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第7章 新たな進化

26話 大幹部達の逮捕

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 大司祭達、幹部は教会本部内を駆け巡って神官達を探した。

「いったいどういう事だ?だれかいないか!」

 これだけ広い教会に人がいないと、神聖な場所も不気味に思えてくる。大司祭や大司教の足音だけが響くからだ。

「何故誰もおらん?」
「どういう事だ?」
「この時間なら、大聖堂はもちろん部屋にも司教や司祭、シスターもいるはずなのに!」

「大司祭様、聖騎士も教会内にいません!」

 大司祭や大司教の直属の部下は、教会内にいるようだ。この部下達は、教皇の悪事に加担して、聖女を監禁していた人間である。

「こうなれば、町に繰り出し兵舎に出向くぞ」

「「「「「わ、わかりました」」」」」
「何人か出向いているはずなので、理由はすぐわかるかと思います」

「わかった!」

 大幹部達とその部下が、教会の外に出るとそこには、聖騎士団が構えていた。 

「な、なんだ?何をやっておる」
「その槍をおろせ!女神様に反旗をひるがえすつもりか?」

「黙れ!女神様の言葉を偽り教会を、いや、聖教国を我が物にする逆賊供め!」

「聖騎士団長!なんだその言いぐさは!我らは女神様の言葉を聖女様から聞いて、民草に届けているのだ!」

「女神様の言葉だと?よくもそんな事を!」

「教皇を始め、聖教国を我が物にする悪魔め!我が聖剣のさびにしてくれるわ!」

「無礼者!我らを悪魔と言ったか?それに教皇様を呼び捨てにするとは何事か!教皇様は、聖女様の言葉を聞ける唯一の人間であるぞ!」

「わたくしは、教皇に税をあげろなど言った覚えはありませんよ」

「「「「「なっ!」」」」」
「なぜ、聖女が聖騎士団と一緒に・・・・・・・」

「愚か者め!聖女様を呼び捨てにするでないわ!今、自分の罪を認め、懺悔するならば女神様も寛大な心で許してくださるかも知れぬ!」

「ぐっ!聖女を語る偽物め!お主達こそ、懺悔するべきだ!お前達かかれ!」

 大司祭達の部下は、剣を抜き聖騎士団達に身構えた。

「抵抗する気か?しょうがあるまい!皆の者、一人残らず引っ捕らえい!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」

 聖教国を守る聖騎士団に、大司祭達は呆気なく捕らえられてしまった。

「なんで、聖女が聖騎士団と一緒にいるんだ」

「ある方に、最上階の部屋から救いだされたに、決まっています!」

「あの部屋は、出入口がひとつしかないんだ!そんなのはありえん!誰だ?そんな奇跡を起こす奴は」

「そんなの、俺に決まっているだろ?」

「き、貴様はヒロトシ!いつも我らの邪魔ばかりしくさりおって!貴様さえ、聖教国にこなければ!」

「お前達が聖教国を好き勝手できるからか?」

「そうだ!平民は我らの道具だ!どのように扱おうが・・・・・・」

「馬鹿なことを言わないで下さい!」

 大司祭の言葉に、聖女ハンナが吠えた。そして、その瞳に涙が溢れたのだった。

「女神様は、そのようなことは望んではいません」

「平民は黙って教会に金を落とせばいいのだ。そうすれば布教活動が円滑に進む!」

「確かに布教活動は大事だがな」

「そうであろう!我らは間違っておらん!」

「だかな。俺に聖教国の上層部を排除してくれと言って来たのは、その女神様だぞ?」

「なんで、貴様が女神様から依頼を受ける事ができる?でたらめをぬかすな!」

「まぁ、そう思えばいいよ。女神様の名を騙り聖教国を好き勝手した悪人の末路は想像したくないな」

「なんだと!我らが悪人?死刑にするつもりか?教会の教えは懺悔・・・・・・」

「その懺悔をしなかったのはお前達であろう!」

 聖騎士団長の言葉に、ぐうの音も出ない教会幹部達だった。しかし、その後のヒロトシの言葉を聞き震え上がる逮捕者達であった。

「俺が言ったのは、あんた達が死んだ後の事だよ」

「「「「「何を言っている」」」」」

「神は地上を見ているんだよ。善人は死んだ後は極楽浄土に行ける。お前達のような悪人は地獄に落ちるんだ。そこでありとあらゆる罰を受け、魂は浄化され次の人生は人間には生まれ変われないよ」

 それを聞いて、大司祭達は顔が真っ青を通り越し真っ白になっていた。そして、大司祭や大司教は聖騎士に連行されてしまった。

「あの、ヒロトシさん今の話は本当なんですか?」

「さぁ?どうでしょうね」

「でも、今の話は信憑性があまりにあったように感じます」

「あいつらには恐怖を感じないと反省しないと思ったから、口からでまかせを言っただけさ」

「本当ですか?」

「信じるも信じないのもあなたしだいだよ。それより、団長さん後は悪党の親玉だけです」

「あ、ああ。わかったよ」

 聖騎士団達もヒロトシの言葉に恐怖を覚えて、言葉を失っていたようだ。
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