研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第7章 新たな進化

31話 アークデーモンの断末魔

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 ヒロトシが、ニヤリと笑いミルデンス達に指示を出した。

「ミルデンス達は、グレーターデーモンを!」

「「「はっ!(はい!)」」」

「ま、まて!何をする気だ?」

「ファイヤーアロー!」

 ヒロトシは、アークデーモンに手のひらを向けてファイヤーアローを撃ち込んだ。
 レジストマジックやレジストファイヤー等の、付与魔法が剥がれたアークデーモンには、通常では考えられないダメージが与えられた。

「ぎゃあああああ!ファイヤーアロー一発でなんてダメージを・・・・・・」

「さすがだ!まだ死なないとは恐れ入ったよ」

 ヒロトシは、アークデーモンの能力がここまで高い事に驚いていた。
 ヒロトシが剥がした、アークデーモンの付与魔法はスクロールで付与したもので、50%ダメージを軽減するものだ。
 しかし、アークデーモンは元々の能力で50%もの高いレジスト能力を持っている。つまり、ヒロトシが剥がした付与魔法とあわせて、100%以上ものレジスト能力を持った怪物だったのだ。

 ちなみに100以上というのは、ファイヤーレジストも計算に入っている。ヒロトシは最初にファイヤーレジストを剥がした。
 この地点で、ファイヤーアローや他の攻撃魔法を撃ち込んだとしても、レジストマジックがあり完全に無効化されてしまう。
 その為、ヒロトシはレジストマジックを剥がさない事にはどうにもならなかった。
 
 レジストマジックを剥がした為、50%で無効化されるが、完全に無効化されるよりはマシである。
 そして、ファイヤーレジストも剥がさないと、火属性魔法を撃ち込んでもダメージは100%通らないので、ディスペルマジックを使いファイヤーレジストも剥がした。

「俺の魔法を受けて、生き残るとはね」

「くっ!」

 この話している時間で、アークデーモンは凄い勢いで回復していく。

「ご主人様、早く攻撃を!アークデーモンが回復してしていきます」

「グハハハハハハ!我は無敵である!」

「わかっているよ。この場所はもう邪教の館だからな。邪悪な存在には天国だろうよ」

「ふははははははは!わかっていて余裕だな。ここにいれば我は無敵なり!」

 アークデーモンがヒロトシに突進してきた。アークデーモンはその鋭い牙と爪で攻撃した。

「ギャハハハハハハ!死ねぇ!」

「主君!」
「「ご主人様!」」

 ミルデンス達は、グレーターデーモンを相手して動けなかった。

「教皇、お前俺をなめすぎだ!」

 ヒロトシは、アークデーモンの両肩を押さえ、その突進を止めた。ヒロトシの目の前にはアークデーモンの爪が迫っていた。

「魔法使いは距離を詰められたら、もう終わりなんだよ!」

「俺はただの魔法使いじゃないんでね!」

 ヒロトシの両手にはオリハルコン製の+5のナックルが光った。ヒロトシは渾身の力でアークデーモンを殴ると、アークデーモンは教会の女神神像まで吹っ飛び、女神神像が粉々になってしまった。

「「「「「「ああ!」」」」」」

 聖女や聖騎士団は、女神神像が壊れてしまって落胆していた。

「ふははははははは!我に物理攻撃は効かぬ!」

 アークデーモンは笑いながら瓦礫の下から、無傷で立ち上がってきた。

「ストーンスキンも剥がした方が良かったかな」

 ヒロトシは、余裕の態度が構えた。

「諦めろ!お前じゃ我には勝てぬ!」

「どうかな?」

「何を余裕ぶっておる!さっきのを見たであろう」

「ああ!ファイヤーアロー一発でダメージを負ったな?あれで確信したよ。お前は雑魚だ!」

 ヒロトシの周りには、5個の火球が浮いていたのだ。

「あっああ・・・・・・」

 アークデーモンは、その数多くの火球を見て冷や汗を流した。

「初級魔法一発でダメージを受けて、今度は中級魔法だ!今度は耐えられるかな?」

「あっああ・・・・・・ああ!や、やめろ」

 アークデーモンは、恐怖で後退りした。

「たった、5発のファイヤーボールだ。これぐらいでびびるなよ。超級デーモンだろ?」

「どっちが悪魔か分からないわね・・・・・・」
「本当ね・・・・・・」

(アイリーン、ミランダ、後で覚えてろよ)

 ヒロトシのこめかみには怒りマークが出ていた。

「や、やめろ!そんなの耐えられん!」

 アークデーモンは、恐怖のあまり大きく翼を広げ飛んで教会の天井をぶち破って逃げようとした。

 しかし、ヒロトシのファイヤーボールは、アークデーモンより速く発射されたのだった。

「ぎゃあああああああああああ!」

 アークデーモンは、ファイヤーボールのダメージに地面をのたうち回った。次々に高熱に自分の皮膚が焼け、そして、回復を繰り返すのだ。
 アークデーモンにとって、邪教の館が反対に苦しめた形になっていた。
 この空間にいたおかげで、リジェネレートの効果が50%増していた。アークデーモンの能力で2倍の回復スピードになっている。本来ならとっくに死んでいたに違いなかったのだ。

「ぎゃあああああ!体が熱い!助けてくれぇ~~~~~~~~~~~!」

 アークデーモンの断末魔が大聖堂に響き、聖都にまでその声が聞こえたという。
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