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第7章 新たな進化

32話 聖教国救われる!

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 ファイヤーボールに、長時間焼かれることになって、悶え苦しんでいるアークデーモンだった。
 その間に、ミルデンス達はグレーターデーモンの討伐を完了させてしまった。

「主君!討伐完了しました」
「「こちらも完了です」」

 ヒロトシは、視線を送り周りに警戒させた。何も言われずとも、3人はヒロトシの周りをガードするのだった。

「ぎゃあああああああ!熱いから、もう勘弁してやめてくれ!」

「早く死ね!回復するからいけないんだろ?」

 残酷なヒロトシだった。アークデーモンの能力でリジェネレートがある。そして、この教会という聖域を闇の結界を張った事で、邪悪な存在が活性化して、リジェネレート能力が2倍となっていた。
 その為、炎ダメージを受けたそばから、回復をしていた。

「お前から受けた、人間の苦しみはそんなものじゃない!ファイヤーボール」

 ヒロトシは、ファイヤーボールを一発だけ撃ち込んだ。

「ぎゃあああああああ!お前は悪魔かぁ!早く殺してくれ~~~~~~!」

 アークデーモンは、ヒロトシのファイヤーボールでのたうち回った。

「「「「「ヒロトシ殿」」」」」
「さすがに、デーモンが気の毒に・・・・・・」

「聖騎士団はもう満足か?」

「聖女様は、あまりに残酷な光景に気絶してしまわれました」

「そ、そうか・・・・・・」

「もうやめてくれぇ!」

 アークデーモンは、ヒロトシに懇願していた。ヒロトシはアークデーモンに、ホーリーアローを何十発も撃ち込んだ。

「ぎゃあああああああああ!最初から余裕で勝てたのかぁあああああ!」

 ヒロトシは、炎属性魔法を撃たずに聖属性魔法を撃ち込んだのだ。つまり、闇属性であるアークデーモンに聖属性の攻撃魔法を撃てば、もっと早くかたがついていたのだ。
 
 アークデーモンは、絶叫しながら消滅し元の魔界に帰っていった。
 このダメージで、現世によみがえれるのは当分の間無理だろう。当分の間と言っても100年単位ではなく、数千年は不可能である。

「ふぅ!スッキリしたぁ」

「「「主君(ご主人様)・・・・・・」」」

 大聖堂の女神神像は粉々に砕け散り、その瓦礫のそばで横たわって、丸焦げの遺体があった。
 アークデーモンが、抜け落ち丸焦げで遺体の判明は難しいが、教皇で間違いはないだろうと推測された。

 そして、アークデーモンが魔界に戻った為、イービルフィールドが消滅して、教会の雰囲気は神聖な雰囲気に戻っていた。

「ヒロトシ殿!本当にありがとうございます」

 ヒロトシの前に、聖騎士団とクレリック神聖隊がひざまつき、一斉に頭をたれた。

「やめてくれ!俺は女神様から依頼を受けて仕事をしただけだ!」

「しかし、ヒロトシ殿のおかげで、聖教国は救われたのです」

「あんた達が、ひざまつくのは聖女だけでいいんだよ。俺はただの商人だ」

「ヒロトシ殿が、ただの商人と言っても誰もしんじませんよ。あははははは!」

 聖騎士団団長が、笑った時女神神像があった場所が輝き始めて、天空から一筋の光が降り注いだ。

「ヒロトシ様、この度は聖教国を救って下さり本当にありがとうございます」

「この声は、女神ミレーヌ様?」
「「「「「「「「おお!」」」」」」」」

 女神ミレーヌの声が、教会に響いたのだ。その声を聞いた聖職者達は感動で涙を流していた。

「ああ!報酬をもらったからな。やる事はするさ」

「また、そんな言い方をして。本当に素直じゃないんですから」

「俺の事はいいよ。そんなことよりミレーヌさんも次からはもっと、聖教国をみてやってくれよ」

「わかってますよ。次は聖女がトップです。あの娘は大丈夫です」

「とにかく、俺のやる事は終わった」

「いいえ!まだです」

「ええ!もう、厄介事はないだろ?」

「いいえ。これからがあなたの本業です。どうか、教会本部の建設をよろしくお願いいたします」

「あっ!そういう事か。それは、ミレーヌさんが関与する事じゃないよ。聖女様が国のトップとして決めることだ」

「まったく・・・・・そうなるのわかっているんでしょ?」

「ふん!ミレーヌさんの事に安易に同意したら、要らんことをさせられるからな!」

「ひどい!そんな言い方ないです」

「ほらほら、いいのか?無駄話して女神の威厳がなくなっていますよ」

 ミレーヌとヒロトシの、会話を聞いていた聖騎士団と聖職者達は口をポカンと開けていた。
 女神との会話は、ヒロトシは友人そのものだったからだ。女神様とここまで親交がある人間への信頼は絶対のものとなった。

「こほん!皆様もよく頑張ってくれましたね」

 女神の声が自分達に語られ、教会関係者は一斉に片ひざを地面につきおじぎした。

「これからは、聖女をたて聖教国をもりたてて下さい。よろしくお願いいたします」

「勿体ない御言葉。必ずや以前のような聖なる国へ成長いたします」

「よろしく頼みましたよ」

 女神の声はそこで途切れたのだった。その瞬間、ヒロトシが糸が切れたマリオットのように、膝から力が抜けた。

「「「主君(ご主人様)!」」」

 ミランダが、とっさにヒロトシを支え抱き抱えた事で、頭を打つことはなかった。

「一体どうしたのだ?」

 聖騎士団団長が、ミランダに慌てて聞いたのだ。

「わ、わかりません。いきなり緊張の糸がきれたように倒れ込んだので・・・・・・」

「主君が緊張していたのか?」
「あの態度は緊張していたようには?」

 ミルデンスとアイリーンは、まさかというような感じだった。
 そして、とっさに抱き抱えたミランダは、ヒロトシの体温が異常に高い事に気づいた。

「ご主人様、体調が悪かったのですか?」

 ミランダは、ヒロトシの頭にてを当てると物凄く熱い事がわかった。

「熱い・・・・・・凄い熱!」

 それを聞き、ミルデンス達はヒロトシを聖教国のヒロトシの屋敷に運び込んだ。
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