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第7章 新たな進化
50話 犠牲者が増える冒険者
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冒険者達が帰らなくなって数ヵ月が経ち、ヒロトシの店では、Cランク冒険者にも研磨依頼を受付をしていた。ヒロトシは帰らない冒険者が出てきてから再度忠告したのだったが、ギルドが推奨した事でヒロトシにはなんの問題はなかったのだ。
しかし、今になりギルドではやはりCランク冒険者に、マジカル武器は早かったのではないかという話が出てきていた。
「ギルドマスター。やはり、Cランク冒険者には早すぎたのでは?」
「今さら、どうしろというのだ?」
「やはり、ギルドで規制した方がよろしいかと」
「馬鹿なことを!一度許可を出したのに覆すことなど!それならば、冒険者の方を何とかすべきだ!」
「しかし、今もなおCランク冒険者に犠牲者が出てきているのですよ。しかも、今は怪我人が続出しています」
「それは、犠牲者ではなく冒険者自身が油断した結果であろう」
「油断した結果、命を落としたのではギルドの責任はありませんが、今の状況は・・・・・・」
「だったら、研磨をしたことだというのか?だったらなおさら、ギルドには関係ないではないか」
「嘘ですよね・・・・・・ヒロトシ様は、最後までCランク冒険者に研磨はしないと止められていたではありませんか?しかも、冒険者が帰らなくなってきた時、もう一度相談に来られたでは?」
「だが、結局ギルドに賛同して、研磨依頼を受けているじゃないか?」
「私もあの時は、Cランクになぜ研磨をしてくれないのか不満でした。現にギルドの売り上げは右肩上がりだったんですから。しかし、今はその考えは間違っていたと思います」
「今さら何を!」
「このままでは、ヒロトシ様が言ったようにギルドは潰れてしまいます。ここは、やはり考えを改めてCランク冒険者には、成長させてから」
「駄目だ!そうなれば、ギルドが間違いを認めた事になるではないか?そうなれば、生き残りの冒険者達の入院費や治療費をギルドが払わねばならん」
「しかし、このままでは中核を担う冒険者がいなくなるし、初心者の冒険者にしわ寄せがいくことになりかねません」
「馬鹿な事を!まだ中核を担う冒険者はいくらでもおるではないか!」
「確かにいます。冒険者の中には、基本にかえる人間も出てきています」
「だったら、問題はないではないか?」
「ヒロトシ様が言った、Cランク冒険者が未熟だと言った事をお忘れですか?」
「それがどうしたと言うのだ?冒険者は自ら基本に戻っているのであろう?」
「だから、心配なのです!基本に戻って、やはり自分達は大丈夫と思うはずです。そうなった時、どうなると思うのですか?」
ギルド会議で一人の幹部の意見で、会議はざわめきだった。その意見に反論する者は、ギルドが慰謝料を払うのを認めない者や今のギルドの売り上げが元に戻ることを良しとしない幹部達だった。
また、今のうちにギルドの間違いを認め、傷口が浅い内に慰謝料を払い、Cランク冒険者にはマジカル武器はまだ早いと認識させて、冒険者を育てる方がいいと賛同する幹部達が意見を対立させた。
その頃、ヒロトシは王都のヒ美研営業所に来ていてカウンター業務を、ライラ達と一緒にしていた。
「何でなんだよ!いきなりCランクは駄目だなんて納得出来ねぇよ」
「お前達の仲間の死亡者が増えているのは知っているだろ?」
「そうだよ!だから、俺のパーティーも重症で今は入院しているんだ。その治療費を稼がないといけないんだ」
「あんたは無事だったのか?」
「俺だけあの日は体調不調で留守番だったんだ。まさか、仲間があんなことになるなんて!だから俺は仲間のために稼がないと!」
研磨を依頼に来た冒険者の中には運良く助かった人間もいた。しかし、それは負の循環で助かった人間を不幸にするものだった。
欠損するような大怪我で入院する仲間のために、依頼を受けようとする冒険者が続出していた。
その依頼内容は、Cランク冒険者ではきついものであり、研磨武器を持ってぎりぎり達成できるものだった。
「お前は馬鹿か!そんな綱渡りな事をして、お前が死んだら残された者はどうなる?」
「だが、金を稼がないと仲間は死んでしまうんだ。しかし、研磨武器があれば金が稼げるかもしれない。そうなったら仲間は助かるんだよ」
「しかし、復帰はできるのか?復帰に何年かかるんだ?」
「やめろ!いくらヒロトシ様でも、それ以上言ったら許さねぇぞ!」
「ああ!悪かったな。お前は、いやあんた達冒険者は仲間思いなやつらばっかりだ。しかし、未熟なやつらばっかりだとも思うよ」
「なんだと!」
「あれほど、俺がCランクにマジカル武器は早いと忠告したのに、結局Cランクは怪我人だらけだ」
「それはあんなことに、高ランクの魔物が出るとは思わなかったと仲間が・・・・・・」
「だが、Bランク冒険者は対処できていて、怪我人はCランク冒険者ばかりじゃないか?」
「そ、それは・・・・・・」
「お前は運が良かったが、今冒険に出たら間違いなく還らぬ冒険者になるよ。そして、入院しているお前の仲間は・・・・・・」
「それ以上言うな!」
「いいや。言わせてもらうね。お前に、いや、お前達実力があれば、俺は何も言わないよ」
ヒロトシは、2号店に来ているCランク冒険者を睨みつけた。
「だったら仲間を見捨てろというのか?」
「しょうがないだろ?お前達の仲間は、運がまだ良かっただけで、魔物に襲われていた所にBランク以上の冒険者に救われたんだからな」
「だから俺達は!」
「いいか?あんた達の仲間は帰ってこれたんだ!帰ってこれなかった冒険者はどれだけいるんだ?」
「だけど、ヒロトシ様ならどうなんだ?仲間が怪我をして入院していたら、助けたいと思うだろ?」
ヒロトシは冒険者達の言葉を聞き鼻で笑った。
「俺が仲間を怪我させる?馬鹿なことを言うな!仮に怪我をさせたとしても、お前達のように仲間の治療費がないと慌てるようなことはしないよ」
「「「「「うっ」」」」」
「いいか?あんた達は怪我人がでないと、こういう状況になるとわからないほど未熟なんだよ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「これ以上、俺の技術が汚されるのは我慢ならん。
仮にギルドがなにか言って来ても、研磨武器はBランク冒険者からだ!」
ヒロトシはついに、冒険者達を追い払ったのだ。
しかし、今になりギルドではやはりCランク冒険者に、マジカル武器は早かったのではないかという話が出てきていた。
「ギルドマスター。やはり、Cランク冒険者には早すぎたのでは?」
「今さら、どうしろというのだ?」
「やはり、ギルドで規制した方がよろしいかと」
「馬鹿なことを!一度許可を出したのに覆すことなど!それならば、冒険者の方を何とかすべきだ!」
「しかし、今もなおCランク冒険者に犠牲者が出てきているのですよ。しかも、今は怪我人が続出しています」
「それは、犠牲者ではなく冒険者自身が油断した結果であろう」
「油断した結果、命を落としたのではギルドの責任はありませんが、今の状況は・・・・・・」
「だったら、研磨をしたことだというのか?だったらなおさら、ギルドには関係ないではないか」
「嘘ですよね・・・・・・ヒロトシ様は、最後までCランク冒険者に研磨はしないと止められていたではありませんか?しかも、冒険者が帰らなくなってきた時、もう一度相談に来られたでは?」
「だが、結局ギルドに賛同して、研磨依頼を受けているじゃないか?」
「私もあの時は、Cランクになぜ研磨をしてくれないのか不満でした。現にギルドの売り上げは右肩上がりだったんですから。しかし、今はその考えは間違っていたと思います」
「今さら何を!」
「このままでは、ヒロトシ様が言ったようにギルドは潰れてしまいます。ここは、やはり考えを改めてCランク冒険者には、成長させてから」
「駄目だ!そうなれば、ギルドが間違いを認めた事になるではないか?そうなれば、生き残りの冒険者達の入院費や治療費をギルドが払わねばならん」
「しかし、このままでは中核を担う冒険者がいなくなるし、初心者の冒険者にしわ寄せがいくことになりかねません」
「馬鹿な事を!まだ中核を担う冒険者はいくらでもおるではないか!」
「確かにいます。冒険者の中には、基本にかえる人間も出てきています」
「だったら、問題はないではないか?」
「ヒロトシ様が言った、Cランク冒険者が未熟だと言った事をお忘れですか?」
「それがどうしたと言うのだ?冒険者は自ら基本に戻っているのであろう?」
「だから、心配なのです!基本に戻って、やはり自分達は大丈夫と思うはずです。そうなった時、どうなると思うのですか?」
ギルド会議で一人の幹部の意見で、会議はざわめきだった。その意見に反論する者は、ギルドが慰謝料を払うのを認めない者や今のギルドの売り上げが元に戻ることを良しとしない幹部達だった。
また、今のうちにギルドの間違いを認め、傷口が浅い内に慰謝料を払い、Cランク冒険者にはマジカル武器はまだ早いと認識させて、冒険者を育てる方がいいと賛同する幹部達が意見を対立させた。
その頃、ヒロトシは王都のヒ美研営業所に来ていてカウンター業務を、ライラ達と一緒にしていた。
「何でなんだよ!いきなりCランクは駄目だなんて納得出来ねぇよ」
「お前達の仲間の死亡者が増えているのは知っているだろ?」
「そうだよ!だから、俺のパーティーも重症で今は入院しているんだ。その治療費を稼がないといけないんだ」
「あんたは無事だったのか?」
「俺だけあの日は体調不調で留守番だったんだ。まさか、仲間があんなことになるなんて!だから俺は仲間のために稼がないと!」
研磨を依頼に来た冒険者の中には運良く助かった人間もいた。しかし、それは負の循環で助かった人間を不幸にするものだった。
欠損するような大怪我で入院する仲間のために、依頼を受けようとする冒険者が続出していた。
その依頼内容は、Cランク冒険者ではきついものであり、研磨武器を持ってぎりぎり達成できるものだった。
「お前は馬鹿か!そんな綱渡りな事をして、お前が死んだら残された者はどうなる?」
「だが、金を稼がないと仲間は死んでしまうんだ。しかし、研磨武器があれば金が稼げるかもしれない。そうなったら仲間は助かるんだよ」
「しかし、復帰はできるのか?復帰に何年かかるんだ?」
「やめろ!いくらヒロトシ様でも、それ以上言ったら許さねぇぞ!」
「ああ!悪かったな。お前は、いやあんた達冒険者は仲間思いなやつらばっかりだ。しかし、未熟なやつらばっかりだとも思うよ」
「なんだと!」
「あれほど、俺がCランクにマジカル武器は早いと忠告したのに、結局Cランクは怪我人だらけだ」
「それはあんなことに、高ランクの魔物が出るとは思わなかったと仲間が・・・・・・」
「だが、Bランク冒険者は対処できていて、怪我人はCランク冒険者ばかりじゃないか?」
「そ、それは・・・・・・」
「お前は運が良かったが、今冒険に出たら間違いなく還らぬ冒険者になるよ。そして、入院しているお前の仲間は・・・・・・」
「それ以上言うな!」
「いいや。言わせてもらうね。お前に、いや、お前達実力があれば、俺は何も言わないよ」
ヒロトシは、2号店に来ているCランク冒険者を睨みつけた。
「だったら仲間を見捨てろというのか?」
「しょうがないだろ?お前達の仲間は、運がまだ良かっただけで、魔物に襲われていた所にBランク以上の冒険者に救われたんだからな」
「だから俺達は!」
「いいか?あんた達の仲間は帰ってこれたんだ!帰ってこれなかった冒険者はどれだけいるんだ?」
「だけど、ヒロトシ様ならどうなんだ?仲間が怪我をして入院していたら、助けたいと思うだろ?」
ヒロトシは冒険者達の言葉を聞き鼻で笑った。
「俺が仲間を怪我させる?馬鹿なことを言うな!仮に怪我をさせたとしても、お前達のように仲間の治療費がないと慌てるようなことはしないよ」
「「「「「うっ」」」」」
「いいか?あんた達は怪我人がでないと、こういう状況になるとわからないほど未熟なんだよ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「これ以上、俺の技術が汚されるのは我慢ならん。
仮にギルドがなにか言って来ても、研磨武器はBランク冒険者からだ!」
ヒロトシはついに、冒険者達を追い払ったのだ。
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