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第7章 新たな進化
16話 追い詰められる教会本部
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まさか、ギルドがヒロトシの店を擁護するとは思いもしていなかった教会は、上層部で会議が開かれていた。
「大司祭いったいどういう事なのだ?」
「はぁあ、私達にもどうなっているのかさっぱりでどうしたものかと!」
「そのような悠長なことを言っている場合ではなかろう!このままでは教会の資金がまったく入らなくなるのだぞ」
「しかし!教皇様・・・・・・聖教国がヒロトシの店を締め出せば、ギルドが聖教国から撤退すると公式に申し出てきたのです」
「そんなことになれば・・・・・・」
「はい・・・・・・そうなれば、聖教国に物資の流通がなくなり、冒険者もギルドが聖教国から撤退して魔物が横行し、平民が暴動を起こすことになるでしょう」
「駄目だ駄目だ!そんなことになれば、本当に聖教国は滅亡してしまう」
「教皇様、あなたの力で何とかならないのですか?薬草問屋もこれ以上は!」
スティーブも、この会議に参加していた。これからわかるように、聖教国の上層部は薬草問屋とズブズブな関係だ。
ヒロトシのポーション屋が開店してから、今まであったポーション屋が次々に閉店に追い込まれ、薬草を購入する店がなくなっていた。
購入しても、ポーションは売れないのだ。今、生き残っているポーション屋は、言う事を聞き入れず原価ギリギリで販売をしていた店である。
その店も今では、ヒロトシの店から薬草を卸してもらっていた。
「馬鹿なことを言うな!」
スティーブは、焦っていた。薬草問屋の売り上げが下がってというより、ヒロトシのポーション屋が開店してからまったくなくなってしまい、従業員が辞職しだしていた。
「旦那様、申し訳ないですが今月で私も辞めさせていただきます」
「何を言っている。お前まで辞めたら薬草問屋はどうなるんだ?」
「もう決めたことですから」
「しかし、今まで給料だって多く渡していただろ?こういう時こそ・・・・・・」
「こんな事は言いたくありませんが、あのポーション屋にはもう太刀打ちできませんよ。独自の薬草の
販売ルートを持ち、薬草を他の店にまで卸すことができているのです」
「だから・・・・・・」
「それに教会のお株さえ奪って、患者がヒロトシの店を頼っているではありませんか?」
「それは、なんとかするために教会と相談を!」
「私が何も知らないとでも?」
「何を言っている・・・・・・」
「ギルドは、教会よりヒロトシを取ったみたいじゃないですか?聖教国がヒロトシに負けたんですよ」
「馬鹿なことを!」
「そうですか?ヒロトシの店に圧力をかけると、ギルドが聖教国から撤退するんでしょ?今まで聖教国がやってきたことをやられて何も出来なくなっているじゃないですか?」
「う、うるさい!そんなに辞めたいのならもう来なくてもいい!お前はクビだ!」
「ありがとうございます。私も沈む船に乗り続ける趣味はござませんので!」
「勝手にしろ!」
こうして、スティーブの薬草問屋から内情をしる人間がどんどん辞職者を出ていた。
「教皇様このままでは、ギルドに納める金が少なくなるんです」
「だからどうしたというのだ!」
「私のギルドからの信用が落ちると言う事です」
薬草問屋が年間納める金は2000万ゴールド以上、つまり売り上げは2億を越える。しかし、今年の納める金は100万ゴールドに達していない。
そうなれば、スティーブの商人ランクはSからAランクに落ちてしまうのだ。
「Aランクに落ちると、ギルドに無茶なお願いも聞いてもらえません」
「そんなに売り上げが落ちていたのか?」
「はい・・・・・・今では売り上げの一部を納めることも出来なくなっています」
「なんだと・・・・・・薬草問屋からのお布施もなくなるというのか?」
「教皇様、申し訳ないのですがこちらからも報告があります」
「大司祭なんだ?」
「マリー司祭が、ヒロトシの店に行って得た情報ですが、ヒロトシのポーション屋では近々薬師も雇う事になるそうです」
「ヒロトシめ!とことん教会本部を潰すつもりなのか?」
「そのようです・・・・・・」
「それで黙って帰って来たのか?」
「申し訳ありません。それと大変恐縮なのですが、ヒロトシがこんな事を・・・・・・」
「なんだ?」
「このままでは聖教国は、滅亡の一途を辿る事になるそうです。そして、教皇様の引退を促されて、聖女を解放しろと・・・・・・」
大司祭は、汗だくとなり教皇にヒロトシのポーション屋であった事を告げた。その報告を受け教皇は、顔を真っ赤にして怒り狂ったのだ。
「ヒロトシの奴め!調子に乗りおって!」
「しかし、教皇様?」
「なんだ?」
「教皇様、ヒロトシは教会内部をどこまで知っているのですか?聖女を解放しろと言ってきたんです。それは、聖女を監禁していることを知っているのですか?」
「そういえば・・・・・・聖女の事を知っているのはここにいる者だけだ。誰が内通者だ?」
「「「「「「そんな!私達がそんな事」」」」」」
教皇の言葉に、大幹部達は慌てて否定したのだった。
「「クックックックッ。相当追い詰められてきましたね」」
会議を見つめる二人の影があるのは当然だった。
「大司祭いったいどういう事なのだ?」
「はぁあ、私達にもどうなっているのかさっぱりでどうしたものかと!」
「そのような悠長なことを言っている場合ではなかろう!このままでは教会の資金がまったく入らなくなるのだぞ」
「しかし!教皇様・・・・・・聖教国がヒロトシの店を締め出せば、ギルドが聖教国から撤退すると公式に申し出てきたのです」
「そんなことになれば・・・・・・」
「はい・・・・・・そうなれば、聖教国に物資の流通がなくなり、冒険者もギルドが聖教国から撤退して魔物が横行し、平民が暴動を起こすことになるでしょう」
「駄目だ駄目だ!そんなことになれば、本当に聖教国は滅亡してしまう」
「教皇様、あなたの力で何とかならないのですか?薬草問屋もこれ以上は!」
スティーブも、この会議に参加していた。これからわかるように、聖教国の上層部は薬草問屋とズブズブな関係だ。
ヒロトシのポーション屋が開店してから、今まであったポーション屋が次々に閉店に追い込まれ、薬草を購入する店がなくなっていた。
購入しても、ポーションは売れないのだ。今、生き残っているポーション屋は、言う事を聞き入れず原価ギリギリで販売をしていた店である。
その店も今では、ヒロトシの店から薬草を卸してもらっていた。
「馬鹿なことを言うな!」
スティーブは、焦っていた。薬草問屋の売り上げが下がってというより、ヒロトシのポーション屋が開店してからまったくなくなってしまい、従業員が辞職しだしていた。
「旦那様、申し訳ないですが今月で私も辞めさせていただきます」
「何を言っている。お前まで辞めたら薬草問屋はどうなるんだ?」
「もう決めたことですから」
「しかし、今まで給料だって多く渡していただろ?こういう時こそ・・・・・・」
「こんな事は言いたくありませんが、あのポーション屋にはもう太刀打ちできませんよ。独自の薬草の
販売ルートを持ち、薬草を他の店にまで卸すことができているのです」
「だから・・・・・・」
「それに教会のお株さえ奪って、患者がヒロトシの店を頼っているではありませんか?」
「それは、なんとかするために教会と相談を!」
「私が何も知らないとでも?」
「何を言っている・・・・・・」
「ギルドは、教会よりヒロトシを取ったみたいじゃないですか?聖教国がヒロトシに負けたんですよ」
「馬鹿なことを!」
「そうですか?ヒロトシの店に圧力をかけると、ギルドが聖教国から撤退するんでしょ?今まで聖教国がやってきたことをやられて何も出来なくなっているじゃないですか?」
「う、うるさい!そんなに辞めたいのならもう来なくてもいい!お前はクビだ!」
「ありがとうございます。私も沈む船に乗り続ける趣味はござませんので!」
「勝手にしろ!」
こうして、スティーブの薬草問屋から内情をしる人間がどんどん辞職者を出ていた。
「教皇様このままでは、ギルドに納める金が少なくなるんです」
「だからどうしたというのだ!」
「私のギルドからの信用が落ちると言う事です」
薬草問屋が年間納める金は2000万ゴールド以上、つまり売り上げは2億を越える。しかし、今年の納める金は100万ゴールドに達していない。
そうなれば、スティーブの商人ランクはSからAランクに落ちてしまうのだ。
「Aランクに落ちると、ギルドに無茶なお願いも聞いてもらえません」
「そんなに売り上げが落ちていたのか?」
「はい・・・・・・今では売り上げの一部を納めることも出来なくなっています」
「なんだと・・・・・・薬草問屋からのお布施もなくなるというのか?」
「教皇様、申し訳ないのですがこちらからも報告があります」
「大司祭なんだ?」
「マリー司祭が、ヒロトシの店に行って得た情報ですが、ヒロトシのポーション屋では近々薬師も雇う事になるそうです」
「ヒロトシめ!とことん教会本部を潰すつもりなのか?」
「そのようです・・・・・・」
「それで黙って帰って来たのか?」
「申し訳ありません。それと大変恐縮なのですが、ヒロトシがこんな事を・・・・・・」
「なんだ?」
「このままでは聖教国は、滅亡の一途を辿る事になるそうです。そして、教皇様の引退を促されて、聖女を解放しろと・・・・・・」
大司祭は、汗だくとなり教皇にヒロトシのポーション屋であった事を告げた。その報告を受け教皇は、顔を真っ赤にして怒り狂ったのだ。
「ヒロトシの奴め!調子に乗りおって!」
「しかし、教皇様?」
「なんだ?」
「教皇様、ヒロトシは教会内部をどこまで知っているのですか?聖女を解放しろと言ってきたんです。それは、聖女を監禁していることを知っているのですか?」
「そういえば・・・・・・聖女の事を知っているのはここにいる者だけだ。誰が内通者だ?」
「「「「「「そんな!私達がそんな事」」」」」」
教皇の言葉に、大幹部達は慌てて否定したのだった。
「「クックックックッ。相当追い詰められてきましたね」」
会議を見つめる二人の影があるのは当然だった。
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