヒロトシに付き、聖教国領の冒険者ギルドも離反すると言っているのだ。
残るは、帝国領とドワーフ国領と魔人国領の3国となる。エルフ国領もあるが、エルフ国は独自の島で森林の帝国である。
人間が入れる隙はないのが現状だった。
「わ、わかった・・・・・・ヒロトシに形だけでも謝罪したらいいだろう。そして、王都のギルドは潰し、ヒロトシのギルドを吸収するしかあるまい」
「な、なるほど!そうすれば元通りに!」
「吸収してしまえば、理由をつけて頭を冒険者ギルドの人間をギルドマスターにおけばよい」
ブラッド達は、謝罪して金を積めばいいと安易に考えていた。しかし、ヒロトシをギルドに吸収させた事を後悔する事になる。
2
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる