328 / 347
第7章 新たな進化
64話 冒険者ギルドの傲慢
しおりを挟む
王都に、久しぶりに肉や薬草などが大量に入荷して、人々は活気に溢れた。
ヒロトシの言うように、平民達は肉が高い間、野菜を買っていたが、やはり肉を食べたかったのだ。
「久しぶりに思う存分肉が食えるぜ!」
「やっぱり、鍛冶をしてると野菜だけじゃな」
「体力つかねぇぜ」
町の酒場には、鍛冶師や大工が久しぶりに酒を飲みに来ていた。また、平民の食卓にもご馳走であるオークソルジャーの肉が並んで、子供達は大喜びである。
王都では、薬草の件もあり今回肉が入荷しなくて食材が高騰し、苦しい生活が続くと思い諦めも入っていた。
子供達にとっても、毎日食卓にのぼる野菜をメインにしたおかずはがっかりするものだったのだ。
しかし、ヒロトシのおかげで消費物が大量に入荷して平民が喜ぶのは当然だった。
しかし、言わなくてもわかるが、この状況に焦ったのは冒険者ギルドだ。
「ちょっと待って下さい!肉や薬草はもう要らないと言われても困ります!」
「こちらとしても、こんな高い肉や薬草は購入できませんよ。今回は購入しますが、次回からは通常価格なら購入させていただきます」
「そんな!肉や薬草を買い取ってもらえなければ、うちの売り上げは!」
「しかし、今の王都の肉の価格はあなた方も知っていますよね?誰が今の現状で普通のオークの肉を、4倍の値段で買うというのですか?」
「それは・・・・・・」
「オークソルジャーやマジシャンの肉が、ノーマルオークの肉と同じ値段なんですよ?」
「むぐぐぐ・・・・・・」
「つまり、このノーマルオークの肉は、今の王都ではもっと安くしてもらわないと、こっちが大損してしまいます」
「そんな!」
「そして、薬草にいたっても冒険者に採取指導していただけますか?」
「採取指導だと?」
「ええ!今、王都に大量入荷した薬草はこちらで、あなた方が持ってきたのはこれです」
「うっ・・・・・・」
ヒロトシが卸した薬草は、根がギリギリの所までついて魔の森で採取したので、魔力を含んだ最高品質の薬草だった。
一方、冒険者ギルドが持ってきたものは、冒険者が無造作に引きちぎった感じの薬草だった。
冒険者達も、薬草採取ばかりさせられうんざりしている為、採取方法が雑になっていたのだ。
ヒロトシの卸した薬草は、魔の森の薬草で最高品質だが、冒険者達の薬草も丁寧に採取していたら、高品質の薬草だったはずである。
生産ギルドは、冒険者ギルドの持ってきた薬草には低品質の評価を査定したのだった。
「そんな!そんな価格で買い叩かれたら!」
「今までは、こんな低品質でもこの薬草しかなかったから、こちらとしてもしょうがなしに買い取っていただけです。しかし、今や普通にこの最高品質の薬草が手にはいるのです。冒険者ギルドの低品質の薬草は使い道がないんですよ。もっと丁寧に採取してください」
「だが、今までこの薬草でポーションが作れていたのだろ?」
「いいですか?製作方法は教えれませんが、この最高品質の薬草でポーションを作れば、グレーターヒールポーションが作れますが、冒険者ギルドが持ってきたものは、低品質のヒールポーションしか作れません」
「うぐっ!」
「これらヒールポーションは、冒険者達の生命線でもあるんです。自分達の為にも丁寧に採取してください!今後、このような低品質の薬草はこの値段でしか買い取れません。いいですね!」
冒険者ギルドの人間は、生産ギルドのカウンターで項垂れた。そして、そこに更に衝撃的な光景を目にするのだった。
「こんにちは!薬草と肉の入荷です!」
「ご苦労様です」
その声に、冒険者ギルド職員が大声をだした。
「あっ!お前はアーセルドか?それにマーブル!」
「冒険者ギルドか?見たくないやつに会ったぜ」
「なんでお前がここに!それに欠損していたのになんで!」
「あんた達に言う必要ないね!」
「なんだと!」
「おっと、いけねぇ!用事の途中だった。あんた達に構ってられねぇや。生産ギルドさん、今回はこれだけだ」
「今回もこんなにいい品を!本当にありがとうございます」
「いえいえ、俺らはタダ品物を納品しているだけでご主人様がすごいんです」
「でも、この薬草はあなた達が採取しているのですよね?丁寧に採取していますよ。冒険者ギルドは優秀な人材を手離しましたね。あははははは」
「そのおかげで、俺は今幸せですよ」
「ぬぐぐぐぐ!」
冒険者ギルド職員は、幸せそうに笑っていたアーセルドとマーブルの顔を見て、悔しそうな顔をして生産ギルドを出ていってしまった。
「アーセルド、マーブル、みんなも少しは気が晴れたか?」
「「「「「「はい!」」」」」」
「ご主人様、スカッとしました!」
「生産ギルドの皆さんも、話を合わせてくださりありがとうございます」
「いえいえ、私達も冒険者ギルドの態度をよく思ってなかったので、スカッとしましたよ」
生産ギルドの買い取り業務をしていた職員も、日頃から冒険者ギルドの品物に苦情を入れていた。しかし、冒険者ギルドからしか品物が入らなかったので、我慢して買い取っていたのだ。
ヒロトシの品物が手に入り、今日は言いたかった事が言えて、生産ギルド職員もスッキリした顔になっていた。
ヒロトシの言うように、平民達は肉が高い間、野菜を買っていたが、やはり肉を食べたかったのだ。
「久しぶりに思う存分肉が食えるぜ!」
「やっぱり、鍛冶をしてると野菜だけじゃな」
「体力つかねぇぜ」
町の酒場には、鍛冶師や大工が久しぶりに酒を飲みに来ていた。また、平民の食卓にもご馳走であるオークソルジャーの肉が並んで、子供達は大喜びである。
王都では、薬草の件もあり今回肉が入荷しなくて食材が高騰し、苦しい生活が続くと思い諦めも入っていた。
子供達にとっても、毎日食卓にのぼる野菜をメインにしたおかずはがっかりするものだったのだ。
しかし、ヒロトシのおかげで消費物が大量に入荷して平民が喜ぶのは当然だった。
しかし、言わなくてもわかるが、この状況に焦ったのは冒険者ギルドだ。
「ちょっと待って下さい!肉や薬草はもう要らないと言われても困ります!」
「こちらとしても、こんな高い肉や薬草は購入できませんよ。今回は購入しますが、次回からは通常価格なら購入させていただきます」
「そんな!肉や薬草を買い取ってもらえなければ、うちの売り上げは!」
「しかし、今の王都の肉の価格はあなた方も知っていますよね?誰が今の現状で普通のオークの肉を、4倍の値段で買うというのですか?」
「それは・・・・・・」
「オークソルジャーやマジシャンの肉が、ノーマルオークの肉と同じ値段なんですよ?」
「むぐぐぐ・・・・・・」
「つまり、このノーマルオークの肉は、今の王都ではもっと安くしてもらわないと、こっちが大損してしまいます」
「そんな!」
「そして、薬草にいたっても冒険者に採取指導していただけますか?」
「採取指導だと?」
「ええ!今、王都に大量入荷した薬草はこちらで、あなた方が持ってきたのはこれです」
「うっ・・・・・・」
ヒロトシが卸した薬草は、根がギリギリの所までついて魔の森で採取したので、魔力を含んだ最高品質の薬草だった。
一方、冒険者ギルドが持ってきたものは、冒険者が無造作に引きちぎった感じの薬草だった。
冒険者達も、薬草採取ばかりさせられうんざりしている為、採取方法が雑になっていたのだ。
ヒロトシの卸した薬草は、魔の森の薬草で最高品質だが、冒険者達の薬草も丁寧に採取していたら、高品質の薬草だったはずである。
生産ギルドは、冒険者ギルドの持ってきた薬草には低品質の評価を査定したのだった。
「そんな!そんな価格で買い叩かれたら!」
「今までは、こんな低品質でもこの薬草しかなかったから、こちらとしてもしょうがなしに買い取っていただけです。しかし、今や普通にこの最高品質の薬草が手にはいるのです。冒険者ギルドの低品質の薬草は使い道がないんですよ。もっと丁寧に採取してください」
「だが、今までこの薬草でポーションが作れていたのだろ?」
「いいですか?製作方法は教えれませんが、この最高品質の薬草でポーションを作れば、グレーターヒールポーションが作れますが、冒険者ギルドが持ってきたものは、低品質のヒールポーションしか作れません」
「うぐっ!」
「これらヒールポーションは、冒険者達の生命線でもあるんです。自分達の為にも丁寧に採取してください!今後、このような低品質の薬草はこの値段でしか買い取れません。いいですね!」
冒険者ギルドの人間は、生産ギルドのカウンターで項垂れた。そして、そこに更に衝撃的な光景を目にするのだった。
「こんにちは!薬草と肉の入荷です!」
「ご苦労様です」
その声に、冒険者ギルド職員が大声をだした。
「あっ!お前はアーセルドか?それにマーブル!」
「冒険者ギルドか?見たくないやつに会ったぜ」
「なんでお前がここに!それに欠損していたのになんで!」
「あんた達に言う必要ないね!」
「なんだと!」
「おっと、いけねぇ!用事の途中だった。あんた達に構ってられねぇや。生産ギルドさん、今回はこれだけだ」
「今回もこんなにいい品を!本当にありがとうございます」
「いえいえ、俺らはタダ品物を納品しているだけでご主人様がすごいんです」
「でも、この薬草はあなた達が採取しているのですよね?丁寧に採取していますよ。冒険者ギルドは優秀な人材を手離しましたね。あははははは」
「そのおかげで、俺は今幸せですよ」
「ぬぐぐぐぐ!」
冒険者ギルド職員は、幸せそうに笑っていたアーセルドとマーブルの顔を見て、悔しそうな顔をして生産ギルドを出ていってしまった。
「アーセルド、マーブル、みんなも少しは気が晴れたか?」
「「「「「「はい!」」」」」」
「ご主人様、スカッとしました!」
「生産ギルドの皆さんも、話を合わせてくださりありがとうございます」
「いえいえ、私達も冒険者ギルドの態度をよく思ってなかったので、スカッとしましたよ」
生産ギルドの買い取り業務をしていた職員も、日頃から冒険者ギルドの品物に苦情を入れていた。しかし、冒険者ギルドからしか品物が入らなかったので、我慢して買い取っていたのだ。
ヒロトシの品物が手に入り、今日は言いたかった事が言えて、生産ギルド職員もスッキリした顔になっていた。
0
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
【完結】悪役だった令嬢の美味しい日記
蕪 リタ
ファンタジー
前世の妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生した主人公、実は悪役令嬢でした・・・・・・。え?そうなの?それなら破滅は避けたい!でも乙女ゲームなんてしたことない!妹には「悪役令嬢可愛い!!」と永遠聞かされただけ・・・・・・困った・・・・・・。
どれがフラグかなんてわかんないし、無視してもいいかなーって頭の片隅に仕舞い込み、あぁポテサラが食べたい・・・・・・と思考はどんどん食べ物へ。恋しい食べ物達を作っては食べ、作ってはあげて・・・・・・。あれ?いつのまにか、ヒロインともお友達になっちゃった。攻略対象達も設定とはなんだか違う?とヒロイン談。
なんだかんだで生きていける気がする?主人公が、豚汁騎士科生たちやダメダメ先生に懐かれたり。腹黒婚約者に赤面させられたと思ったら、自称ヒロインまで登場しちゃってうっかり魔王降臨しちゃったり・・・・・・。もうどうにでもなれ!とステキなお姉様方や本物の乙女ゲームヒロインたちとお菓子や食事楽しみながら、青春を謳歌するレティシアのお食事日記。
※爵位や言葉遣いは、現実や他作者様の作品と異なります。
※誤字脱字あるかもしれません。ごめんなさい。
※戦闘シーンがあるので、R指定は念のためです。
※カクヨムでも投稿してます。
社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。
本条蒼依
ファンタジー
山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、
残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして
遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。
そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を
拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、
町から逃げ出すところから始まる。
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる