研磨職人！異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第７章　新たな進化

１１話　ポーション屋開店

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　ヒロトシは、棟梁達に頼み店舗の建設を急ピッチに進め、また奴隷に落とされた錬金術師達を購入した。
　これで人員は十分すぎるほど確保に成功した。

「ご主人様、本当にありがとうございます」

　ミトンの町に連れてこられた元錬金術師達は、その待遇のよさに涙を流し、ヒロトシにお礼を言っていた。

「うん。君達には聖都でポーション屋で働いてもらいます。聖都の馬鹿げた商売に終止符をうってもらうつもりなので頑張ってください」

　ヒロトシから告げられた言葉に歓声が上がるほどだった。奴隷に落とされた錬金術師達は、薬草が手に入らない現状に四苦八苦しながら経営を続けて、結局借金を背負い奴隷になってしまった。

　ヒロトシには、薬草を独自のルートで仕入れる事を聞き、その方法に驚いたが自分達のやることは、ポーションを制作する事だけだった。

「こんな方法があるなんて・・・・・・」
「まず、聖都の薬草問屋は太刀打ちできないな」
「ああ・・・・・・」
「俺達の恨みをはらせそうだ」

　ヒロトシに購入された錬金術師達はやる気をみなぎらせていた。

「ティア、聖教国のポーション屋はお前に任せたからよろしく頼むぞ」

「はい！」

　そして、ポーション屋を冒険者ギルドの近い場所に開店したのだった。

「なんだよ？この安いポーションは？」
「本当に効果があるのか？」

「はい！大丈夫ですよ。効果は普通のポーションの１０％増しとなっております」

「嘘じゃないだろうな？」

「鑑定のある冒険者に聞いていただいても構いませんよ」

　冒険者達は、なかなかティアの言う事を信じてくれなかった。なので、冒険者ギルドの職員が噂を聞きつけやってきて、冒険者ギルドが鑑定を行ったのである。

「これは凄い！本当に１０％増しの回復量があります！」
「本当なのか？」
「ええ！この女性に嘘偽りはございません！」

　それを聞いた冒険者は、我先にとばかりに、ポーションを買い求めたのだ。

「皆さん、押し合わないでください！在庫は十分すぎるほどあります！」

「そ、そうなのか？」

「はい！大丈夫です。うちは聖教国の薬草問屋を通さず、独自の販売ルートで適正価格での販売しますので安心してください」

　それを聞いた冒険者達は、歓声を上げたのだ。そして、ティア達受付嬢は世話しなく販売業務をおこなった。この事は、一気に広まることになった。

　ヒロトシは、商人ギルドに顔を出していた。

「ヒロトシさん。この度は本当にありがとうございます」

「シャインさん。まだ、お礼は早すぎますよ」

「どういう事ですか？」

「この前に来た時、優良店舗を教えてくれましたよね？」　

「はい。それがなにか？」

「優良店の責任者に、商人ギルドからことづけしてもらいたいのですよ」

「何をでしょうか？」

「ポーションを適正価格で販売していただけたら、うちの薬草を卸しても構いませんよ」

「本当ですか？」

「ええ。優良店舗を潰すわけにはいかないからな。冒険者達は数は多いしな。ただし、今まで薬草問屋の言いなりになっていた店舗には言わないでくれ」

「わかってます。優良店の店主はギルドで把握してますので安心してください」

　ギルドから連絡をもらった、錬金術師達は涙を流しヒロトシにお礼を言って、薬草を購入して行ったのだった。

　これに納得できなかったのが、薬草問屋の大商人であるスティーブだった。

「あのポーション屋はなんだ！」

「すいません。まさか、薬草の独自の販売ルートをもっているとは思いもしていませんでした」

　薬草問屋は、今までの新規参入の店だと思い馬鹿にしていた。どうせポーション屋を開店しても、薬草は必須素材であり、薬草問屋に頭を下げないと手に入らないからだ。
　逆らえば、薬草は手に入らず今までの錬金術師達のように、経営失敗してしまうのだ。

「長い時間をかけて、他の薬草業者を駆逐したものを！」

　スティーブは、聖教国で聖職者に賄賂を送り、ライバル業者を潰し、聖都で独占販売に成功していたのだ。

「用心棒を雇い、あの店を潰せ！」

　スティーブは、ヒロトシのポーション屋が薬草では、弱味を握れないのでゴロツキを差し向けたのだ。

「おい！この店はどこから薬草を仕入れている！」

「薬草の仕入れルートなんて話せる訳ないじゃないですか？商人の命ですよ」

「聖都では、昔から薬草問屋を通さないといけない事になっているんだよ！勝手な真似してんじゃねえよ！」

「それは今まで販売ルートがなかったからです！」

「じゃそのルールに乗っ取って商売しやがれ！」

「何を言っているのですか？あんなバカ高い薬草なんか使ったら商売できません！」

　ティアは、ゴロツキの脅しには屈指ず、毅然な態度で反論した。

「やかましい！奴隷が平民様に逆らってんじゃねぇよ！」

「きゃっ！」

　ティアは、ゴロツキに殴られそうになったが、ゴロツキの拳はアイリーンに止められたのだった。

「ちょっと貴方！うちの従業員に何を暴力を振るおうとしているのですか？」

「な、なんだこの女は！この俺様のパンチを受け止めやがった。う、動かねぇ・・・・・・」

　アイリーンは、ゴロツキの拳を受け止め力を入れたのだった。

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