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第7章 新たな進化
65話 冒険者より奴隷?
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生産ギルドに納品していた、冒険者ギルド職員が息を切らしてギルドマスターの部屋に駆け込んできた。
「ギルドマスター、緊急事態です!」
「どうした?騒がしいぞ!」
「た、大変です!生産ギルドが薬草と肉の買い取りを拒否してきました」
「な、なんだと!」
「肉の買い取りは、今の情勢ではオークの肉は更に安くしてくれと!」
「それで薬草は?」
「薬草は、冒険者の採取方法に不満を言われ、もっと丁寧に採取したものを納品しろと・・・・・・今の薬草は低品質としての評価で買い取られるそうです」
「冒険者に丁寧に採取させろと言ったのか?」
「はい・・・・・・」
「うちにそんな余裕などないのに!」
今の冒険者達は、少しでも多くの素材を集める為に、質より量という感じで薬草の採取に時間をかけて、土の中に薬草の根を残しつつギリギリの所を駆ってくる事をしていなかった。
無造作に薬草を引き千切り、地中に薬草の根を多く残し、短時間で薬草が育つようにしていた。
「それにもうひとつあり得ないことが!」
「あり得ないこと?」
「はい、ギルドカードを剥奪した元冒険者がヒロトシ様の奴隷になっていました!」
「はっ!あり得ないことがそんなことか?結局生活ができず奴隷に落ちただけじゃないか」
「違うのです。欠損は治り以前よりたくましくなって、薬草や肉を生産ギルドに卸していました」
「はぁあ!欠損が治っていただと?」
「しかも、冒険者ギルドをクビになって奴隷になった事で、今の生活の方が幸せだと!」
そこに、別の職員があわててギルドマスターの部屋に駆け込んできた。
「ギルドマスター!大変です!」
「今度はなんだ!」
「欠損した冒険者が、ギルドカードを返納しています!それにともないBランク冒険者が、薬草採取の依頼をボイコット!他の依頼を張り出せと要求しています」
「なんだと!」
「もし、要求を飲めないのであればBランク冒険者は王都からいなくなると言ってきています」
「ば、馬鹿な・・・・・・冒険者達には、薬草の採取方法を丁寧にしろと言うつもりだったのに!」
今さら、冒険者に薬草採取の依頼は受けて貰えなかった。そればかりか、通常のBランク冒険者が受けるような依頼を張り出せと言ってきているのだ。
「ギルドマスター、ギルドカードの返納はいかがしましょう?」
「欠損した冒険者は役に立たん!ギルドの恩情を無駄にしおって・・・・・・構わん!役に立たん冒険者がいなくなってお荷物が片付き清々するわ!」
「わ、わかりました。返納を受け付けます。それでBランク冒険者の方はいかがしましょう?」
「構わん!どうせ、薬草や肉が売れんのであれば、冒険者達には魔物の素材を集めさせればよい」
この判断は悪くはなかった。ただ、相手がヒロトシではなかった場合である。ギルドカードの返納をギルドが断り、冒険者達の生活を保障するのが正解だったのに、冒険者ギルドは厄介者として放り出してしまったのだ。
「本当によろしいのですね?あなた達はもう二度と冒険者ギルドに所属はできませんよ?」
「そういうのなら、冒険者ギルドが俺達の生活を保障してくれよ」
「あなた達に保証金をお支払いしたではありませんか?」
「それじゃ食っていけねぇんだ!」
「「「「「そうだ!」」」」」
「だから、俺達は冒険者ギルドを見捨てたと判断する!」
「しかし、本当ならFランクの依頼をまわすことはしないのですよ?ギルドは見捨ててなんか!」
「言い方によっては、俺達をいいように扱っているだけじゃねぇか!」
「そんなことは!」
「とにかく俺達はもう!冒険者ギルドは信用できない!」
「話は平行線になりそうですね。わかりました。返納の手続きはさせていただきます」
この日、冒険者ギルドから大量に脱退者が出て、冒険者ギルドを去った。
「これからのあなた達の生活が幸せになるように祈らせてもらいますわ」
「心にもない事言ってんじゃねぇよ!」
「「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」」
「形式上の言葉です。真に受けないで下さい!ギルドを脱退して、あなた達の生活が苦しいものになるのが目に見えるようですわ」
「はっ!言ってろよ!これ以上、生活が苦しくなんかならねぇよ。それより、俺達を厄介払いしてどうなるか、自分達の心配をするんだな」
「何を訳のわからない事を!負け惜しみはみっともないですよ」
「そう思うならそう思ってな」
脱退した元冒険者達は、松葉杖をつきながら冒険者ギルドを去った。そして、元冒険者達はヒロトシの奴隷に志願したのだ。
アーセルドを、町中で見かけて手足が治っていたのに驚き、ヒロトシを紹介してもらっていたのだ。
最初、ヒロトシは負傷した冒険者達にギルドに保障してもらうようにと言って断った。
アーセルド達は、自分の家族だから治療したのであって、君達は冒険者ギルドに生活保障を求めるように説明した。
もし、冒険者ギルドが生活保障を断った場合、ヒロトシの奴隷となる覚悟のある人間だけ受け入れようといわれたのだ。
そして、奴隷になった場合どういう待遇になるのか、アーセルドに負傷した冒険者は意見を求めたのだった。
「確かに油断した場合、魔物に殺される事になるがそれは今までと同じだな」
「なんだよ?言い方が気になるな」
「魔物は、最終的に魔の森に生息する魔物なんだよな。俺も今はAやSランク冒険者がいくような森に潜入しているんだ」
「「「「「「はぁあ?」」」」」」
「アーセルド、お前がそんな場所に行かされているのか?」
「ああ、そうだ!しかし、先輩達にフォローはしてもらってだけどな。今は、俺のレベルも成長したんだぜ」
アーセルドは負傷した冒険者達に、ヒロトシの奴隷になった場合、どういう待遇になるのか詳しく説明した。
その説明で、平民よりずっといい生活ができる事はわかった。しかし、冒険者としての自由がなくなる事もわかった。
「ギルドマスター、緊急事態です!」
「どうした?騒がしいぞ!」
「た、大変です!生産ギルドが薬草と肉の買い取りを拒否してきました」
「な、なんだと!」
「肉の買い取りは、今の情勢ではオークの肉は更に安くしてくれと!」
「それで薬草は?」
「薬草は、冒険者の採取方法に不満を言われ、もっと丁寧に採取したものを納品しろと・・・・・・今の薬草は低品質としての評価で買い取られるそうです」
「冒険者に丁寧に採取させろと言ったのか?」
「はい・・・・・・」
「うちにそんな余裕などないのに!」
今の冒険者達は、少しでも多くの素材を集める為に、質より量という感じで薬草の採取に時間をかけて、土の中に薬草の根を残しつつギリギリの所を駆ってくる事をしていなかった。
無造作に薬草を引き千切り、地中に薬草の根を多く残し、短時間で薬草が育つようにしていた。
「それにもうひとつあり得ないことが!」
「あり得ないこと?」
「はい、ギルドカードを剥奪した元冒険者がヒロトシ様の奴隷になっていました!」
「はっ!あり得ないことがそんなことか?結局生活ができず奴隷に落ちただけじゃないか」
「違うのです。欠損は治り以前よりたくましくなって、薬草や肉を生産ギルドに卸していました」
「はぁあ!欠損が治っていただと?」
「しかも、冒険者ギルドをクビになって奴隷になった事で、今の生活の方が幸せだと!」
そこに、別の職員があわててギルドマスターの部屋に駆け込んできた。
「ギルドマスター!大変です!」
「今度はなんだ!」
「欠損した冒険者が、ギルドカードを返納しています!それにともないBランク冒険者が、薬草採取の依頼をボイコット!他の依頼を張り出せと要求しています」
「なんだと!」
「もし、要求を飲めないのであればBランク冒険者は王都からいなくなると言ってきています」
「ば、馬鹿な・・・・・・冒険者達には、薬草の採取方法を丁寧にしろと言うつもりだったのに!」
今さら、冒険者に薬草採取の依頼は受けて貰えなかった。そればかりか、通常のBランク冒険者が受けるような依頼を張り出せと言ってきているのだ。
「ギルドマスター、ギルドカードの返納はいかがしましょう?」
「欠損した冒険者は役に立たん!ギルドの恩情を無駄にしおって・・・・・・構わん!役に立たん冒険者がいなくなってお荷物が片付き清々するわ!」
「わ、わかりました。返納を受け付けます。それでBランク冒険者の方はいかがしましょう?」
「構わん!どうせ、薬草や肉が売れんのであれば、冒険者達には魔物の素材を集めさせればよい」
この判断は悪くはなかった。ただ、相手がヒロトシではなかった場合である。ギルドカードの返納をギルドが断り、冒険者達の生活を保障するのが正解だったのに、冒険者ギルドは厄介者として放り出してしまったのだ。
「本当によろしいのですね?あなた達はもう二度と冒険者ギルドに所属はできませんよ?」
「そういうのなら、冒険者ギルドが俺達の生活を保障してくれよ」
「あなた達に保証金をお支払いしたではありませんか?」
「それじゃ食っていけねぇんだ!」
「「「「「そうだ!」」」」」
「だから、俺達は冒険者ギルドを見捨てたと判断する!」
「しかし、本当ならFランクの依頼をまわすことはしないのですよ?ギルドは見捨ててなんか!」
「言い方によっては、俺達をいいように扱っているだけじゃねぇか!」
「そんなことは!」
「とにかく俺達はもう!冒険者ギルドは信用できない!」
「話は平行線になりそうですね。わかりました。返納の手続きはさせていただきます」
この日、冒険者ギルドから大量に脱退者が出て、冒険者ギルドを去った。
「これからのあなた達の生活が幸せになるように祈らせてもらいますわ」
「心にもない事言ってんじゃねぇよ!」
「「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」」
「形式上の言葉です。真に受けないで下さい!ギルドを脱退して、あなた達の生活が苦しいものになるのが目に見えるようですわ」
「はっ!言ってろよ!これ以上、生活が苦しくなんかならねぇよ。それより、俺達を厄介払いしてどうなるか、自分達の心配をするんだな」
「何を訳のわからない事を!負け惜しみはみっともないですよ」
「そう思うならそう思ってな」
脱退した元冒険者達は、松葉杖をつきながら冒険者ギルドを去った。そして、元冒険者達はヒロトシの奴隷に志願したのだ。
アーセルドを、町中で見かけて手足が治っていたのに驚き、ヒロトシを紹介してもらっていたのだ。
最初、ヒロトシは負傷した冒険者達にギルドに保障してもらうようにと言って断った。
アーセルド達は、自分の家族だから治療したのであって、君達は冒険者ギルドに生活保障を求めるように説明した。
もし、冒険者ギルドが生活保障を断った場合、ヒロトシの奴隷となる覚悟のある人間だけ受け入れようといわれたのだ。
そして、奴隷になった場合どういう待遇になるのか、アーセルドに負傷した冒険者は意見を求めたのだった。
「確かに油断した場合、魔物に殺される事になるがそれは今までと同じだな」
「なんだよ?言い方が気になるな」
「魔物は、最終的に魔の森に生息する魔物なんだよな。俺も今はAやSランク冒険者がいくような森に潜入しているんだ」
「「「「「「はぁあ?」」」」」」
「アーセルド、お前がそんな場所に行かされているのか?」
「ああ、そうだ!しかし、先輩達にフォローはしてもらってだけどな。今は、俺のレベルも成長したんだぜ」
アーセルドは負傷した冒険者達に、ヒロトシの奴隷になった場合、どういう待遇になるのか詳しく説明した。
その説明で、平民よりずっといい生活ができる事はわかった。しかし、冒険者としての自由がなくなる事もわかった。
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